スペックル除去 (Despeckle) (Image Analyst)

Image Analyst ライセンスで利用できます。

サマリー

スペックルの入力 SAR (合成開口レーダー) データを補正します。スペックルとは、まだら模様に似た高周波ノイズです。

スペックル除去は、SAR 画像内のエッジや細部を保持しながら、ノイズを除去します。 使用可能なフィルターは、Lee、高度な Lee、改良された Lee、Frost、Kuan、または ガンマ MAP です。

使用法

  • SAR 画像のスペックルを除去すると、画像の解釈および分類の結果を改善できます。

  • [フィルター タイプ] パラメーターの参考文献

    1. J.-S. Lee. "Digital Image Enhancement and Noise Filtering by Use of Local Statistics." IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, vol. PAMI-2, no. 2, pp. 165-168, March 1980, doi: 10.1109/TPAMI.1980.4766994.
    2. A. Lopes, R. Touzi and E. Nezry. "Adaptive speckle filters and scene heterogeneity." IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing, vol. 28, no. 6, pp. 992-1000, Nov. 1990, doi: 10.1109/36.62623.
    3. J.-S. Lee and E. Pottier. "Polarimetric radar imaging: from basics to applications." CRC press, Dec. 2017.
    4. V. S. Frost, J. A. Stiles, K. S. Shanmugan and J. C. Holtzman. "A Model for Radar Images and Its Application to Adaptive Digital Filtering of Multiplicative Noise." IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, vol. PAMI-4, no. 2, pp. 157-166, March 1982, doi: 10.1109/TPAMI.1982.4767223.
    5. D. T. Kuan, A. A. Sawchuk, T. C. Strand and P. Chavel. "Adaptive Noise Smoothing Filter for Images with Signal-Dependent Noise." IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, vol. PAMI-7, no. 2, pp. 165-177, March 1985, doi: 10.1109/TPAMI.1985.4767641.
    6. A. Lopes, E. Nezry, R. Touzi and H. Laur. "Maximum A Posteriori Speckle Filtering And First Order Texture Models In Sar Images." 10th Annual International Symposium on Geoscience and Remote Sensing, 1990, pp. 2409-2412, doi: 10.1109/IGARSS.1990.689026.

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力レーダー データ

入力レーダー データ。

Raster Dataset; Raster Layer
出力レーダー データ

スペックルが除去されたレーダー データです。

Raster Dataset
偏波バンド
(オプション)

フィルターを適用する偏波バンドです。

デフォルトでは、最初のバンドが選択されています。

String
フィルター タイプ
(オプション)

適用されるスムージング アルゴリズムまたはフィルターのタイプを指定します。

  • Leeスペックル ノイズを低減するために、空間フィルターが画像内の各ピクセルに適用されます。 このオプションでは、正方形ウィンドウ内で計算されたローカル統計に基づいてデータがフィルター処理されます。 このフィルターは、加法性または乗法性コンポーネントを含むスペックル データをスムージングする場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 1)
  • 高度な Leeスペックル ノイズを低減するために、画像の鮮鋭さと細部を維持する空間フィルターが適用されます。 このオプションは Lee フィルターの改良版です。 このフィルターは、テクスチャ情報を保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 2)
  • 改良された Leeスペックル ノイズを低減するために、ローカル統計に基づいて、空間フィルターが選択されたピクセルに適用されます。 このフィルターでは、非正方形フィルター ウィンドウを使用して、エッジの方向を一致させます。 これは、エッジを保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 これがデフォルトです。 (上の「使用法」セクションの参照 3)
  • Frostスペックル ノイズを低減するために、個々のフィルター ウィンドウ内のローカル統計を使用した指数的に低減された環状対称フィルターが適用されます。 エッジにある画像フィーチャはこのフィルターの影響を受けません。 このフィルターは、エッジを保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 4)
  • Kuanスペックル ノイズを低減するために、空間フィルターである Kuan フィルターが画像内の各ピクセルに適用されます。 このオプションでは、隣接ピクセルを使用して計算される中央ピクセル値のローカル統計に基づいてデータがフィルター処理されます。 このフィルターは、エッジを保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 5)
  • ガンマ MAPスペックル ノイズを低減するために、ベイズ分析およびガンマ分布フィルターが適用されます。 このフィルターは、エッジを保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 6)
String
フィルター サイズ
(オプション)

ノイズのフィルター処理に使用されるピクセル ウィンドウのサイズを指定します。

このパラメーターは、[フィルター タイプ] パラメーターが [Lee][高度な Lee][Frost][Kuan]、または [ガンマ MAP] に設定されている場合のみ有効です。

  • 3 x 33 x 3 のフィルター サイズが使用されます。 これがデフォルトです。
  • 5 x 55 x 5 のフィルター サイズが使用されます。
  • 7 x 77 x 7 のフィルター サイズが使用されます。
  • 9 x 99 x 9 のフィルター サイズが使用されます。
  • 11 x 1111 x 11 のフィルター サイズが使用されます。
String
ノイズ モデル
(オプション)

レーダー画像の品質を低下させるノイズのタイプを指定します。

このパラメーターは、[フィルター タイプ] パラメーターが [Lee] に設定されている場合のみ有効です。

  • 乗法性ノイズキャプチャまたは変換時に関連する信号に乗算されるランダムな信号ノイズが品質を低下させています。 これがデフォルトです。
  • 加法性ノイズキャプチャまたは変換時に関連する信号に加算されるランダムな信号ノイズが品質を低下させています。
  • 加法性ノイズと乗法性ノイズ両方のノイズ モデルの組み合わせが品質を低下させています。
String
ノイズ分散
(オプション)

レーダー画像のノイズ分散です。 デフォルトは 0.25 です。

このパラメーターは、[フィルター タイプ] パラメーターが [Lee] に設定され、[ノイズ モデル] パラメーターが [加法性ノイズ] または [加法性ノイズと乗法性ノイズ] に設定されている場合のみ有効です。

Double
加法性ノイズ平均
(オプション)

加法性ノイズの平均値です。 ノイズ平均の値が大きいほどスムージングが大きくなり、小さいほどスムージングが小さくなります。 デフォルト値は 0 です。

このパラメーターは、[フィルター タイプ] パラメーターが [Lee] に設定され、[ノイズ モデル] パラメーターが [加法性ノイズと乗法性ノイズ] に設定されている場合のみ有効です。

Double
乗法性ノイズ平均
(オプション)

乗法性ノイズの平均値です。 ノイズ平均の値が大きいほどスムージングが大きくなり、小さいほどスムージングが小さくなります。 デフォルト値は 1 です。

このパラメーターは、[フィルター タイプ] パラメーターが [Lee] に設定され、[ノイズ モデル] パラメーターが [乗法性ノイズ] または [加法性ノイズと乗法性ノイズ] に設定されている場合のみ有効です。

Double
ルック数
(オプション)

画像のスムージングを制御してノイズ分散を推定するルック値の数です。 この値を小さくするとスムージングが大きくなります。値を大きくすると、より多くの画像フィーチャが維持されます。 デフォルト値は 1 です。

このパラメーターは、[フィルター タイプ] パラメーターが [高度な Lee][Kuan]、または [ガンマ MAP] に設定されている場合か、または [フィルター タイプ] パラメーターが [Lee] に設定され、[ノイズ モデル] パラメーターが [乗法性ノイズ] に設定されている場合のみ有効です。

Long
ダンピング係数
(オプション)

適用されるスムージングの指数ダンピング レベルです。 ダンピング値が 1 より大きいと、エッジの保持率は向上しますが、スムージングの量は減少します。 値が 1 より小さいと、スムージングの量が増加します。 値を 0 にすると、ローパス フィルターに類似した結果が生成されます。 デフォルトは 1 です。

Long

Despeckle(in_radar_data, out_radar_data, {polarization_bands}, {filter_type}, {filter_size}, {noise_model}, {noise_variance}, {add_noise_mean}, {mult_noise_mean}, {number_of_looks}, {damp_factor})
名前説明データ タイプ
in_radar_data

入力レーダー データ。

Raster Dataset; Raster Layer
out_radar_data

スペックルが除去されたレーダー データです。

Raster Dataset
polarization_bands
[polarization_bands,...]
(オプション)

フィルターを適用する偏波バンドです。

デフォルトでは、最初のバンドが選択されています。

String
filter_type
(オプション)

適用されるスムージング アルゴリズムまたはフィルターのタイプを指定します。

  • LEEスペックル ノイズを低減するために、空間フィルターが画像内の各ピクセルに適用されます。 このオプションでは、正方形ウィンドウ内で計算されたローカル統計に基づいてデータがフィルター処理されます。 このフィルターは、加法性または乗法性コンポーネントを含むスペックル データをスムージングする場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 1)
  • ENHANCED_LEEスペックル ノイズを低減するために、画像の鮮鋭さと細部を維持する空間フィルターが適用されます。 このオプションは Lee フィルターの改良版です。 このフィルターは、テクスチャ情報を保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 2)
  • REFINED_LEEスペックル ノイズを低減するために、ローカル統計に基づいて、空間フィルターが選択されたピクセルに適用されます。 このフィルターでは、非正方形フィルター ウィンドウを使用して、エッジの方向を一致させます。 これは、エッジを保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 これがデフォルトです。 (上の「使用法」セクションの参照 3)
  • FROSTスペックル ノイズを低減するために、個々のフィルター ウィンドウ内のローカル統計を使用した指数的に低減された環状対称フィルターが適用されます。 エッジにある画像フィーチャはこのフィルターの影響を受けません。 このフィルターは、エッジを保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 4)
  • KUANスペックル ノイズを低減するために、空間フィルターである Kuan フィルターが画像内の各ピクセルに適用されます。 このオプションでは、隣接ピクセルを使用して計算される中央ピクセル値のローカル統計に基づいてデータがフィルター処理されます。 このフィルターは、エッジを保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 5)
  • GAMMA_MAPスペックル ノイズを低減するために、ベイズ分析およびガンマ分布フィルターが適用されます。 このフィルターは、エッジを保持しながらスペックルを除去する場合に有用です。 (上の「使用法」セクションの参照 6)
String
filter_size
(オプション)

ノイズのフィルター処理に使用されるピクセル ウィンドウのサイズを指定します。

  • 3x33 x 3 のフィルター サイズが使用されます。 これがデフォルトです。
  • 5x55 x 5 のフィルター サイズが使用されます。
  • 7x77 x 7 のフィルター サイズが使用されます。
  • 9x99 x 9 のフィルター サイズが使用されます。
  • 11x1111 x 11 のフィルター サイズが使用されます。

このパラメーターは、filter_type パラメーターが LEEENHANCED_LEEFROSTKUAN、または GAMMA_MAP に設定されている場合のみ有効です。

String
noise_model
(オプション)

このパラメーターは、filter_type パラメーターが LEE に設定されている場合のみ有効です。

String
noise_variance
(オプション)

レーダー画像のノイズ分散です。 デフォルトは 0.25 です。

このパラメーターは、filter_type パラメーターが LEE に設定され、noise_model パラメーターが ADDITIVE_NOISE または ADDITIVE_AND_MULTIPLICATIVE_NOISE に設定されている場合のみ有効です。

Double
add_noise_mean
(オプション)

加法性ノイズの平均値です。 ノイズ平均の値が大きいほどスムージングが大きくなり、小さいほどスムージングが小さくなります。 デフォルト値は 0 です。

このパラメーターは、filter_type パラメーターが LEE に設定され、noise_model パラメーターが ADDITIVE_NOISE または ADDITIVE_AND_MULTIPLICATIVE_NOISE に設定されている場合のみ有効です。

Double
mult_noise_mean
(オプション)

乗法性ノイズの平均値です。 ノイズ平均の値が大きいほどスムージングが大きくなり、小さいほどスムージングが小さくなります。 デフォルト値は 1 です。

このパラメーターは、filter_type パラメーターが LEE に設定され、noise_model パラメーターが MULTIPLICATIVE_NOISE または ADDITIVE_AND_MULTIPLICATIVE_NOISE に設定されている場合のみ有効です。

Double
number_of_looks
(オプション)

画像のスムージングを制御してノイズ分散を推定するルック値の数です。 この値を小さくするとスムージングが大きくなります。値を大きくすると、より多くの画像フィーチャが維持されます。 デフォルト値は 1 です。

このパラメーターは、filter_type パラメーターが ENHANCED_LEEKUAN、または GAMMA_MAP に設定されている場合か、または filter_type パラメーターが LEE に設定され、noise_model パラメーターが MULTIPLICATIVE_NOISE に設定されている場合のみ有効です。

Long
damp_factor
(オプション)

適用されるスムージングの指数ダンピング レベルです。 ダンピング値が 1 より大きいと、エッジの保持率は向上しますが、スムージングの量は減少します。 値が 1 より小さいと、スムージングの量が増加します。 値を 0 にすると、ローパス フィルターに類似した結果が生成されます。 デフォルトは 1 です。

Long

コードのサンプル

Despeckle の例 1 (Python ウィンドウ)

この例では、Refined Lee フィルターを使用して交差偏波バンドのスペックルを除去します。

import arcpy
arcpy.env.workspace = "D:\Data\SAR\S1\20181014"
outRadar = arcpy.ia.Despeckle("IW_manifest_TNR_CalB0.crf", "VV;VH", "REFINED_LEE")
outRadar.save("IW_manifest_TNR_CalB0_Dspk.crf")
Despeckle の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

この例では、Refined Lee フィルターを使用して交差偏波バンドのスペックルを除去します。

# Import system modules and check out ArcGIS Image Analyst extension license
import arcpy
arcpy.CheckOutExtension("ImageAnalyst")
from arcpy.ia import *

# Set local variables
in_radar = "D:\Data\SAR\S1\20181014\manifest_TNR_CalB0.crf"
out_radar = "D:\Data\SAR\S1\20181014\manifest_TNR_CalB0_Dspk.crf" 
polarization = "VV;VH"
filter_type = "REFINED_LEE"

# Execute 
outRadar = arcpy.ia.Despeckle(in_radar, polarization, filter_type) 
outRadar.save(out_radar)

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 Image Analyst
  • Standard: 次のものが必要 Image Analyst
  • Advanced: 次のものが必要 Image Analyst

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