シーン レイヤーは、ArcGIS Pro で直接作成して表示するか、ArcGIS Enterprise または ArcGIS Online にアップロードし、Web シーン レイヤーとして公開することができます。 また、Web シーン内でポイント、ビルディング 、マルチパッチ、および LAS データセット レイヤーを共有することもできます。
シーン レイヤー コンテンツを作成するツールが多数用意されています。 次の表に、サポートされている入力データセットとともに対応するジオプロセシング ツールを示します。
| 入力データセット | 対応するジオプロセシング ツール |
|---|---|
マルチパッチ フィーチャ レイヤー、3D オブジェクト フィーチャ レイヤー、レイヤー ファイル | 3D オブジェクト シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create 3D Object Scene Layer Content) |
ビルディング レイヤー、レイヤー ファイル | ビルディング シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Building Scene Layer Content) |
OSGB (Open Scene Graph Binary) ファイル、OSGB ファイルを含むフォルダー | 3D メッシュ シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Integrated Mesh Scene Layer Content) |
LAS、zLAS、LAZ ファイル、LAS データセット、レイヤー ファイル、LIDAR データのフォルダー | 点群シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Point Cloud Scene Layer Content) |
ポイント フィーチャ レイヤー、レイヤー ファイル | ポイント シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Point Scene Layer Content) |
ボクセル レイヤー、レイヤー ファイル | ボクセル シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Voxel Scene Layer Content) |
シーン レイヤー、シーン レイヤー パッケージ | 投影変換 (Project) |
注意:
パッケージの代わりにコンテンツを使用して、*.slpk だけでなく *.i3srest も書き出すオプションを反映するために、ツールのラベルが更新されました。
シーン レイヤー I3S バージョン
Esri はシーン レイヤーの使いやすさを改良し続けています。 I3S バージョン 1.7 は、以前のバージョンよりも優れたパフォーマンスおよびスケーラビティを ArcGIS プラットフォーム全体で提供します。 ArcGIS Pro、Scene Viewer、および ArcGIS API for JavaScript を基に構築されたアプリでは、3D メッシュ、ビルディング、ポイント、および 3D オブジェクト シーン レイヤーのバージョン 1.7 以前を使用できます。 最新の改善内容を確実に活用できるようにするには、[シーン レイヤーのアップグレード (Upgrade Scene Layer)] ツールを使用して、3D メッシュ、ビルディング、ポイント、または 3D オブジェクト シーン レイヤー (*.slpk) のバージョンを最新バージョンに更新します。 また、どのシーン レイヤー ツールでも、最新の I3S バージョンを使用して、シーン レイヤーが作成されます。 これには、[投影変換 (Project)] ツールや [クリップ (Clip)] ツールなどのデータ管理ツールも含まれます。
3D オブジェクト シーン レイヤー
3D オブジェクト シーン レイヤーを作成するには、[3D オブジェクト シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create 3D Object Scene Layer Content)] ジオプロセシング ツールを使用します。このツールを実行すると、シーン レイヤー パッケージ ファイル (*.slpk) または *.i3srest が生成されます。 また、Web シーン レイヤーを共有して、3D オブジェクト シーン レイヤーを作成することもできます。 それによって、フィーチャ レイヤーが関連付けられたシーン レイヤーを作成し、シンボル表示およびフィルター設定で使用される豊富な統計情報を提供します。 ArcGIS Pro では、3D オブジェクト シーン レイヤーの入力データ タイプは、マルチパッチまたは 3D オブジェクト フィーチャ レイヤーです。
ビルディング シーン レイヤー
ビルディング シーン レイヤーを使用すると、特定のデータ タイプから作成される 3D ビルディング コンテンツを ArcGIS プラットフォーム全体で共有できます。 3D ビルディング情報は、ビルディングを表す BIM (Building Information Modeling) から生成されます。
ビルディング シーン レイヤーを作成するには、[ビルディング シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Building Scene Layer Content)] ジオプロセシング ツールを使用します。このツールを実行すると、シーン レイヤー パッケージ (*.slpk) または *.i3srest が生成されます。 また、Web シーン レイヤーを共有して、ビルディング シーン レイヤーを作成することもできます。 これにより、フィーチャ レイヤーが関連付けられたシーン レイヤーが作成され、属性テーブルへのアクセス、編集、高度なシンボル表示、フィルター設定などの機能が新たに備わります。
コンテンツを含むカテゴリ レイヤーだけがビルディング シーン レイヤーに追加され、他はすべて削除されます。 分野レイヤーにカテゴリ レイヤーが含まれていない場合、分野レイヤーはビルディング シーン レイヤーに追加されません。 オーバービュー レイヤーは、外部からのビルディングの外観を示すオプションのレイヤーです。 ビルディング レイヤーには、オーバービュー レイヤーとして使用できる Exterior Shell レイヤーが含まれています。 Revit でビルディングのエレメントを外部として定義する必要があります。 このオーバービューレイヤーは、ArcGIS Pro にビルディング シーン レイヤーを追加するときに表示されるデフォルトのレイヤーです。 ビルディングシーン レイヤーを作成するときに、ビルディングレイヤーに定義されたフィルターがすべて含まれます。
3D メッシュ シーン レイヤー
通常、3D メッシュ データは、重なり合う大量の画像から 3D オブジェクトを構築するために自動化されたプロセスで取得されます。 生成されるデータには、最初に入力された画像情報が、建物や樹木といった 3D オブジェクトを含むテクスチャ処理されたメッシュや標高情報として統合されています。 3D メッシュ シーン レイヤーを OpenSceneGraph バイナリ (OSGB) ファイルから作成するには、[3D メッシュ シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Integrated Mesh Scene Layer Content)] ジオプロセシング ツールを使用します。 また、Drone2Map を使用して、このレイヤーを作成することもできます。 Drone2Map の詳細については、「Drone2Map」をご参照ください。
これ以外にも、次に示すベンダーが OpenSceneGraph バイナリ (OSGB) ファイルとシーン レイヤー パッケージ ファイルを作成しています。
- Bentley Context Capture
- SuperMap
- Pix4D
- SafeSoftware FME
- Skyline TerraBuilder
点群シーン レイヤー
点群シーン レイヤーを作成するには、[点群シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Point Cloud Scene Layer Content)] ジオプロセシング ツールを使用します。このツールを実行すると、シーン レイヤー パッケージ ファイル (*.slpk) が生成されます。
ArcGIS Pro では、点群シーン レイヤー パッケージの入力データ タイプは、LAS データセット レイヤーまたは個々の LAS、ZLAS、LAZ ファイルまたはそのフォルダーです。
注意:
また、LAS および ZLAS ファイルを参照する LAS データセットを使用して、点群シーン レイヤーを作成することもできます。 LAS データセット レイヤーのポイントに適用したシンボルとポイント フィルタリングは、点群シーン レイヤーの作成に使用されます。 個々のファイルまたはファイルのフォルダー (LAS、ZLAS、または LAZ) を入力として使用する場合、点群シーン レイヤーの作成にデフォルトの標高シンボルが使用され、ポイント フィルタリングは使用されません。 点群データを最適化し、シンボルやフィルタリングなどのプロパティを定義するには、LAS データセットを入力として使用します。 ポイント フィルタリングの詳細については、「点群シーン レイヤーのフィルター オプションの変更」をご参照ください。
入力 LAS データセット レイヤーから参照されているサーフェス制御は無視されます。 入力 LAS データセット レイヤーは、シーンまたは *.lyrx ファイル内のレイヤーである必要があります。 入力 LAS データセットの TIN ベースのレンダリング シンボルは、点群シーン レイヤーでサポートされていません。 この場合、出力シーン レイヤー パッケージに標高付きのストレッチ レンダラーが使用されます。
ストレージを減らすために、使用していない属性を除外してください。 目的のレンダリングおよびフィルタリング オプションに必要な属性をすべて選択します。 これらの属性の詳細については、「LIDAR データとは」をご参照ください。 航空機 LIDAR の場合は通常、[ポイント サイズ] プロパティのデフォルト値 0 をそのまま使用するか、平均ポイント間隔に近い値を入力することが最適です。 地上 LIDAR データの場合は、[ポイント サイズ] の値が対象エリアの目的のポイント間隔と一致する必要があります。 [最大 XY エラー] と [最大 Z エラー] オプションは最大許容誤差を意味します。 許容値が大きいほど、データ圧縮率が高くなり、データ転送の効率が高くなります。
ポイント シーン レイヤー
ポイント シーン レイヤーを作成するには、[ポイント シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Point Scene Layer Content)] ジオプロセシング ツールを使用します。このツールを実行すると、シーン レイヤー パッケージ ファイル (*.slpk) または *.i3srest が生成されます。 また、Web シーン レイヤーを共有して、ポイント シーン レイヤーを作成することもできます。 ArcGIS Pro では、ポイント シーン レイヤー コンテンツの入力データ タイプは、3D レイヤー カテゴリでシンボル表示された任意のポイント レイヤーです。
ボクセル シーン レイヤー
ボクセル シーン レイヤーを作成するには、[ボクセル シーン レイヤー コンテンツの作成 (Create Voxel Scene Layer Content)] ジオプロセシング ツールを使用します。このツールを実行すると、シーン レイヤー パッケージ ファイル (*.slpk) が生成されます。 ボクセル シーン レイヤーの入力データ タイプは、任意のボクセル レイヤーです。