使用法
ラスター データの投影方法は、座標系によって定義されます。データに同じ座標系を使用して、すべてのデータが同じ投影に含まれるようにすることができます。
ピクセルを粗いメッシュ グリッドに投影変換し、ピクセル間に共一次内挿を用いる共一次内挿近似法を使用することにより、ラスター データセットを新しい空間参照に投影変換します。
このツールは、誤差範囲を 1/2 ピクセル未満に抑えることができます。
ファイルを作成せずに変換を適用するには、[幾何補正 (Warp)] ツールを使用します。
先に存在する空間参照の選択、別のデータセットからのインポート、作成ができます。
このツールが出力できるのは、矩形のセル サイズのみです。
出力は、BIL、BIP、BMP、BSQ、DAT、Esri Grid、GIF、IMG、JPEG、JPEG 2000、PNG、TIFF、MRF、CRF、または任意のジオデータベース ラスター データセットに保存することができます。
ラスター データセットを JPEG ファイル、JPEG 2000 ファイル、またはジオデータベースに格納するときに、[環境] 内で [圧縮タイプ] と [圧縮品質] を指定できます。
[最近隣内挿法] オプションは、最近隣内挿法を実行する、4 つの内挿法の中で最も高速の選択肢です。この方法は、セル値を変更しないため、主に土地利用分類などのカテゴリ データに使用されます。標高サーフェスなどの連続データに使用することはできません。
[共一次内挿法] オプションは、共一次内挿法を使用し、周囲の最も近い 4 つのセルの加重距離平均に基づいて、セルの新しい値を決定します。[三次たたみ込み内挿法] オプションは、三次たたみ込み内挿法を使用し、周囲のポイントの間を通る滑らかなカーブを適合して、セルの新しい値を決定します。これらは連続データに対する最も適切な選択ですが、スムージングが発生する場合があります。三次たたみ込み内挿法は、入力ラスターの範囲外の値を含んだ出力ラスターを生成することがあります。望ましくない異なるセル値が生じる可能性があるため、これらの手法をカテゴリ データに使用しないでください。
ラスター データセットのセルは矩形で、マップ座標空間内では等面積ですが、地表面上にセルで表される形状と面積はラスター全体で一定になることはありません。これは、地図投影では形状と面積の両方を同時に保持できないためです。セルで表される面積は、ラスター全体では異なります。そのため、出力ラスター内のセル サイズ、行数および列数が変動することがあります。
球面 (緯度 - 経度) 座標と平面座標系間に投影変換を行う場合と、適当なセル サイズが不明なとき以外は、常に出力セル サイズを指定してください。
出力ラスターのデフォルトのセル サイズは、出力ラスターの中心位置の投影セル サイズに基づいて計算されます。これは通常、厳密な縮尺における中央子午線と緯度の交差部であり、歪みがもっとも少ない領域です。入力ラスターの境界を投影変換すると、最小範囲と最大範囲に基づいて出力ラスターのサイズが提示されます。セルの値を計算するために、各セルを元の入力座標系に投影変換します。
入力座標系と出力座標系に同じ測地基準系が使用されている場合、地理座標系変換はオプション パラメーターです。入力測地基準系と出力測地基準系が異なる場合は、地理座標系変換の指定が必須になります。
登録ポイントを使用して、出力セルを固定する原点に指定することができます。出力セルはすべて、登録ポイントを基点とするセル サイズに等しい間隔になります。登録ポイントはコーナー座標である必要はなく、ラスター データセット内に収まる必要もありません。環境設定でスナップ対象ラスターが設定してある場合、登録ポイントは無視されます。
デフォルト回転楕円面は CLARKE 1866 です。NEWZEALAND_GRID など、投影変換に固有のものでない場合、SPHEROID サブコマンドを使用して別の値を指定してください。
両方が設定されている場合、優先的に使用されるのは、登録ポイントでなくスナップ ラスター設定のほうです。
鉛直座標変換を行うには、ダイアログ ボックスでオプションの [鉛直] パラメーターをオンにします。デフォルトでは、[鉛直] パラメーターは使用できず、入力座標系と出力座標系に鉛直座標系 (VCS) があり、入力フィーチャクラスの座標に Z 値がある場合のみ使用できます。また、追加データ (座標系データ) のセットアップをシステムにインストールする必要があります。
出力座標系を選択する場合は、地理または投影座標系と鉛直座標系の両方を選択できます。入力と出力の鉛直座標系が異なる場合は、適切な鉛直座標変換と、オプションで地理座標 (測地基準系) 変換を使用できます。変換の定義と反対の方向で変換を適用する必要がある場合は、名前の前にチルド (~) が付いたエントリを選択します。
このツールでは多次元ラスター データをサポートします。多次元ラスターの各スライスでこのツールを実行して多次元ラスター出力を生成するには、出力を CRF に保存してください。
サポートされている入力多次元データセット タイプには、多次元ラスター レイヤー、モザイク データセット、イメージ サービスおよび CRF が含まれます。
構文
arcpy.management.ProjectRaster(in_raster, out_raster, out_coor_system, {resampling_type}, {cell_size}, {geographic_transform}, {Registration_Point}, {in_coor_system}, {vertical})
パラメーター | 説明 | データ タイプ |
in_raster | 新しい投影法に変換するラスター データセット。 | Mosaic Layer; Raster Layer |
out_raster | 作成する新しい投影法を含むラスター データセット。 ラスター データセットをファイル形式で格納する場合は、ファイル拡張子を指定する必要があります。
ジオデータベースにラスター データセットを格納する場合、ラスター データセットの名前にファイル拡張子は付けません。 ラスター データセットを JPEG ファイル、JPEG 2000 ファイル、TIFF ファイル、またはジオデータベースに格納するときに、ジオプロセシング環境で [圧縮タイプ] と [圧縮品質] を指定できます。 | Raster Dataset |
out_coor_system | 新しいラスター データセットの座標系。 このパラメーターの有効値は、次のとおりです。
| Coordinate System |
resampling_type (オプション) | 使用するリサンプリング アルゴリズム。デフォルトは [最近隣内挿法] です。
[最近隣内挿法] オプションと [最頻値] オプションは、土地利用分類などのカテゴリ データに使用されます。デフォルトは [最近隣内挿法] オプションです。これは、このオプションが最速であり、セル値を変更しないからです。 これらを標高サーフェスなどの連続データに使用しないでください。 [共一次内挿法] オプションと [三次たたみ込み内挿法] オプションは、連続データに最も適しています。 セル値が変更される可能性があるため、これらをカテゴリ データに使用することは推奨されません。 | String |
cell_size (オプション) | 既存のラスター データセットを使用するか、幅 (x) と高さ (y) を指定することによって、新しいラスターのセル サイズを設定します。 | Cell Size XY |
geographic_transform [geographic_transform,...] (オプション) | 投影法をある地理座標系または測地基準系から別のものに変更するときの地理座標変換。入力座標系と出力座標系に異なる測地基準系が使用されている場合、地理座標系変換が必要です。 | String |
Registration_Point (オプション) | 出力セルをアンカー位置にするための左下のポイント。登録ポイントはコーナー座標である必要はなく、ラスター データセット内に収まる必要もありません。 [スナップ対象ラスター] 環境設定は、[登録ポイント] パラメーターよりも優先的に使用されます。登録ポイントを設定するには、[スナップ対象ラスター] が設定されていないことを確認します。 | Point |
in_coor_system (オプション) | 入力ラスター データセットの座標系。 | Coordinate System |
vertical (オプション) | 鉛直座標変換を実行するかどうかを指定します。 このパラメーターは、入力および出力座標系が鉛直座標系を持ち、入力フィーチャクラスの座標が Z 値を持つ場合にのみ有効化されます。 VERTICAL キーワードが使用される場合、[geographic_transform] パラメーターは、楕円体変換と、鉛直測地基準系間の変換を含むことができます。たとえば、「~NAD_1983_To_NAVD88_CONUS_GEOID12B_Height + NAD_1983_To_WGS_1984_1」は、NAD 1983 測地基準系と NAVD 1988 の高度で定義されたジオメトリ頂点を、WGS 1984 楕円体 (楕円体の高さを表す Z 値を持つ) 上の頂点に変換します。チルド (~) は、変換が反対方向であることを示しています。
多くの鉛直座標変換では、ArcGIS Coordinate Systems Data インストール パッケージを使用して、追加のデータ ファイルがインストールされている必要があります。 | Boolean |
コードのサンプル
以下は、ProjectRaster ツールを実行する Python サンプルです。
import arcpy
from arcpy import env
arcpy.ProjectRaster_management("c:/data/image.tif", "c:/output/reproject.tif",\
"World_Mercator.prj", "BILINEAR", "5",\
"NAD_1983_To_WGS_1984_5", "#", "#")
以下は、ProjectRaster ツールを実行する Python スクリプト サンプルです。
##====================================
##Project Raster
##Usage: ProjectRaster_management in_raster out_raster out_coor_system {NEAREST | BILINEAR
## | CUBIC | MAJORITY} {cell_size} {geographic_transform;
## geographic_transform...} {Registration_Point} {in_coor_system}
import arcpy
arcpy.env.workspace = r"C:/Workspace"
##Reproject a TIFF image with Datumn transfer
arcpy.ProjectRaster_management("image.tif", "reproject.tif", "World_Mercator.prj",\
"BILINEAR", "5", "NAD_1983_To_WGS_1984_5", "#", "#")
##Reproject a TIFF image that does not have a spatial reference
##Set snapping point to the top left of the original image
snapping_pnt = "1942602 304176"
arcpy.ProjectRaster_management("nosr.tif", "project.tif", "World_Mercator.prj", "BILINEAR",\
"5", "NAD_1983_To_WGS_1984_6", snapping_pnt,\
"NAD_1983_StatePlane_Washington_North.prj")
環境
ライセンス情報
- Basic: はい
- Standard: はい
- Advanced: はい