ジオプロセシング環境設定の概要

ジオプロセシング環境は、ツールの結果に影響を与える追加の設定です。 これらの設定は [ジオプロセシング] ウィンドウの [パラメーター] タブに表示されない (一部の例外あり) ため、ツール パラメーターとは異なります。 正確に言うと、これらは、[環境] ダイアログ ボックスを使用して 1 回設定する値であるか、[ジオプロセシング] ウィンドウの [環境] タブを使用して個々のツールを実行するためのものであり、ツールによって実行時に使用されます。

ジオプロセシングの環境設定の詳細

ワークスペース環境

環境	説明
現在のワークスペース	現在のワークスペースの環境を反映するツールは、ジオプロセシング ツールの入力と出力のデフォルトの場所として指定されたワークスペースを使用します。
パッケージ ワークスペース	パッケージ ワークスペース環境設定は、共有ジオプロセシング パッケージまたはサービスのコンテンツがあるフォルダーの場所です。
テンポラリ フォルダー	テンポラリ フォルダー環境設定は、シェープファイル、テキスト ファイル、レイヤー ファイルなど、ファイルベースのデータを書き込むことができるフォルダーの場所です。
テンポラリ GDB	テンポラリ GDB の環境設定は、テンポラリ データを書き込むことができるファイル ジオデータベースの場所です。
テンポラリ ワークスペース	テンポラリ ワークスペースの環境を反映するツールは、出力データセットのデフォルトのワークスペースとして指定された場所を使用します。 テンポラリ ワークスペースは、保守しない出力データ向けです。

出力座標系環境

環境	説明
出力座標系	出力データの座標系の環境を反映するツールは、指定された座標系で出力ジオデータセットを作成します。
地理座標系変換	地理座標系変換の環境を反映するツールは、データを投影するときに、この変換方法を使用します。

処理範囲環境

環境	説明
範囲	範囲の環境を反映するツールは、この設定で指定された範囲内のフィーチャまたはラスターだけを処理します。

並列処理環境

環境	説明
失敗時の再試行回数	障害時の再試行回数環境を優先するツールは、特定ジョブの処理中に障害が発生したときに、同じワーカー プロセスを指定した試行回数だけ再試行します。
並列処理ファクター	並列処理ファクター環境を考慮するツールでは、複数のプロセスにまたがる処理が分割されて実行されます。
処理ワーカーのリサイクル間隔	処理ワーカーのリサイクル間隔の環境が、長時間のプロセスで発生の可能性がある障害を回避するため、ワーカー プロセスを再開する前に処理する画像セクションの数を定義することを考慮するツールです。

ラスター解析環境

環境	説明
セル配置	セルの配置環境を反映するツールは、出力のセルの配置を調整して、指定した処理範囲のセルの配置に一致させます。
セル サイズ	セル サイズ環境を反映するツールは、操作で使用する出力ラスター セル サイズ、または解像度を設定します。 デフォルトの出力解像度は、入力ラスター データセットの最も粗い解像度で決まります。
セル サイズ投影法	セル サイズ投影法環境を反映するツールは、解析中にデータセットが投影変換されるときに、出力ラスターのセル サイズの計算に指定された方法を使用します。
マスク	マスク環境を反映するツールは、操作中、解析マスク内に含まれるセルだけを対象にします。
スナップ対象ラスター	スナップ対象ラスターの環境を反映するツールは、出力ラスターの範囲を調整して、指定したスナップ対象ラスターのセルの配置に一致させます。

ジオデータベース環境

環境	説明
出力データのコンフィグレーション キーワード	出力データのコンフィグレーション キーワードの環境を反映するツールは、ジオデータベースにデータセットを作成するときに、指定されたキーワードを使用します。
自動コミット	自動コミット環境を反映するツールは、エンタープライズ ジオデータベース トランザクション内で指定された回数の変更が行われた後に、強制的にコミットを実行します。
アタッチメントを維持	アタッチメントの保持環境設定を優先するツールは、入力フィーチャのアタッチメントを出力フィーチャにコピーします。 アタッチメント テーブルとリレーションシップ クラスが作成されます。

ジオデータベースの高度な環境

環境	説明
Global ID を維持	[Global ID を維持] 環境を反映するツールでは、ターゲット データセットに行を追加すると、既存の入力データセットの Global ID 値が再使用されます。
ジオデータベース フィールド プロパティの転送	ジオデータベース フィールド プロパティの転送の環境を反映するツールは、ドメイン、サブタイプ、属性ルール、フィールド グループ、条件値を入力データセットのフィールドから出力データセットのフィールドに転送します。

フィールド環境

環境	説明
フィールド ドメインの説明を転送	フィールド ドメインの説明を転送の環境を適用するツールは、ドメインとサブタイプのコードを含むフィールドとともに、ドメインとサブタイプの説明を含むフィールドも出力に含めるかどうかを制御します。 この設定は、ジオプロセシング ツールへの入力が、ドメインとサブタイプが定義されているジオデータベースのフィーチャクラスまたはテーブルである場合に適用されます。
完全に記述したフィールド名を保持	修飾されたフィールド名を保持する環境を反映するツールは、この設定を使用して修飾されたフィールド名と非修飾フィールド名を区別します。 修飾されたフィールド名は、元のフィーチャクラスまたはテーブルの名前がフィールド名に付加された、フィーチャクラスまたはテーブル内のフィールドの名前です。 この設定が適切なのは、結合されたデータを操作するときです。

XY 値環境

環境	説明
出力データの XY ドメイン	出力データの XY ドメインの環境を反映するツールは、指定された範囲を出力ジオデータセットの XY ドメインに設定します。
XY 座標精度	XY 座標精度の環境を反映するツールは、X,Y 座標精度を出力ジオデータセットに適用します。 XY 座標精度とは、XY 座標値を格納するために使用される有効桁数を指し、非常に短い距離として表されます。
XY 許容値	XY 許容値の環境を反映するツールは、ジオデータベース内に作成されたジオデータセットのデフォルトの X,Y 許容値を無視します。

M 値環境

環境	説明
出力データの M ドメイン	出力データの M ドメインの環境を反映するツールは、指定されたメジャー ドメイン (M ドメイン) で出力データセットを作成します。
出力データに M 値を含む	出力データに M 値を含む環境を反映するツールは、出力ジオデータセットが M 値を格納するかどうかを制御します。
M 許容値	M 許容値の環境を反映するツールは、ジオデータベース内に作成されたジオデータセットのデフォルトの M 許容値を無視します。
M 座標精度	M 座標精度の環境を反映するツールは、M 座標精度を出力ジオデータセットに適用します。 M 座標精度とは、M 値を格納するために使用される有効桁数を指し、非常に短い距離として表されます。

Z 値環境

環境	説明
出力データの Z ドメイン	出力データの Z ドメインの環境を反映するツールは、指定された Z ドメインで出力データセットを作成します。
出力データのデフォルト Z 値	出力データのデフォルト Z 値の環境を反映するツールは、Z 座標値を持たない出力頂点ごとに Z 座標値を設定します。
出力データに Z 値を含む	出力データに Z 値を含む環境を反映するツールは、出力ジオデータセットが Z 値を格納するかどうかを制御します。
Z 座標精度	Z 座標精度の環境を反映するツールは、Z 座標精度を出力ジオデータセットに適用します。 Z 座標精度とは、Z 座標値を格納するために使用される有効桁数を指し、非常に短い距離として表されます。
Z 許容値	Z 許容値の環境を反映するツールは、ジオデータベース内に作成されたジオデータセットのデフォルトの Z 許容値を無視します。

乱数環境

環境	説明
乱数ジェネレーター	乱数ジェネレーターの環境を反映するツールは、シードと分布を使用するアルゴリズムを使用して一連の乱数を生み出します。

カートグラフィ環境

環境	説明
カートグラフィの座標系	カートグラフィの座標系の環境を反映するツールは、計算時に、フィーチャのサイズ、範囲、および空間リレーションシップを決定するために、指定された座標系を使用します。
基準縮尺	基準縮尺の環境を反映するツールは、シンボル表示されたフィーチャが基準縮尺で表示されたときのグラフィカル サイズと範囲を考慮します。
カートグラフィック パーティション	カートグラフィック パーティション環境を反映するツールは、指定した分割ポリゴン フィーチャを基準にして入力フィーチャを分割し、連続した処理を行えるようにします。この処理によって、大きなデータセットで起きる可能性のある、メモリの制限を防ぐことができます。
アノテーション テキスト文字列フィールド長	アノテーションのテキスト文字列フィールドの長さ環境に従うツールは、データベースで作成されたすべてのアノテーション フィーチャクラスの TextString フィールドでデフォルトのフィールド長をオーバーライドします。

ラスター格納環境

環境	説明
ピラミッド	ピラミッドの環境を反映するツールは、ピラミッドが有効なラスターのみを処理します。 ERDAS IMAGINE ファイルのピラミッドでは、設定可能なオプションが限定されます。
ラスターの統計情報	ラスターの統計情報の環境を反映するツールは、出力ラスター データセットの統計情報の作成方法を制御します。
圧縮	圧縮の環境を反映するツールを実行すると、出力ラスター データセットを格納する際の圧縮タイプが設定されます。
タイル サイズ	タイル サイズの環境を反映するツールは、データのブロックに格納されるラスターのタイル サイズを設定します。
リサンプリング方法	Resampling Method 環境を適用するツールは、ラスター データセットの変換中にピクセル値を内挿します。 入力と出力が正確に対応していない場合、ピクセル サイズが変わる場合、データがシフトされる場合などにこの方法を使用します。
NoData	NoData の環境を反映するツールは、NoData 値が有効なラスターのみを処理します。

テレイン データセット環境

環境	説明
テレインの解析におけるメモリ使用を最小化	テレイン環境での解析でメモリ使用を最小化するツールは、テレインの解析中のメモリ使用量を制御します。

TIN 環境

環境	説明
デフォルトの TIN 格納バージョン	デフォルトの TIN 格納バージョンの環境を尊重するツールは、指定したバージョンで TIN サーフェスを出力します。

Geostatistical Analysis 環境

環境	説明
Coincident Points	コインシデント ポイント環境を適用するツールは、Geostatistical Analyst での一致データの扱い方を定義します。

ベクター解析環境

環境	説明
曲線セグメントの維持	曲線セグメントの維持の環境が入力曲線セグメントを出力でも維持することを考慮するツールです。

Maritime 環境

環境	説明
S-100 Feature Catalogue File	S-100 フィーチャ カタログ ファイルの環境を反映するツールは、データをインポートし、データベース スキーマを生成する際にマップ オブジェクト、属性、フィーチャクラス、およびリレーションシップに指定されたファイルを使用します。

プロセッサ タイプ環境

環境	説明
プロセッサ タイプ	プロセッサ タイプの環境を反映するツールを使用すると、データを処理する場所と方法を選択できます。
GPU ID	GPU ID の環境を反映するツールは、データ処理に使用する GPU を特定します。

リモート処理サーバー環境

環境	説明
リモート処理サーバー	リモート処理サーバーの環境の設定を優先するツールは、並列処理ファクターの環境を使用する際、ArcGIS Server のサーバー、ユーザー名、パスワードを指定します。

多次元解析環境

環境	説明
多次元変数の照合	多次元変数の照合の環境を反映するツールは、入力多次元ラスターが同じ名前の変数を少なくとも 1 つ共有する場合にのみ、多次元ラスターを生成します。
ディメンションの結合	ディメンションの結合環境を反映するツールは、入力多次元ラスターのすべてのディメンションを含む多次元ラスターを生成します。

時間環境

環境	説明
サマータイムを調整	サマータイムを調整環境を優先するツールは、サマー タイムを示すように日付フィールドのタイム ゾーンの値を調整します。
タイム ゾーン	タイム ゾーン環境を反映するツールは、日付フィールドが格納されるタイム ゾーンを指定します。

Business Analyst 環境

環境	説明
データ ソース	一方のレイヤーから他方のレイヤーにデータを集計する方法に従ってデータ ソース環境設定を反映するツールです。 この環境は、Business Analyst ツールにのみ使用されます。
ネットワーク ソース	ネットワーク ソース環境を優先するツールで、ネットワーク距離計算タスクで使用するデータセットまたはサービスを設定できます。これは、Business Analyst ツールにのみ使用されます。
詳細な集計の使用	詳細な設定の使用の環境に適合するツールでは、指定された半径を超えた面積の詳細なデータ集計方法が使用されます。 この環境は、Business Analyst ツールにのみ使用されます。