ArcGIS Enterprise 10.8.1 および ArcGIS Pro 2.6 以降では、トポロジを、登録済みのエンタープライズ ジオデータベースを参照するフィーチャ レイヤー (フィーチャ サービス) の一部として公開できるようになりました。
メモ:
以下で説明するワークフローは、データがブランチ バージョン対応登録されており、サービス指向アーキテクチャを通じてフィーチャ サービスを使用して、Web フィーチャ レイヤーのトポロジが使用、編集、整合チェックされる場合のみ実行できます。トポロジを格納する際、ArcGIS Pro のマップに Web フィーチャ レイヤーを追加してトポロジの整合チェックを行い、エラーフィーチャを修正することができます。現在、Web フィーチャ レイヤーを他のクライアントに追加する場合は、フィーチャ サービスを通じてトポロジにアクセスすることができません。
トポロジを、Web フィーチャ レイヤーの一部として公開するには、データおよびマップが以下の要件を満たしている必要があります。
公開の準備
Web フィーチャ レイヤーのトポロジを公開して使用する場合は、条件と前提条件が適用されます。トポロジとトポロジに含まれているフィーチャクラスをマップに追加する前に、次の手順を実行して、データがこれらの要件を満たしていることを確認し、公開プロセスの環境を準備します。
- トポロジに含まれているフィーチャクラスは、ブランチ バージョニング対応登録されている必要があります。
- トポロジに含まれているフィーチャクラスに対しては、フィルター設定を適用できません。
- サブタイプ フィールドを含むすべてのフィールドは、トポロジに含まれている各フィーチャクラスに表示される必要があります。これらのフィールドを非表示にすることはできません。サブタイプ フィールドも編集可能である必要があります。
- トポロジをマップに追加する前に、ジオデータベース接続のバージョニング タイプを [ブランチ] に設定し、フィーチャ データセットを登録します。このデータセットには、ブランチ バージョン対応登録されたトポロジとトポロジに含まれているフィーチャクラスが格納されています。
メモ:
- ブランチ バージョンは、フィーチャ サービスを使用してのみ編集できます。ジオデータベース接続のバージョニング タイプがブランチ バージョニングに設定されていない場合、公開した後、トポロジは編集できません。
- トポロジがマップにすでにある状態で、トラディショナル バージョニングからブランチ バージョニングに切り替えた場合、トポロジを新しいマップに追加して新しいデータベース接続プロパティを検出する必要があります。
- [カタログ] ウィンドウで該当するトポロジを右クリックし、[新しいマップに追加] をクリックして、トポロジを新しいマップに追加します。
各関連レイヤーをマップに追加する必要はありません。トポロジをマップに追加すると、すべての関連レイヤーも追加されます。
メモ:
- 公開する前に、トポロジに含まれているすべてのフィーチャクラスをマップに追加する必要があります。各フィーチャクラスはマップに一度しか追加できません。たとえば、各レイヤーに異なるシンボルを適用できるよう、マップに同じフィーチャクラスを 2 回追加すると、フィーチャ サービスのトポロジを公開できません。
- トポロジのデータ所有者は、公開前にトポロジをマップに追加する必要があります。
- 公開する前に、マップにはトポロジは 1 つしか格納できません。
- サーバーにエンタープライズ ジオデータベースをデータ ストアとして登録します。Web フィーチャ レイヤーのトポロジは、登録済みデータ ソースのデータを参照する必要があります。
データの公開時または分析時にエンタープライズ ジオデータベースをデータ ストアとして登録することもできます。データベースがサーバーに登録されていない場合、分析ツールのエラー メッセージが [Web レイヤーとして共有] ウィンドウに表示されます。データ ソースを登録するには、エラー メッセージで [オプション] > [データ ソースをサーバーに登録します] の順にクリックします。
フィーチャ レイヤーとしてのトポロジの公開
トポロジを Web フィーチャ レイヤーの一部として公開するには、次の手順に従います。アクティブなポータルのフェデレーション サーバーに登録されたデータを参照する詳細なワークフローについては、「Web フィーチャ レイヤーの共有」をご参照ください。
- トポロジとすべての関連フィーチャクラスが現在のマップ ビューに追加されていることを確認します。
- [共有] タブで [Web レイヤー] ドロップダウン矢印をクリックして、[Web レイヤーの公開] をクリックします。
メモ:
マップ内のトポロジは、公開用のデフォルト バージョンに接続する必要があります。
- [Web レイヤーとして共有] ウィンドウで、Web レイヤー名、サマリー、およびタグを追加します。
Web レイヤーを公開するには、サマリーとタグが必要です。
- [データ] で [登録済みデータを参照] をオンにします。
- [レイヤー タイプ] で [フィーチャ] をオンにします。
- [場所] で、データを共有する場所を選択します。
- [共有範囲] で、このサービスを共有するユーザーを選択します。
- [レイヤーの構成] アイコン の下にある [構成] タブの [ケーパビリティ] の下で、[バージョン管理] と [整合チェック] チェックボックスをオンにします。
メモ:
- Web フィーチャ レイヤーのトポロジの整合性をチェックするには、[バージョン管理] および [整合チェック] 機能を有効にする必要があります。この機能は無効にできますが、無効にした場合、フィーチャ サービスを通じてトポロジの整合性をチェックすることができません。また、トポロジを Web フィーチャ レイヤーとして公開する場合、これらの機能のどちらか一方のみを有効にすることはできません。両方とも有効、または両方とも無効になります。
- トポロジを含むフィーチャ データセットがブランチ バージョン対応でなければ、[バージョン管理] と [整合チェック] 機能は使用できません。トポロジがブランチ バージョン対応データベース接続からマップに追加されていることを確認してください。
- バージョン管理と整合チェックの両機能がオフの場合、トポロジは読み取り専用フィーチャ サービスとして公開できます。
- [構成] タブの [プールの構成] アイコン の下にある、[インスタンス タイプ] の下で [専用インスタンス] が選択されていることを確認します。共有インスタンス プールは、バージョン管理および整合チェックに対応していません。
- これらのデフォルト構成を変更する場所と手順については、必要に応じて「Web レイヤー プロパティの構成」をご参照ください。
メモ:
- 公開する際、[トポロジ レイヤーを含める] オプションがオンになっている必要があります。このオプションがオフになっていると、Web フィーチャ レイヤーを公開することはできますが、トポロジが格納されません。
- トポロジをオフラインで取得することはできません。Web フィーチャ レイヤーの同期を有効にして、オフラインで取得した場合、トポロジはオフライン マップに格納されません。
- [共有の完了] で [分析] をクリックして問題がないか確認します。
エラーと警告は [メッセージ] タブにリストされます。メッセージを右クリックしてヘルプ トピックを開くか、ソフトウェアで処置を行います。Web レイヤーを共有するには、エラー を解決する必要があります。警告 の解決は推奨されますが、必須ではありません。
- エラーを解決し、必要に応じて警告を修正して整合チェックを行ったら、[公開] をクリックして Web レイヤーを共有します。
- Web レイヤーが正常に公開されたら、[Web レイヤーの管理] リンクをクリックして、ポータルから Web フィーチャ レイヤーを管理します。
メモ:
[登録済みデータを参照] がすでに選択されているため、[Web レイヤーの管理] リンクからマップ イメージ レイヤーのアイテム ページが開きます。トポロジ フィーチャ レイヤーのマップへの追加
トポロジは、フィーチャ レイヤーとして ArcGIS Enterprise ポータルに共有されます。フィーチャ サービスには、トポロジ フィーチャ レイヤーとそれに関連するフィーチャクラスが格納されています。公開が完了した後、トポロジ フィーチャ レイヤーとマップ イメージ レイヤーの両方が利用可能になります。
トポロジと関連レイヤーをマップに追加するには、次の手順に従います。
- [カタログ] ウィンドウの [ポータル] タブをクリックします。
- トポロジ Web フィーチャ レイヤーを特定してダブルクリックし、トポロジと関連レイヤーを一覧表示します。
- トポロジ フィーチャ レイヤーを右クリックして、[新しいマップに追加] をクリックするか、トポロジを現在のマップに追加します。
メモ:
トポロジ フィーチャ レイヤーをマップに追加すると、すべての関連レイヤーも自動的に追加されます。
トポロジ フィーチャ レイヤーのプロパティの表示
トポロジがフィーチャ レイヤーとして公開された場合、トポロジのプロパティは読み取り専用です。利用可能なトポロジ変更タスクのリストは、「一般的なトポロジ タスク」の表をご参照ください。
これらの読み取り専用プロパティにアクセスするには、次の手順に従います。
- マップに、トポロジおよび関連フィーチャを追加します。
- [コンテンツ] ウィンドウでトポロジ レイヤーを右クリックして [プロパティ] をクリックするか、トポロジ レイヤー名をダブルクリックします。
これにより、トポロジのフィーチャ レイヤーのプロパティが開きます。
トポロジ Web フィーチャ レイヤーの [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスに表示される主要なタブには、[フィーチャ レイヤー]、[ルール]、[エラー] などがあります。これらのタブについては、以下のセクションで詳しく説明します。
- 表示するプロパティを含むタブをクリックし、完了したら [OK] をクリックします。
フィーチャ レイヤー タブ
[フィーチャ レイヤー] タブには、次の情報が表示されます。
- トポロジ処理に使用される XY クラスター許容値
- トポロジの XY ランク数
- トポロジ フィーチャ レイヤーに関連するすべてのフィーチャ レイヤーのリスト
- 格納されている各フィーチャ レイヤーに割り当てられた XY ランク
トポロジの公開前、トポロジを最初に作成したときに、トポロジ内のフィーチャクラスをランク付けして、頂点が他の頂点のクラスター許容値内にある場合の移動方法を制御します。ランク 1 のフィーチャクラスは最も高精度と見なされます。座標ランクを使用すると、トポロジの整合チェックで、高い信頼性で配置された頂点に信頼性の低い頂点を移動することができます。詳細については、「ArcGIS のトポロジ」をご参照ください。
ルール タブ
トポロジ ルールは、フィーチャ間で許容される空間的な関連性を定義します。
[ルール] タブには、トポロジ フィーチャ レイヤーに属するフィーチャ レイヤーおよびサブタイプに定義されたトポロジ ルールが表示されます。必要に応じて、[ルール] タブから、トポロジ ルールをルール セット ファイルに保存できます。
[エラー] タブ
トポロジの整合性がチェックされると、[エラー] タブには、トポロジで検出されたエラーと例外の概要が表示されます。トポロジの整合性がチェックされていない場合は、タブに [整合チェック未実行] と表示されます。
[ルール] タブと同様に、テーブルには、トポロジ ルールと属しているフィーチャクラスおよびサブタイプが表示されます。右側に、各トポロジ ルールに関連するエラーと例外が表示されます。トポロジを整合チェックしてトポロジ ルールに違反している場合、エラーが生成されます。[ファイルにエクスポート] ボタンをクリックし、サマリーをテキスト ファイルとして保存すると、特定の日時におけるトポロジの状態を記録することができます。これは、大規模なトポロジ編集プロジェクトの進行状況を記録および監視するのに役立ちます。
ヒント:
トポロジが Web フィーチャ レイヤー (フィーチャ サービス) の一部として公開されると、フィーチャ サービスを通じて整合チェック、編集、エラーの修正などができるようになります。整合チェックおよびトポロジ エラーの修正の詳細をご参照ください。