チュートリアル: レポートの作成および変更

このチュートリアルでは、ファイル ジオデータベースのテーブルからレポートを作成し、追加のニーズに合わせて変更する方法について説明します。

このシナリオでは、大手のオレンジ ジュース販売会社の GIS アナリストとして作業に取り組みます。翌朝の出資者会議に向けて、郡の小区域別の売上データを含む売上レポートを生成するよう、上司から依頼されました。管轄している 3 つの郡の第 2 四半期の売上情報を含むファイル ジオデータベース テーブルが提供されています。ただし、この会議の主な議題は、出資者が撤退を検討している Imperial County のみです。出資者からは、最終レポートの PDF 形式ファイルを提供し、すべての関係者と共有するように依頼されています。

データの取得

このチュートリアルのデータは、ArcGIS Online からダウンロードできます。

1. arcgis.com のレポート チュートリアル データのアイテム説明 Web ページに移動します。
2. [ダウンロード] をクリックして、ファイルをローカルに保存します。
3. ダウンロードしたファイルを展開します。

レポートの設計

まず、このシナリオに固有のレポートを作成する必要があります。レポートを作成する前に、[新しいレポートの作成] ウィンドウを使用して、データの構成、フィールドのグループ化と並べ替えの適用、要約統計の追加、テンプレートやスタイル設定テーマの選択を行います。このウィンドウの使用方法の詳細については、「新しいレポートをプロジェクトに追加」をご参照ください。

1. ArcGIS Pro を開きます。必要であれば、ArcGIS Online にサイン インします。
2. テンプレートを使用せずに新しいプロジェクトを開始します。
3. [挿入] タブの [プロジェクト] グループで、[新しいレポート] をクリックして [新しいレポートの作成] ウィンドウを開きます。
4. [新しいレポートの作成] ウィンドウで、[レポート名] フィールドを「Total Sales Q2」に変更します。ウィンドウのこのページの設定の詳細については、「データ ソースの設定」をご参照ください。
5. [データ ソース] 見出しの参照ボタン をクリックし、以前に保存したファイル ジオデータベース内の [Q2_SalesData] テーブルを参照します。[OK] をクリックします。
6. [次へ] をクリックして [データのフィルター処理] オプションに進みます。ウィンドウのこのページの設定の詳細については、「レポート データのフィルター処理」をご参照ください。
7. [データのフィルター処理] ページの [行] メニューを展開し、[条件式によるフィルター処理] を選択します。
8. [式] の下にある [新しい条件式] ボタン をクリックします。

   検索条件設定が表示され、1 つの新しい句が含まれています。

9. 新しい句で、式を Where 句 [Region] が [Imperial County] [と等しい] に設定し、[整合チェック] ボタン をクリックします。
10. [フィールド] 見出しの下にある OID および Region フィールドをオフにして、最終レポートから除外します。
11. May_TotalSales をドラッグして、Apr_TotalSales と Jun_TotalSales の間に連続するように配置します。
12. [次へ] をクリックして [データの整理] オプションに進みます。ウィンドウのこのページの設定の詳細については、「レポート データの整理」をご参照ください。
13. [データの整理] ページの [グループ化と並べ替え] 見出しの [グループ化] 列で、[(アイテムの追加)] ドロップダウン メニューをクリックして [SubRegion] を選択します。デフォルトでは、グループの並べ替えは [昇順] に設定されています。
14. [並べ替え] 列で、[(アイテムの追加)] ドロップダウン メニューを開き、[RepName] を選択します。各グループ内で全担当者名が Z から A の順で表示されるよう、並べ替え方向を [降順] に変更します。
15. [要約統計量] 見出しで、次のフィールドと統計の組み合わせを定義します。

    RepName	総数
    Apr_TotalSales	合計
    May_TotalSales	合計
    Jun_TotalSales	合計

16. [次へ] をクリックして [レポートの設計] オプションに進みます。ウィンドウのこのページの設定の詳細については、「レポートの設計」をご参照ください。
17. [レポートの設計] ページの [表示] 見出しの下にある [テンプレート] ドロップダウン メニューをクリックし、[グループ化による属性リスト] テンプレートが選択されていることを確認します。
18. [スタイリング] ドロップダウン メニューをクリックし、[クール トーン] スタイル設定テーマを選択します。
19. [余白] ドロップダウン メニューをクリックして、[狭い] を選択します。

    参考として、現在の余白の計測値が [余白] メニューの下に表示されます。余白領域はレポート ビューからトリミングされますが、レポートのエクスポート時に表示されます。

20. [完了] をクリックすると、現在の設定を使用してレポートが生成されます。

レポートがプロジェクトに追加されて、開きます。

レポートを PDF としてエクスポート

次のステップでは、レポートをエクスポートして共有します。レポートは PDF ファイルかレポート ファイルで共有できます。このシナリオでは、上司が PDF ファイルを求めています。

1. レポート ビューがアクティブであることを確認します。[共有] タブの [エクスポート] グループで、[レポート] をクリックします。
2. [レポートのエクスポート] ウィンドウで、PDF ファイルを保存する場所を参照します。
3. ファイル名を更新、またはそのまま使用します。
4. [フォント] グループで、エクスポートされたレポートを適切に表示させるには、[フォントの埋め込み] がオンになっていることを確認します。これにより、PDF を閲覧するユーザーが Esri フォントをインストールしていない場合でも、コンテンツは正しく表示されます。
5. [エクスポート] をクリックします。

   エクスポートが完了すると、デフォルトの PDF ビューアーで PDF が開きます。これで、上司に共有できるようになります。

レポート ビューでの既存レポートの変更

上司が PDF レポートを確認し、いくつかの変更を加えて送り返してきました。[レポート] リボンを使用してレポートを変更し、SubRegion の強調、Region フィールドへの追加、および担当者名のアルファベット順による並べ替えといった更新を含めます。

1. 必要に応じて、以前に作成した [Total Sales Q2] レポートを開きます。レポートは、他のプロジェクト アイテムと同様に、専用カテゴリの [カタログ] ウィンドウおよび [カタログ] ビューにリスト表示されます。
2. [コンテンツ] ウィンドウの [グループ ヘッダー: SubRegion] セクションをクリックして、セクションをアクティブにします。
3. ビュー内の [{SubRegion}] エレメントをクリックして選択します。

   [コンテンツ] ウィンドウの [グループ ヘッダー: フィールド値 テキスト] エレメントを右クリックし、エレメントが見づらい場合は [選択エレメントにズーム] ボタンをクリックします。

4. [テキスト] の下にある [書式設定] タブの [テキスト シンボル] グループで、[テキスト シンボルのフォント スタイル] を [太字] に、[テキスト色] を濃い色合いの青に変更します。
5. [コンテンツ] ウィンドウで、[グループ フッター: SubRegion] の横にある矢印を展開します。一度にすべてのテキスト エレメントを選択するには、リストの最初のテキスト エレメントをクリックしてから、Shift キーを押したままリストの最後のテキスト エレメントをクリックします。[コンテンツ] ウィンドウとレポート ビューの両方のすべてのテキスト エレメントが選択されています。
6. [書式設定] タブの [テキスト シンボル] グループで、[テキスト色] を中程度の色合いの青に変更します。
7. [コンテンツ] ウィンドウまたはレポート ビューのいずれかでレポートの [詳細] セクションをクリックし、アクティブにします。
8. [挿入] タブの [データ] グループで [フィールド] ボタン をクリックします。
9. [フィールド値の挿入] ダイアログ ボックスで、[フィールド] を [Region] に設定し、[OK] をクリックします。
10. レポート ビューで、フィールドが表示される [詳細] セクションをクリックします。アクティブになっているセクション内をドラッグし、ボックスを描画してフィールドを配置することもできます。
11. [コンテンツ] ウィンドウで、レポートのタイトル ([Total Sales Q2]) を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
12. [グループ化と並べ替え] タブをクリックします。
13. RepName の横にある並べ替え方向を [昇順] に変更します。
14. [OK] をクリックして、変更を適用します。
15. アクティブなレポート ビューで、[共有] タブの [エクスポート] グループにある [レポート] をクリックし、更新を反映した新しい PDF を作成します。
16. [レポートのエクスポート] ウィンドウで、PDF ファイルを保存する場所を参照します。
17. ファイル名を更新またはそのまま使用し、[フォントの埋め込み] をオンにします。
18. [エクスポート] をクリックします。

    既存 PDF ファイルを上書きしてよいかどうかを確認するように求められます。開いている PDF ファイルは上書きできません。

これで、Imperial County でオレンジ ジュースを販売し続けるかどうかを決定するために、更新されたレポートを上司および出資者に共有することができます。

サマリー

このチュートリアルでは、[新しいレポートの作成] ウィンドウを使用して、ファイル ジオデータベースのテーブルからレポートを作成する手順について説明しました。これには、グループ化、並べ替え、要約統計量の定義、テンプレートおよびスタイル設定テーマの選択、およびエクスポートされたページの設定が含まれます。テキスト フォント、色、グループ化、並べ替えなど、既存レポートのエレメントのプロパティを更新し、新しいフィールドを追加しました。最後に、レポートを新しい PDF としてエクスポートし、既存の PDF を上書きしました。