指定トレース構成

指定トレース構成を使用して、Web マップを介して組織全体で共有することができ、Web アプリケーションおよびフィールド アプリケーションによって利用できる、トレース ネットワーク内で複雑なトレースを追加および格納することができます。 トレース ネットワークのバージョン 2 で導入された、組織での指定トレース構成の使用は、トレースに関連するユーザー エクスペリエンスを簡略化し、すべての構成の詳細を理解する必要なしに、ユーザーがトレースを使用して情報を検出したり、質問に回答したりすることを可能にします。

トレース ネットワークでのトレース構成の作成、共有、および操作の一般的なワークフローについて、以下に概要を示します。

  • 新しい指定トレース構成を追加します。
  • マップ内の指定トレース構成をアクティブ化します。
  • アクティブな指定トレース構成を含む Web マップを共有します。
  • Web マップまたはフィールド アプリケーションで指定トレース構成を利用します。
  • ネットワーク内で指定トレース構成を管理します。

新しい指定トレース構成の追加

指定トレース構成は、[トレース構成の追加 (Add Trace Configuration)] ツールを使用して作成されます。 このツールを使用して、トレース ネットワーク内のトレースの構成の詳細に名前を付け、保持することができます。 その後、Web マップ、フィールド アプリ、または ArcGIS Pro を介して名前または Global ID で指定トレース構成を参照し、トレースを実行することができます。 トレース ネットワーク内の既存の指定トレース構成は、ネットワークの [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [トレース ネットワーク] タブで表示できます。 詳細については、「トレース構成の追加」をご参照ください。

指定トレース構成をエンタープライズ ジオデータベース内のトレース ネットワークに追加するときに、アクティブなポータル ユーザー アカウントが作成者として設定されます。 これは、ネットワーク内の指定トレース構成を変更または削除するためのアクセス権限を制御するため、重要です。

注意:

シングルユーザー配置でトレース ネットワークを操作する場合は、オペレーティング システム認証を使用して指定トレース構成の作成者を保存します。

トレース構成を追加する方法の詳細

指定トレース構成の共有

ArcGIS Enterprise 10.9 以降、トレース ネットワークに追加した指定トレース構成を、Web マップを介して共有し、Web アプリおよびフィールド アプリで利用することができます。 指定トレース構成を Web マップのマップ定義に含めるには、まず指定トレース構成の共有をアクティブに設定する必要があります。

[ネットワーク オプション] ダイアログ ボックスの [共有] ウィンドウを使用して、共有をアクティブとしてトレース構成を設定します。 [共有] ウィンドウにアクセスするには、[トレース ネットワーク] タブでダイアログ ボックス ランチャー ランチャー をクリックし、[ツール] グループの右下にある [共有] タブをクリックします。

[共有] タブには、現在のマップ内のトレース ネットワークのすべての指定トレース構成がリスト表示されます。

必要に応じて、ダイアログ ボックス上の指定トレース構成の横にある [アクティブ] チェックボックスをオンにします。 これで、共有の指定トレース構成がアクティブ化されて、Web マップのマップ定義に含まれます。 このオプションをオフにすると、トレース構成の共有が非アクティブになります。 新しい指定トレース構成をトレース ネットワークに追加したときには、このオプションはデフォルトではオフになっています。

Web マップを共有する方法の詳細

指定トレース構成の利用

マップ サービスは、指定トレース構成を利用するときに使用する主な方法です。 ArcGIS Enterprise 10.9 以降では、トレース ネットワーク レイヤー内の指定トレース構成は、Global ID によりトレース ネットワーク サービスを通じて ArcGIS REST API で利用できます。

また、[トレース (Trace)] ツールは、ArcGIS Pro 内のトレース構成を利用して、トレースのプロパティを定義できます。 これにより、トレースに関連付けられたユーザー エクスペリエンスが簡素化され、組織内の一般的なトレースの再利用の一貫性が提供されます。 詳細については、「指定トレース構成の読み込み」をご参照ください。

指定トレース構成の操作

トレース ネットワーク内の既存の指定トレース構成は、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの [トレース ネットワーク] タブの [トレース構成] セクションに表示できます。 [トレース構成] セクションでは、指定トレース構成の名前、説明、作成者、作成日、およびタグをトレース ネットワークに格納します。

[トレース ネットワーク] ツールボックスの [トレース構成] ツールセットでは、トレース ネットワーク内のトレース構成を管理および操作するためのさまざまなツールが提供されています。

  • トレース構成の追加 (Add Trace Configuration)
  • トレース構成の削除 (Delete Trace Configuration)
  • トレース構成のエクスポート (Export Trace Configuration)
  • トレース構成のインポート (Import Trace Configuration)

エンタープライズ ジオデータベース内のトレース ネットワークを操作する場合、ポータル トレース ネットワーク所有者または管理者のみが、すべてのトレース構成を変更および削除することができます。 他のポータル アカウントは、それらのアカウントが作成した指定トレース構成のみを操作できます。 トレース ネットワークのシングルユーザー配置を操作する場合は、ユーザー全員がネットワーク内のすべての指定トレース構成の変更および削除を行えます。

[トレース構成の削除 (Delete Trace Configuration)] ツールは、1 つ以上の指定トレース構成をトレース ネットワークから削除する機能を提供します。

注意:

このツールを使用すると、指定トレース構成はトレース ネットワークから完全に削除されます。 指定トレース構成を削除すると、その指定トレース構成を参照しているすべての Web マップとの接続が切断されます。

トレース構成で、ネットワークの更新を考慮するように変更すること、またはフィールド内の条件を変更することが必要なシナリオでは、既存の構成を削除し、新しいトレース構成を追加して共有したり、既存の Web マップを新しい指定トレース構成で上書きしたりできます。 このプロセスによって、Web マップ上のすべての既存の下流の依存関係が壊れることに注意してください。 または、ArcGIS Enterprise 10.9 以降、REST API でトレース構成のリソースに対する変更操作を参照し、既存の指定トレース構成を変更することができます。 詳細については、「トレース構成の削除」をご参照ください。

[トレース構成のエクスポート (Export Trace Configurations)] ツールおよび [トレース構成のインポート (Import Trace Configurations)] ツールは、ジオデータベースとトレース ネットワークの間で、JSON を介して 1 つ以上の指定トレース構成をエクスポートおよびインポートする機能を提供します。

注意:

インポート中、*.json ファイル内の creator 値が適用されます。 トレース ネットワーク内のすべてのトレース構成を表示および操作できるユーザーはポータル トレース ネットワーク所有者と管理者のみであるため、エンタープライズ ジオデータベース内のインポート済みトレース構成に対する適切なアクセス権限を保証するために、必要に応じて creator 値を更新することが重要です。

詳細については、「トレース構成のエクスポート」および「トレース構成のインポート」をご参照ください。