概要
フィーチャクラスの各フィーチャにジオメトリによる問題があるかどうかを検査します。問題が検出されると、修正が適用され、対象のフィーチャと修正されたジオメトリの問題を特定する 1 行分の説明が出力されます。
使用法
このツールは、[ジオメトリのチェック (Check Geometry)] ツールと同じロジックを使用して、ジオメトリの問題を特定します。
以下に、ジオメトリの問題とそれに対処するためにツールで実行される修正を示します。
- Null geometry - フィーチャクラスからレコードを削除します。NULL ジオメトリを含むレコードを保持するには、[NULL ジオメトリを含むフィーチャを削除] をオフにします (Python の KEEP_NULL パラメーターの delete_null オプションを使用します)。
- Short segment - ジオメトリの短い線分を削除します。
- Incorrect ring ordering - リングの順序が正しくなるように、ジオメトリを更新します。
- Incorrect segment orientation - 線分の方向が正しくなるように、ジオメトリを更新します。
- Self intersections - ポリゴンの重複を解消します。
- Unclosed rings - リングの端点を接続して、閉じていないリングを閉じます。
- Empty parts - 無効または空のパートを削除します。
- Duplicate vertex - 頂点の 1 つを削除します。
- Mismatched attributes - Z 座標または M 座標を一致するように更新します。
- Discontinuous parts - 既存の不連続パートから複数のパートを作成します。
- Empty Z values: Z 値を 0 に設定します。
- Bad envelope - フィーチャのエンベロープを修正するように更新します。
修正を適用し終えると、結果のジオメトリがツールによって再評価されます。別の問題が検出された場合は、その問題に対する適切な修正が実行されます。たとえば、Incorrect ring ordering の問題のあるジオメトリの修正結果によって、Null geometry の問題のあるジオメトリが発生する場合もあります。
[ジオメトリの修正 (Repair Geometry)] には、bad dataset extent を解決する修正はありません。この問題を解決するには、データセットで [フィーチャクラスの範囲を再計算 (Recalculate Feature Class Extent)] ツールを実行します。
Esri の整合チェック方法では、Esri Simplify メソッドを使用してジオメトリがトポロジ的に正しいことを確認します。
OGC の整合チェック方法では、「OpenGIS Implementation Standard for Geographic information – simple feature access – Part 1: common architecture」で定義された OGC 仕様にジオメトリが準拠していることを確認します。
OGC 方式を使用してフィーチャのジオメトリを修正した後に続けて編集や変更を行うと、ジオメトリが OGC 仕様に準拠しなくなる可能性があります。フィーチャの変更後は、[ジオメトリのチェック (Check Geometry)] ツールを使用して、ジオメトリの問題が新たに発生していないか確認してください。必要な場合は、[ジオメトリの修正 (Repair Geometry)] ツールを再実行します。
OGC simplify では、ベジェ曲線、円弧、楕円円弧などの非線形線分がサポートされていません。これらのタイプの線分は、[ジオメトリの修正 (Repair Geometry)] の実行前に入力データセットの [頂点の挿入 (Densify)] ツールを使用して高密度化する必要があります。[頂点の挿入 (Densify)] ツールの実行時に非線形線分が不可逆的に変更されるのを防ぐために、先にデータのコピーを作成し、そのコピーに対して [ジオメトリの修正 (Repair Geometry)] を使用します。データに非線形線分が含まれているかどうかを判別するには、[ジオメトリ属性の追加 (Add Geometry Attributes)] ツールを使用します。
注意:
このツールを実行すると、入力データが変更されます。詳しい説明および不適切なデータの変更を防ぐための方法については、「出力データセットを作成しないツール」をご参照ください。
構文
RepairGeometry(in_features, {delete_null}, {validation_method})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
in_features | 処理対象のフィーチャクラスまたはレイヤー。 | Feature Layer |
delete_null (オプション) | NULL ジオメトリに対して実行するアクションの内容を指定します。
| Boolean |
validation_method (オプション) | ジオメトリの問題の識別に使用するジオメトリ整合チェック方法を指定します。
| String |
派生した出力
名前 | 説明 | データ タイプ |
out_feature_class | 更新された入力フィーチャ。 | フィーチャ レイヤー |
コードのサンプル
次の Python ウィンドウ スクリプトは、イミディエイト モードで RepairGeometry 関数を使用する方法を示しています。
import arcpy
arcpy.RepairGeometry_management("c:/data/sketchy.shp")
次のスタンドアロン スクリプトは、RepairGeometry (ジオメトリの修正) 関数をスクリプティングに適用する例を示しています。
# Description:
# Goes through the table generated by the Check Geometry tool and does
# the following
# 1) backs-up all features which will be 'fixed' to a "_bad_geom" feature class
# 2) runs repairGeometry on all feature classes listed in the table
import arcpy
import os
# Table that was produced by Check Geometry tool
table = r"c:\temp\data.gdb\cg_sample1"
# Create local variables
fcs = []
# Loop through the table and get the list of fcs
for row in arcpy.da.SearchCursor(table, ("CLASS")):
# Get the class (feature class) from the cursor
if not row[0] in fcs:
fcs.append(row[0])
# Now loop through the fcs list, backup the bad geometries into fc + "_bad_geom"
# then repair the fc
print("> Processing {0} feature classes".format(len(fcs)))
for fc in fcs:
print("Processing " + fc)
lyr = 'temporary_layer'
if arcpy.Exists(lyr):
arcpy.Delete_management(lyr)
tv = "cg_table_view"
if arcpy.Exists(tv):
arcpy.Delete_management(tv)
arcpy.MakeTableView_management(table, tv, ("\"CLASS\" = '%s'" % fc))
arcpy.MakeFeatureLayer_management(fc, lyr)
arcpy.AddJoin_management(lyr, arcpy.Describe(lyr).OIDFieldName, tv, "FEATURE_ID")
arcpy.CopyFeatures_management(lyr, fc + "_bad_geom")
arcpy.RemoveJoin_management(lyr, os.path.basename(table))
arcpy.RepairGeometry_management(lyr)
環境
ライセンス情報
- Basic: はい
- Standard: はい
- Advanced: はい