フィーチャの集約は、統計手法を使用してフィーチャを論理グループにまとめる方法です。 ArcGIS Pro は、探索や解析を目的とする集約されたデータの視覚化をサポートします。
複数のフィーチャを集約したり、フィーチャまたは関連フィーチャのグループの複数のレコード (観測結果) を集約することができます。 例には、さまざまなレベルの国勢調査区画における個別の国勢調査データの集約、各気象観測所で記録された合計最高気温を使用した気象観測所のシンボル化、時間の経過に伴う地域全体の経時的な病気発生の分布、フリーウェイ沿いのラッシュ アワー時の平均交通量などがあります。
静的集約を生成する [ポイントの集約 (Aggregate Points)] などのジオプロセシング ツールがあります。 データが変更されたとき、または解析パラメーター (時間間隔など) が変更されたときは、ツールを再実行して新しい出力を作成する必要があります。
動的集約
動的集約は、データや縮尺の変更に対しすぐに反応します。 動的集約を使用する方法は主に 3 つあります。 フィーチャの高密度な配置をビンと呼ばれるポリゴン コンテナーに集約するか、クラスターと呼ばれるグループ化されたコンテナーに集約するか、または収集された値を関連フィーチャに集約できます。 フィーチャをビンに集約する方法は、エンタープライズ データベースでのみ利用できます。
ビンへのフィーチャの集約
ビンへの動的集約の例には、エボラ ウィルスの集中と拡散の記録があります。 通常、報告されたインシデントはポイント フィーチャとして記録されます。 大縮尺で、各インスタンスを個別のポイントとして表示します。 小縮尺に縮小すると、重複ポイントの集塊により、データに含まれるパターンの理解が困難になります。 そのため、小縮尺では、フィーチャをビンに集約すると便利です。各ビンは、各ビン内のエボラ症例数に基づいてシンボル化されます。
詳細については、「ビンへのフィーチャの集約」をご参照ください。
フィーチャをクラスターに集約
クラスターへの動的な集約は、特に小縮尺のマップでフィーチャを視覚化する際の代替方法です。
たとえば、ある町の病院患者の自宅の住所をジオコーディングしたフィーチャ レイヤーがあるとします。 クラスタリングにより、患者の場所の傾向を識別することができます。 フィルター設定を使用して、特定のグループの患者が町のさまざまな地域に非常に密集しているかどうかを調べることができます。 また、モード統計サマリーを個別値シンボルとともに使用して、どの地域にどのグループが多く存在するかを識別することもできます。 一部の患者の住所はクラスター半径内に存在しないため、クラスタリングされずにレイヤーのプライマリ シンボルで描画されたままになります。 クラスター半径のサイズ、マップの範囲、およびマップ縮尺を調整することで、ニーズに最も適合する結果を得ることができます。
詳細については、「クラスターへのフィーチャの集約」をご参照ください。
関連フィーチャへの値の集約
時間をかけて収集された一部のデータは場所で変化しません。 たとえば、温度、降水量、風速などの気象データは、固定位置から 1 日に複数回収集されます。 このデータは、通常、非空間属性テーブルに格納されます。 雨量の月計や週平均気温など、集計されたデータの時系列的分類により各固定位置をシンボル化することで、個別のレコードを表示するよりも有益なパターンを表示できます。
2 番目の例は、既存のポリゴンに値を集約します。 均等のビンにフィーチャを集約すると、地域でのエボラの集中を示すマップが生成されますが、薬や医療リソースに適切に対応するには、実際の政治的/行政区域内の発生の密度を表すマップが必要です。
詳細については、「集約結果によるフィーチャの表示」をご参照ください。