多次元ラスターの管理 (Manage Multidimensional Raster) (マルチディメンション)

サマリー

変数またはディメンションを追加または削除し、多次元ラスターを編集します。

使用法

  • このツールを使用すると、多次元ラスターを編集できます。 このツールは、新しいデータセットは生成しません。多次元ラスターを変更します。 データセットを作成するには、[多次元ラスターのサブセット (Subset Multidimensional Raster)] ツールまたは [ラスターのコピー (Copy Raster)] ツールを使用します。その後、このツールでさらに編集します。

  • ターゲットおよび入力ラスターは、CRF (Cloud Raster Format) 形式である必要があります。 現在、その他の形式はこのツールでサポートされていません。 多次元モザイク データセットまたは多次元ラスター レイヤーを .crf ファイルに変換するには、[ラスターのコピー (Copy Raster)] ツールを使用して、出力形式として CRF を選択し、データセットを多次元として処理するように選択します。

  • [管理モード] パラメーターは、実行する編集操作のタイプを設定します。 このパラメーターは、次のオプションをサポートしています。

    • [ディメンションの追加] - データセットにディメンションを追加します。 ディメンションの名前、説明、単位を指定する必要があります。 ディメンションを追加したら、ディメンションが同じ別の多次元データセットからスライスを追加できます。

      注意:

      入力 CRF データセットが多次元ラスターでない場合、[多次元ラスターの管理 (Manage Multidimensional Raster)] ツールを使用して多次元ラスターを作成することはできません。 代わりに、[ラスター プロパティを設定 (Set Raster Properties)] ツールを使用して多次元ラスターを作成します。

    • [ディメンションの削除] - データセットからディメンションを削除します。 削除する各ディメンションには、1 つの値のみを含めることができます。
    • [スライスの追加] - 1 つまたは複数の入力多次元ラスターから、ターゲット多次元ラスターのスライスのスタック末尾にスライスを追加します。 多次元ラスターの変数とディメンション名は完全に一致する必要があります。ラスター間で重複するディメンション値は追加できません。 追加されるスライスのディメンション値は、ターゲット多次元ラスターのディメンション値の後に続く必要があります。
    • [スライスの置換] - ターゲット多次元ラスターからスライスを削除し、別の多次元ラスターのスライスに置き換えます。 多次元ラスターの変数とディメンション名は完全に一致する必要があります。重複するスライスのみが置換されます。
    • [変数の追加] - 1 つまたは複数の入力多次元ラスターのすべての変数を、ターゲット多次元ラスターの変数のリスト末尾に追加します。 変数名がターゲット多次元ラスターにすでに存在する場合、その変数は追加されません。 複数の入力多次元ラスターに同じ名前の変数が含まれている場合、最初にリストされている入力ラスターの変数がターゲット多次元ラスターに追加されます。
    • [変数の削除] - ターゲット多次元ラスターから 1 つまたは複数の変数と、対応するスライスを削除します。 多次元ラスターには、少なくとも 1 つの変数を残しておく必要があります。

  • [管理モード] パラメーターの [スライスの追加][スライスの置換]、および [変数の追加] オプションを使用するには、入力データが完全に同じ空間参照、空間範囲、セル サイズである必要があります。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
ターゲット多次元ラスター

変更する CRF 内の多次元ラスター。

Raster Dataset; Mosaic Dataset; Raster Layer; Mosaic Layer; Image Service; File
管理モード
(オプション)

ターゲット ラスターに実行する変更のタイプを指定します。

  • ディメンションの追加ディメンションが入力多次元ラスターに追加されます。
  • スライスの追加入力多次元ラスターのスライスが、ディメンションのスライス末尾に追加されます。 これがデフォルトです。
  • 変数の追加入力多次元ラスターの変数が追加されます。
  • スライスの置換特定のディメンション値で、既存のスライスが別の多次元ラスターのスライスに置き換えられます。
  • 変数の削除1 つまたは複数の変数が多次元ラスターから削除されます。
  • ディメンションの削除スライスが 1 つである多次元ラスターは、次元のないラスターに変換されます。
String
変数
(オプション)

ターゲット多次元ラスターで変更される変数。 このパラメーターは、実行される操作が既存の変数の変更である場合に必要です。

変数が指定されない場合、ターゲット多次元ラスターの最初の変数が変更されます。

String
入力多次元ラスター
(オプション)

ターゲット多次元ラスターに追加されるスライスまたは変数を含む多次元ラスター データセット。 このパラメーターは、[管理モード] パラメーターが [スライスの追加][スライスの置換]、または [変数の追加] に設定されている場合に必要です。

Raster Layer; Image Service
ディメンション名
(オプション)

ラスター プロパティに追加されるか、ラスター プロパティから削除される新しいディメンションの名前。 このパラメーターは、[管理モード] パラメーターが [ディメンションの追加] に設定されている場合に必要です。 [管理モード] パラメーターが [ディメンションの削除] に設定されている場合、指定のディメンションには 1 つの値のみを含めることができます。 [ディメンション名] パラメーターが指定されておらず、入力に 1 つのスライスのみが含まれている場合、すべてのディメンションが削除されます。

String
ディメンション値
(オプション)

追加されるディメンションの値。 値には、単一値または値の範囲を指定できます。 値の範囲の場合、最小値と最大値をカンマで区切って指定します。 たとえば、新しい高さディメンションの場合、「0,10」と入力すると、最初のスライスに最初の高さの 10 メートルの情報が含まれるディメンションが生成されます。

このパラメーターは、[管理モード] パラメーターが [ディメンションの追加] に設定されている場合に必要です。

String
ディメンションの説明
(オプション)

メタデータのために、ラスター プロパティに追加される新しいディメンションの説明。 このパラメーターは、[管理モード] パラメーターが [ディメンションの追加] に設定されている場合にアクティブになります。

String
ディメンションの単位
(オプション)

メタデータのために、ラスター プロパティに追加される新しいディメンションの単位。 このパラメーターは、[管理モード] パラメーターが [ディメンションの追加] に設定されている場合にアクティブになります。

String
統計情報の更新
(オプション)

多次元ラスター データセットに対して統計情報を再計算するかどうかを指定します。

  • オン - 統計情報は再計算されます。 これがデフォルトです。
  • オフ - 統計情報は再計算されません。
Boolean
転置の更新
(オプション)

多次元ラスター データセットに対して転置を再構築するかどうかを指定します。

  • オン - 転置は再構築されます。 転置が存在しない場合は、新しい転置が構築されます。 これがデフォルトです。
  • オフ - 転置は再構築されません。
Boolean

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
ターゲット多次元ラスター

変更される多次元ラスター。

Raster Layer

arcpy.md.ManageMultidimensionalRaster(target_multidimensional_raster, {manage_mode}, {variables}, {in_multidimensional_rasters}, {dimension_name}, {dimension_value}, {dimension_description}, {dimension_unit}, {update_statistics}, {update_transpose})
名前説明データ タイプ
target_multidimensional_raster

変更する CRF 内の多次元ラスター。

Raster Dataset; Mosaic Dataset; Raster Layer; Mosaic Layer; Image Service; File
manage_mode
(オプション)

ターゲット ラスターに実行する変更のタイプを指定します。

  • ADD_DIMENSIONディメンションが入力多次元ラスターに追加されます。
  • APPEND_SLICES入力多次元ラスターのスライスが、ディメンションのスライス末尾に追加されます。 これがデフォルトです。
  • APPEND_VARIABLES入力多次元ラスターの変数が追加されます。
  • REPLACE_SLICES特定のディメンション値で、既存のスライスが別の多次元ラスターのスライスに置き換えられます。
  • DELETE_VARIABLES1 つまたは複数の変数が多次元ラスターから削除されます。
  • REMOVE_DIMENSIONスライスが 1 つである多次元ラスターは、次元のないラスターに変換されます。
String
variables
[variables,...]
(オプション)

ターゲット多次元ラスターで変更される変数。 このパラメーターは、実行される操作が既存の変数の変更である場合に必要です。

変数が指定されない場合、ターゲット多次元ラスターの最初の変数が変更されます。

String
in_multidimensional_rasters
[in_multidimensional_rasters,...]
(オプション)

ターゲット多次元ラスターに追加されるスライスまたは変数を含む多次元ラスター データセット。 このパラメーターは、manage_mode パラメーターが APPEND_SLICESREPLACE_SLICES、または APPEND_VARIABLES に設定されている場合に必須です。

Raster Layer; Image Service
dimension_name
(オプション)

ラスター プロパティに追加されるか、ラスター プロパティから削除される新しいディメンションの名前。 このパラメーターは、manage_modeADD_DIMENSION に設定する場合は必須です。 manage_mode パラメーターが REMOVE_DIMENSION に設定されている場合、指定のディメンションには 1 つの値のみを含めることができます。 dimension_name パラメーターが指定されておらず、入力に 1 つのスライスのみが含まれている場合、すべてのディメンションが削除されます。

String
dimension_value
(オプション)

追加されるディメンションの値。 値には、単一値または値の範囲を指定できます。 値の範囲の場合、最小値と最大値をカンマで区切って指定します。 たとえば、新しい高さディメンションの場合、「0,10」と入力すると、最初のスライスに最初の高さの 10 メートルの情報が含まれるディメンションが生成されます。

このパラメーターは、manage_mode パラメーターが ADD_DIMENSION に設定されている場合に必須です。

String
dimension_description
(オプション)

メタデータのために、ラスター プロパティに追加される新しいディメンションの説明。 このパラメーターは、manage_mode パラメーターが ADD_DIMENSION に設定されている場合にアクティブになります。

String
dimension_unit
(オプション)

メタデータのために、ラスター プロパティに追加される新しいディメンションの単位。 このパラメーターは、manage_mode パラメーターが ADD_DIMENSION に設定されている場合に有効になります。

String
update_statistics
(オプション)

多次元ラスター データセットに対して統計情報を再計算するかどうかを指定します。

  • UPDATE_STATISTICS統計情報を再計算します。 これがデフォルトです。
  • NO_UPDATE_STATISTICS統計情報は再計算されません。
Boolean
update_transpose
(オプション)

多次元ラスター データセットに対して転置を再構築するかどうかを指定します。

  • UPDATE_TRANSPOSE転置は再構築されます。 転置が存在しない場合は、新しい転置が構築されます。 これがデフォルトです。
  • NO_UPDATE_TRANSPOSE転置は再構築されません。
Boolean

派生した出力

名前説明データ タイプ
updated_target_multidimensional_raster

変更される多次元ラスター。

Raster Layer

コードのサンプル

ManageMultidimensionalRaster の例 1 (Python ウィンドウ)

この例では、多次元ラスターの末尾にスライスを追加し、統計情報を更新します。

# Import system modules
import arcpy

# Append slices from two multidimensional rasters with temperature data
arcpy.md.ManageMutidimensionalRaster(
	"C:/data/temp1980_1990.crf", "APPEND_SLICES", "Temp", 
	["C:/new_data/temp1991.crf", "C:/new_data/temp1992.crf"],None,
	None,None, None, "UPDATE_STATISTICS")
ManageMultidimensionalRaster の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、スライスを置換し、変数を追加して、ターゲット多次元ラスターにディメンションを追加します。

# Import system modules
import arcpy

# Define input parameters
target_multidimensional_raster = "C:/data/hycom.crf"
manage_mode_replace = "REPLACE_SLICES"
manage_mode_append = "APPEND_VARIABLES"
manage_mode_newDimension = "ADD_DIMENSION"
variables = "water_temp"
replace_multidimensional_rasters = "C:/new_data/new_hycom1985.crf"
salinity_multidimensional_raster = "C:/data/salinity.crf"
dimension_name = "Depth"
dimension_value = "0,5"
dimension_description = "Depth at 5m increments"
dimension_unit = "meter"
update_stats = "UPDATE_STATISTICS"
update_transpose = "UPDATE_TRANSPOSE"


# Replace existing slices with new slices
arcpy.md.ManageMutidimensionalRaster(target_multidimensional_raster,manage_mode_replace, 
	variables, replace_multidimensional_rasters)

# Append salinity variable
arcpy.md.ManageMutidimensionalRaster(target_multidimensional_raster, manage_mode_append,
	'', salinity_multidimensional_raster)
	
# Add a new dimension, depth, for the water temperature variable
# Depth will be measured in 5 meter increments
arcpy.md.ManageMutidimensionalRaster(target_multidimensional_raster, manage_mode_newDimension,
	variables, None, dimension_name, dimension_value, dimension_description, dimension_unit,
	update_stats, update_transpose)
ManageMultidimensionalRaster の例 3 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、単一スライスの多次元ラスターからディメンションを削除します。

# Import system modules
import arcpy

# Define input parameters
target_multidimensional_raster = "C:/data/precip.crf"
manage_mode = "REMOVE_DIMENSION"

# Remove dimension to make input data dimensionless
arcpy.md.ManageMultidimensionalRaster(target_multidimensional_raster,
	manage_mode)

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

関連トピック