このトピックでは、到達圏解析レイヤーのフィーチャクラスと解析プロパティについて説明します。
施設フィーチャクラス
施設フィーチャクラスには、出力到達圏ポリゴンがその周囲に作成される入力施設が格納されます。 到達圏解析レイヤーが解析の実行時に参照する入力フィールド値を指定できます。このフィーチャクラスは、解析が完了したら出力フィールド値も格納します。
次の表に、施設フィーチャクラスの入力フィールドと入力/出力フィールドを示します。
施設: 入力フィールド
入力フィールド | 説明 |
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ObjectID | システムで管理される ID フィールド。 |
Shape | ネットワーク解析オブジェクトの地理的な位置を示すジオメトリ フィールド。 |
Name | ネットワーク解析オブジェクトの名前。 |
Attr_[Cost] (たとえば、Minutes 属性が移動コストである場合は「Attr_Minutes」となります) | このフィールドは、施設の追加の時間、距離、その他の移動コストを格納します。 このフィールドに値を追加すると、到達圏の範囲が狭まります。 DriveTime インピーダンス属性をコストとして使用して 3 つの施設の到達圏を検索する場合は、施設で消費する時間を Attr_DriveTime フィールドに格納します。 たとえば、消防署の応答時間を表す到達圏を計算する場合には、Attr_DriveTime フィールドに、各消防署の出動時間 (消防署の職員が適切な防護装備を身に付けて消防署を出発するまでの時間) を格納できます。 消防署 1 の出動時間が 1 分で、消防署 2 の出動時間が 3 分であるとします。 両方の消防署の 5 分間の到達圏を計算する場合、消防署 1 の実際の到達圏は 4 分間となります (5 分間のうち 1 分間が出動時間として必要になるため)。 同様に、消防署 2 の到達圏はわずか 2 分間となります。 入力した値が解析に影響するのは、フィールド名 (Attr_[Cost]) の [Cost] の部分が、解析レイヤーまたは移動モードで選択されたコスト属性と一致する場合だけです。 たとえば、5 を Attr_DriveMinutes に追加したが、解析に使用されるコスト属性が TruckTime の場合、追加された 5 分は解析結果に含まれません。一方、ネットワーク コスト属性を DriveMinutes に変更した場合、これは Attr_DriveMinutes と対応するため、入力した 5 分が結果に追加されます。 |
Breaks_[Cost] (たとえば、DriveTime 属性がネットワークの移動コストである場合は「Breaks_DriveTime」となります) | Breaks_[Cost] フィールドには、到達圏施設ごとに異なるポリゴン閾値を格納できます。 つまり、2 つの施設がある場合、一方の施設の 5 分間と 10 分間の到達圏ポリゴンを生成し、もう一方の施設の 6 分間、9 分間、12 分間の到達圏ポリゴンを生成することができます。 スペースで区切られた文字列を使用して、複数の閾値を指定する必要があります。 たとえば、所定の施設に対して 6 分、9 分、12 分のポリゴンを指定するには、フィールド値を「6 9 12」にする必要があります。 Breaks_[Cost] フィールドに指定した値によって、[カットオフ] 解析レイヤー設定がオーバーライドされます。 Breaks_[Cost] フィールドに値を指定しない場合、[カットオフ] 設定に基づいて施設の到達圏ポリゴンが生成されます。 注意:解析のポリゴン境界タイプを [ディゾルブ] に設定すると、施設ごとのブレーク値は無視されます。 |
ネットワーク ロケーション フィールド
| これらのプロパティを組み合わせて、オブジェクトが配置されているネットワーク上のポイントを表します。 |
CurbApproach | CurbApproach フィールドは、車両が施設に到着する方向および施設から出発する方向を指定します。 アプローチが車両の片側のみに制限されると、到達圏の範囲がさらに限定されます。 CurbApproach 値には、4 つのオプションがあります。
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施設: 入力/出力フィールド
入力/出力フィールド | 説明 |
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Status | ネットワーク上の位置を基準としたその地点のステータスと解析の結果を示します。 出力される可能性のある値は次のとおりです。
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ポリゴン フィーチャクラス
ポリゴン フィーチャクラスは、結果の到達圏ポリゴンを格納します。このポリゴンは、指定された時間、距離、その他の移動コスト カットオフ内に到着できるネットワークのエリアをカバーします。 このフィーチャクラスは、解析レイヤーへの入力は提供せず、出力情報のみを格納します。
ポリゴン フィーチャクラスを生成するには、[到達圏レイヤー] タブの [出力ジオメトリ] グループで、[出力シェープ タイプ] を [ポリゴン] または [ポリゴンおよびライン] に設定します。
ポリゴン: 出力フィールド
次の表に、ポリゴン フィーチャクラスの出力フィールドを示します。
出力フィールド | 説明 |
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ObjectID | システムで管理される ID フィールド。 |
Shape | 内部で格納されるポリゴンのジオメトリ。 |
Name | 到達圏ポリゴンの名前には、関連付けられた施設とカットオフ範囲を示す名前が使用されます。たとえば、「Headquarters : 0.0 – 5.0」の場合は、Headquarters という施設から 5 分以内に通行可能なすべてのエッジを網羅したポリゴンを表すことになります。 |
FacilityID | 関連付けられた施設の一意の ID。 |
FromBreak | ポリゴンの閾値範囲の下限値です。 |
ToBreak | ポリゴンの閾値範囲の上限値です。 |
ライン フィーチャクラス
ライン フィーチャクラスは、結果の到達圏をライン フィーチャとして格納し、指定された時間、距離、その他の移動コスト カットオフ内に到着できる道路またはネットワーク エッジをカバーします。 到達圏解析はネットワーク ラインに沿った測定値に基づいているため、ラインはポリゴンよりも到達圏をより忠実に表します。
ライン フィーチャクラスは、解析レイヤーへの入力は提供せず、出力のみを格納します。
到達圏のラインは到達圏解析においてデフォルトで生成されませんが、生成するオプションを選択できます。 [到達圏レイヤー] タブの [出力ジオメトリ] グループで、[出力シェープ タイプ] を [ライン] または [ポリゴンおよびライン] に設定します。
ライン: 出力フィールド
[ライン] フィーチャクラスの出力フィールドを次の表に示します。
出力フィールド | 説明 |
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ObjectID | システムで管理される ID フィールド。 |
Shape | 内部で格納されるラインのジオメトリ。 |
FacilityID | 関連付けられた施設の一意の ID。 |
FromCumul_[Cost] (たとえば、FromCumul_Miles 属性が移動コストである場合は「Miles」となります) | このフィールドには、施設からライン フィーチャの始点までのパスの累積コストが含まれます。 この値には、ラインの始点での隣接ジャンクションのコストが取り込まれます。 このフィールドは、コスト属性および累積属性に対して生成されます。 |
ToCumul_[Cost] (たとえば、ToCumul_Miles 属性が移動コストである場合は「Miles」となります) | このフィールドには、施設からライン フィーチャの終点までのパスの累積コストが含まれます。 ラインの終点での隣接ジャンクションのコストは、この値から除外されます。 このフィールドは、コスト属性および累積属性に対して生成されます。 |
SourceID | 各到達圏のラインは、ネットワーク ソースのフィーチャクラス (到達圏解析を実行するネットワーク データセットを作成するために使用されるフィーチャクラス) のフィーチャを通過します。 このフィールドでは、通過対象のフィーチャが属する、ソース フィーチャクラスの一意の ID を指定します。 |
SourceOID | 到達圏が通過する、基本となるソース フィーチャの ObjectID。 |
FromPosition | 基礎となるソース フィーチャに沿って、到達圏ラインが始まる場所を指定します。
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ToPosition | 基礎となるソース フィーチャに沿って、到達圏ラインが終了する場所を指定します。
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到達圏解析レイヤーのプロパティ
解析レイヤーで設定できるプロパティを次に示します。 これらは [到達圏レイヤー] タブにあり、[コンテンツ] ウィンドウで到達圏レイヤーまたはそのサブレイヤーのいずれか 1 つが選択されている場合のみ使用できます。
解析
このセクションのオプションを使用すると、クレジットを推定して、解析を実行できます。
実行
入力フィーチャを読み込み、解析プロパティを設定したら、[実行] ボタンをクリックして、解析を実行します。 解析でクレジットが使用され、解析に推定されるクレジット数が利用可能なクレジット数を超過している場合、解析が実行されずにエラー メッセージが表示されるか、解析を続行するかどうかを選択可能な警告メッセージが表示されます。
実行ボタンの表示は、ネットワーク データセットのソースによって異なることもあります。
- - ネットワーク解析レイヤーがローカル ネットワーク データ ソースを参照しています。
- - ネットワーク解析レイヤーが ArcGIS Online のネットワーク データ ソースを参照しています。
- - ネットワーク解析レイヤーがエンタープライズ ポータルのネットワーク データ ソースを参照しています。
クレジットの推定
[クレジットの推定] ボタンを使用して、選択したネットワーク解析レイヤーで解析を実行することで消費されるサービス クレジットの数を推定できます。 このボタンが有効な場合は、解析時にネットワーク解析レイヤーがクレジットを消費することを示しています。
[クレジットの推定] ボタンは、次の場合に有効になります。
- ネットワーク解析レイヤーのネットワーク データ ソースが ArcGIS Online でホストされています。
- ArcGIS Enterprise ポータルの「ルート検索サービスが ArcGIS Online から構成されています」。
[クレジットの推定] ボタンは、次の場合に無効になります。
- ネットワーク解析レイヤーのネットワーク データ ソースがローカル コンピューターに保存されている。
- ArcGIS Enterprise ポータルに公開された独自のサービスを使用している。
[クレジットの推定] ボタンをクリックすると、現在の解析を実行することで消費されるクレジットの推定量を含むダイアログ ボックスが表示されます。 クレジットは、解析で使用される入力ロケーションの数に基づいて推定されます。 消費される実際のクレジットは、「解析」操作により生成される出力によって異なる場合があります。 組織がクレジット使用制限および割り当て設定をどのように設定したかによって、利用可能なクレジットが表示されない場合があります。 ネットワーク データ ソースが ArcGIS Enterprise ポータルで、ルート検索サービスが ArcGIS Online から構成されている場合、クレジット推定を常に実行できるとは限りません。
注意:
ArcGIS Online 組織アカウントの構成およびサインインしているユーザーに応じて、推定クレジットが利用可能なクレジットを超えた場合、解析が実行されないか、警告が表示されることがあります。
入力データ
このセクションのオプションを使用すると、解析に参加する必要のある入力フィーチャをインポートできます。
施設のインポート
[施設のインポート] を使用すると、ポイント フィーチャ レイヤーなどの別のデータ ソースから施設フィーチャクラスにフィーチャを読み込めます。
バリアのインポート
[ポイント バリアのインポート] 、[ライン バリアのインポート] 、または [ポリゴン バリアのインポート] ボタンを使用すると、別のフィーチャ レイヤーなどの別のデータ ソースから、バリア フィーチャクラス (ポイント バリア、ライン バリア、またはポリゴン バリア) の 1 つにフィーチャを読み込むことができます。
フィーチャ作成
[フィーチャ作成] ボタン を使用すると、[フィーチャ作成] ウィンドウが開きます。 利用可能なテンプレートを選択して現在のマップにフィーチャを作成します。
移動モード
このセクションのオプションを使用すると、移動モードを選択して、ルートを最適化できます。
モード
[モード] ドロップダウン リストを使用すると、「移動モード」を選択できます。移動モードは、歩行者、車、トラック、その他の移動モードの移動をまとめてモデリングする設定のグループです。 このドロップダウン リストで選択できる項目は、ネットワーク解析レイヤーが参照しているネットワーク データ ソースに対して構成されている移動モードによって異なります。
方向
次のとおり、移動時間またはその他のコストを累積することで、施設から出発する方向の到達圏を作成するか、施設に向かう方向の到達圏を作成するかを選択できます。
- [施設から] - 到達圏が施設から周辺に向けて測定されます。
- [施設へ] - 到達圏が周辺から施設に向けて測定されます。
一方通行の規制が適用されたネットワークで、進行方向により異なる移動時間を設定すると、異なる到達圏が作成されます。 方向は、到達圏解析の目的に応じて選択する必要があります。 たとえば、宅配ピザの到達圏の場合、ピザは店舗から顧客に配達されるため、施設から移動する方向 ([施設から]) で作成されます。 また、病院の到達圏の場合、患者の緊急移動は病院に向かう方向だけであり、その後しばらくは自宅に戻ることはないので、[施設へ] を選択します。
施設にサービス時間が設定されている場合 (つまり、施設の Attr_[Cost] フィールドが正の値の場合)、移動方向が「施設へ」のときは終了時刻の直前に、移動方向が「施設から」のときは開始時刻の直後にサービス時間が結果に含められます。
カットオフ
計算する到達圏の範囲は、[カットオフ] テキスト ボックスで指定します。 たとえば、カットオフを 10 に設定すると、施設から 10 単位 (10 分、10 マイルなど) の到達圏が作成されます。 選択した移動モードの単位は、[モード] ドロップダウン リストの右側に示されます。
[カットオフ] プロパティは、施設の Breaks_[Cost] フィールドの値が NULL であるときに使用されます。 A と B という 2 つの施設があり、それらの運転時間エリアを検索するとします。 施設 A の Breaks_DriveTime の値は 3 です。 施設 B の Breaks_DriveTime フィールドの値はありません。 [カットオフ] を 5 (分) に設定して到達圏を検索すると、施設 A は 3 分間の到達圏、施設 B は 5 分間の到達圏が作成されます。
注意:
[カットオフ] は、Break_Cost フィールドに数値が格納されていない施設にデフォルト値を割り当てます。
複数の閾値を設定することで、同心状の到達圏を生成できます。 たとえば、各施設の 2、3、4 分間の到達圏を検索する場合、[カットオフ] テキスト ボックスに「2, 3, 4」と入力します。
コスト属性の累積
[コスト属性の累積] ドロップダウン メニュー を使用して、累積するコスト属性を構成できます。 ネットワーク データ ソースがサービスの場合、出力ジオメトリ タイプにラインが含まれない場合、またはコスト属性が存在しない場合、このドロップダウン メニューは使用できません。 属性は、グループ ヘッダーとして示される単位ドメインごとにグループ化されます ([時間] や [距離] など)。 チェックボックスがオンの場合、解析時に解析レイヤーがこのオンになっている属性を累積します。
同じレイヤー タイプの複数の解析レイヤーが選択されている場合、すべてのレイヤーが 1 つの属性に対して同一のオンになったステータスを共有しているのでなければ、チェックボックスは混合状態を示します。 次の画像では、[WeekendFallbackTravelTime] 属性が複数のレイヤーに対して選択されているため、ここにはチェック マークがあります。
選択したレイヤーが 1 つの属性に対してオンになったステータスを共有している場合、チェックボックスはその状態を示します。
日時
日時セクションのオプションを使用すると、解析で使用する日時と曜日を指定できます。
到着/出発の日時タイプ
[到着/出発の日時タイプ] ドロップダウン リストは、コストの単位が時間ベースの場合に使用できます。 このドロップダウン リストでは、ルートが最初のストップを出発する時間を表す特定の日付と時刻の値を指定するかどうかを選択できます。 特定の日付と時刻を設定する主な目的は、変動する交通状況または公共交通機関のスケジュールを利用して解析を実行することです。ただし、解析で交通量または公共交通機関を使用する場合は、ネットワーク データセットまたはルート サービスに交通量データまたは公共交通機関を含める必要があります。
ドロップダウン リストでは次のオプションが選択できます。
[時間を使用しない] - ネットワーク データ ソースに時間ベースのデータが含まれているかどうかに関係なく、結果は静的な移動時間に基づきます。ネットワーク エッジ上の移動時間は、1 日を通して変動しません。 [時刻] と [日付] テキスト ボックスは使用できません。
[日時] - 開始時間を時刻とカレンダー日付で指定します。 この情報を入力できるように、[時刻] と [日付] テキスト ボックスが使用可能になります。
[曜日] - 時刻と曜日を指定します。 この情報を入力できるように、[時刻] と [日付] テキスト ボックスが使用可能になります。
[今日] - 時刻を指定します。日付は現在の日付になります。 時刻を入力できるように、[時刻] テキスト ボックスが使用可能になります。[日付] テキスト ボックスは [今日] に設定され、変更できないように無効になります。
[現在の日時] - 解析を実行する際に、日付と時刻が現在の日付と時刻に設定されます。 これは、ネットワーク データセットにライブ交通量データが構成されており、解析を実行した直後に取り込まれるルートがドライバーに配信される場合に便利です。 [時刻] と [日付] テキスト ボックスは変更できないように無効になります。
時刻
出発の時刻を指定します。
このオプションが有効になる場合を確認するには、[到着/出発の日時タイプ] セクションをご参照ください。
Date
出発の曜日を指定するには、次のいずれかの値を [日付] テキスト ボックスに入力します。
- 月曜日
- 火曜日
- 水曜日
- 木曜日
- 金曜日
- 土曜日
- 日曜日
このオプションが有効になる場合を確認するには、[到着/出発の日時タイプ] セクションをご参照ください。
基準タイム ゾーン
[基準タイム ゾーン] ドロップダウン リスト では、解析で使用するタイム ゾーンを選択できます。 次のようなオプションがあります。
- ロケーションのローカル タイム
- UTC (協定世界時)
出力ジオメトリ
このセクションのオプションを使用すると、出力をマップに表示する方法を選択できます。
ポリゴン、ライン、ポリゴンおよびライン
出力として、ポリゴン 、ライン 、またはポリゴンおよびライン のどれを生成するかを選択します。
ネットワーク データ ソースがラインの生成をサポートしていないバージョンの Portal for ArcGIS のサービスである場合、ポリゴンおよびライン出力とライン出力は使用できません。
ポリゴン詳細レベル
出力ポリゴンの詳細レベルを指定するには、[ポリゴン詳細レベル] プロパティを設定します。
[単純化] - このオプションは、ネットワーク データセットに階層属性が含まれている場合に使用できます。
階層的な到達圏解析では、下位ランクのエッジよりも上位ランクのエッジが優先されます。 つまり、施設が生活道路 (階層の最下位ランク) 沿いに存在する場合、ソルバーはそのエリアの生活道路まで対象を広げますが、一般道路と幹線道路に向かって階層を上がろうとします。 一般道路と幹線道路に戻ったら、残りの到達圏を通じて生活道路を無視します。 幹線道路に階層を上げると、一般道路と生活道路は無視されます。 主にこの階層方式のために、非階層到達圏は階層到達圏に比べて一般に品質が高くなります。
[標準精度] - 標準ポリゴンは適度な精度で高速に生成されますが、到達圏ポリゴンの境界線に近づくと品質が多少低下します。 標準詳細ポリゴンを出力すると、島状に発生する到達圏外のネットワーク エレメント (道路など) までポリゴンに含まれる場合があります。
[高精度] - このオプションを選択すると、最も詳細なポリゴンを取得できます。 ポリゴン内にホールが存在する場合があります。ホールは、カットオフ インピーダンスを超えていないか、交通規制のために到達できない島状のネットワーク エレメントを表します。 高精度のポリゴンは、生成するのに最も時間がかかります。
ホールが生成されるのは、[高精度] ポリゴンと [オーバーラップ] または [ディゾルブ] 出力ジオメトリ設定を使用している場合に限ります。 [分割] 設定を使用している場合は、ポリゴン内にホールが生成されません。
ヒント:
ネットワーク データセットに到達圏インデックスを作成すると、処理時間を最適化し、標準精度および高精度のポリゴンの質を向上させることができます。
境界タイプ
複数の施設のポリゴンまたはラインの生成ではいくつかのオプションを使用できます。
- [オーバーラップ] - このオプションを選択した場合、施設ごとに異なるポリゴンが生成されます。 各ポリゴンは重なり合います。 重複するラインの場合、複数の施設の到達圏内にあるネットワークの部分で、施設ごとに 1 本のラインが生成されます。
- [ディゾルブ] - このオプションを使用すると、同じカットオフ値を持つ複数の施設のポリゴンが 1 つのポリゴンにマージされます。 ポリゴンは、特定の閾値が設定されているために他と接していない場合でも、マージされて 1 つのマルチパート ポリゴンになります。 このオプションはラインには適用されません。
- [分割] - このオプションを選択した場合、施設ごとに最寄りの異なるポリゴンが生成されます。 各ポリゴンは重なり合うことはありません。 分割ラインの場合、各ラインが重なり合うことはありません。ラインは、複数の施設から到達できる場合でも、常に最も近い施設に割り当てられます。
ポリゴン リングまたはディスク
同心状の到達圏ポリゴンのタイプを、「ディスク」、「リング」のいずれかにできます。
- リング - 出力ポリゴンは、最も近いカットオフ値の間のみに拡大します。 より小さいブレーク値の領域は含まれません。 連続するブレーク値の間の領域に、ポリゴンが作成されます。
- ディスク - 出力ポリゴンは、施設からカットオフまで拡大します。 5 分到達圏と 10 分到達圏を生成すると、10 分到達圏ポリゴンは 5 分到達圏ポリゴンの領域、および 5 分から 10 分までのブレーク値の領域もカバーします。
除外するエッジ ソース
[除外するエッジ ソース] ドロップダウン メニュー を使用して、到達圏ポリゴンを生成するときに特定のネットワーク データセットのエッジ ソースを除外することを選択できます。 除外されたソースの周囲には、解析で通過された場合でも、ポリゴンが生成されません。
到達圏ポリゴンからネットワーク ソースを除外しても、そのソースの通行が防止されるわけではありません。 到達圏ポリゴンからソースを除外した場合、到達圏のポリゴン形状のみに影響が生じます。 特定のネットワーク ソースの通行を防止するには、ネットワーク データセットの定義時に適切な規制を設定する必要があります。
ポリゴンの精度が損なわれるため、または到達圏解析にそれほど重要ではないため、ポリゴン生成に含めたくないネットワーク ソースがある場合に役立ちます。 たとえば、道路および線路の複合ネットワークで徒歩時間の到達圏を作成する場合、ポリゴン生成から線路を除外するように選択する必要があります。 移動者は線路を使用できますが、線路の途中で止まり、近くの建物に入ることはできません。 代わりに、線路の全長を移動し、地下鉄システムの駅を出てから、道路を使って建物まで歩く必要があります。 この場合、線路の周囲にポリゴン フィーチャを生成しても正確な結果は作成されません。
このパラメーターは、出力ジオメトリ タイプにポリゴンが含まれない場合、ネットワークに 1 つ以下のエッジ ソースしか存在しない場合、ネットワーク データ ソースが ArcGIS Online サービスである場合、またはネットワーク データ ソースがソースの除外をサポートしていないバージョンの Portal for ArcGIS のサービスである場合は使用できません。
ポリゴンの切詰め距離
[ポリゴンの切詰め距離] は、到達されるネットワーク エッジから到達圏ポリゴンがどの程度近い必要があるかを制御します。 切詰め距離は、ライン バッファー サイズと同様に、他に到達可能な道路が近くにない場合に、到達圏ポリゴンが延長すべき道路からの距離を表します。 これは、道路から到達可能と見なす道路の中心線からの距離をおおまかにモデル化します。 ネットワークが非常にまばらで、フィーチャが存在しない広範領域が到達圏内に含まれるのを防ぎたい場合に役立ちます。
パラメーターには距離の値と単位が含まれます。 デフォルト値は 100 メートルです。 このパラメーターは、以下の状況で無効化されます。
- [出力シェープ タイプ] パラメーターが [ライン] に設定されている場合。
- [ポリゴン詳細レベル] パラメーターが [単純化] に設定されている場合。
描画
アクティブなネットワーク解析レイヤーのシンボル ウィンドウにアクセスするには、[シンボル] ボタン を使用します。 次のいずれかのオプションを選択することで、アクティブなネットワーク解析レイヤーのサブレイヤーのシンボルを設定できます。
- [単一色] - このオプションはすべてのタイプのネットワーク解析レイヤーで利用できます。 アクティブなネットワーク解析レイヤー内の、バリアを除くすべてのフィーチャ サブレイヤーで、指定した色の同じ単一シンボルが使用されます。 たとえば、ルート レイヤーに青の単一色を選択した場合、すべてのストップ フィーチャとルート フィーチャが同じ青色に変換されます。
- [カラー リンク] - このオプションはルート レイヤーと配車ルート レイヤーで使用できます。 配色がサブレイヤーに適用されて、関連するフィーチャが同じ色でシンボル化されます。 このシンボル構成では関連するフィーチャが同じ色でシンボル化されるため、マップ内の異なるルートやそれに関連するフィーチャを簡単に区別することができます。 たとえば、複数のルートを持つルート レイヤーでは、各ルートとそのルートに割り当てられたストップに適合する色が割り当てられます。