独自のデータを使ってジオコーディングする際に最初に行うプロセスの 1 つがロケーターの作成です。ロケーターの作成を開始する前に、ロケーターの主なコンポーネントとプロパティについて理解しておくと、作成する際に役立ちます。ロケーターの作成では、道路の中心線、課税土地区画、建物名レイヤーなどの参照データとその参照データに適したロケーター ロールを選択し、選択した 1 つまたは複数のロケーター ロールからフィールドに適切なデータ フィールドをマッピングします。一度に複数のタイプの位置を検索できるように、複数の参照データセットおよびロールを使用して 1 つのロケーターを作成できます。
ロケーターのコンポーネント
ロケーターを構築するための主要なコンポーネントを次の各セクションで説明します。
プライマリ参照データ
ジオコーディングの結果はプライマリ参照データによって決まるので、検索したい住所および場所のジオメトリと属性を参照データに含める必要があります。たとえば、番地の住所を検索する場合、参照データには番地の範囲、道路名、特定の道路の住所属性を含めなければなりません。参照データは、次の空間フィーチャで構成することができます。
- 住所 - ポイント、道路、区画、建物フットプリント
- 対象ポイント - ランドマーク、地名、建物
- 居住区 - 都市、地域、国、郵便番号
- 位置 - 井戸、パーキング メーター、国勢調査区
ロケーター ロール
ロケーター ロールでは、使用するデータのタイプ (区画、道路の中心線、郵便番号、対象ポイントなど) を定義し、ロケーターの構築時に使用する適切なフィールドとジオコーディング結果で返される情報を指定します。ArcGIS Pro に提供されたプライマリ ロケーター ロールを使用すると、次のタイプのロケーターを構築できます。
- ポイント住所 - 家屋および建物の位置を表すポイントに基づくストリート住所です。部屋、床、アパートなど、家屋および建物のサブ住所の位置を表すポイントに基づくサブ住所が含まれます。
- ストリート住所 - 道路に基づくストリート住所であり、番地がさまざまな数値から内挿されます。交差点、道路名、道路の延長部分などがあります。
- 対象ポイント - 行政区画、地名、企業、ランドマーク、地理フィーチャで構成されます (Starbucks など)。
- 郵便番号 - 郵便番号と拡張番号付きの郵便番号であり、最適なリバース ジオコーディング結果を返すために、ポリゴン参照データを使用する必要があります。
- 地方 - 都市、近郊地域、郡、県、地区、テリトリー、州などの行政区域であり、最適なリバース ジオコーディング結果を返すために、ポリゴン参照データを使用する必要があります。
フィールド マップ
選択した 1 つまたは複数のロケーター ロールに合わせて、プライマリ参照データ内のフィールドを選択します。ロケーターの構築時に適切なフィールドを選択しないと、住所と場所をジオコーディングまたは検索する際の住所の照合方法に影響が及びます。
代替名テーブル
上述した参照データはプライマリ参照データであり、各フィーチャについて住所属性が少なくとも 1 組は格納されている必要があります。一方で、1 つのフィーチャが複数の名前で呼ばれる場合があります。たとえば、27th Street という正式名称の道路が、今でも Old County Road 30 と呼ばれることがあります。フィーチャに複数の名前がある場合に備えて、それぞれの代替名を別の参照テーブルに格納することができます。このテーブルのレコードは、プライマリ参照データに結合されます。ロケーター ロールに代替名テーブル内のエレメントを指定します。ロケーターを作成する場合、代替名テーブルは任意に使用できます。