経験的セミバリオグラムへのモデルの適合

Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。

セミバリオグラム/共分散モデリングは、空間記述と空間推定の間にある重要なステップです。 地球統計学の主な応用として、サンプルが未収集の位置におけるデータ値を推定することがあります。

経験的セミバリオグラムと経験的共分散ではデータセットの空間的自己相関についての情報が提供されます。 ただし、可能なすべての方向と距離について情報が提供されるわけではありません。 このような訳で、クリギングの推定値が正のクリギング分散となるためには、モデル (つまり、連続する関数または曲線) を経験的セミバリオグラム/共分散に適合させる必要があります。

セミバリオグラムと共分散の関係の詳細

経験的セミバリオグラム/共分散の値の各種ビュー

地球統計ウィザードでは、経験的セミバリオグラムの値について 3 種類のビューが提供されます。 このうちの 1 つ、2 つ、または 3 つすべてを、データへのモデルの適合に役立てることができます。 デフォルト ビューには、経験的セミバリオグラム/共分散のビン化された値と平均値が表示されます。 以下で説明するビジュアライゼーション オプションのコントロールはオプション ボタン (図の右上隅にある縦に並んだ 3 つのドット) をクリックすると表示されます。

デフォルト ビュー

ビン化された値は、赤色のドットとして表示され、幅が 1 ラグである正方形のセルを使用して経験的セミバリオグラム/共分散ポイントをグループ化 (ビニング) することで生成されます。 平均ポイントは、青色の十字として表示され、角度セクター内にある経験的セミバリオグラム/共分散ポイントをビニングすることで生成されます。 ビン化されたポイントはセミバリオグラム/共分散値のローカルなばらつきを示すのに対し、平均値ではセミバリオグラム/共分散値のばらつきが滑らかになります。 多くの場合、平均値の方がビン化されたポイントよりもデータ内の空間的自己相関が整然とし、セミバリオグラム値の変化が滑らかになるため、平均値にモデルを適合させた方が簡単です。

以下の 2 つの図には、ビン化されたポイント (上の図) と平均されたポイント (下の図) だけが示されています。

ビン化された値のみ

平均値のみ

さらに、[すべてのラインを表示] オプションを使用して、緑色のラインをプロットに追加することができます。 この線は、ビン化された経験的セミバリオグラム/共分散値に適合されたローカル多項式です。 以下の図は、これらの線の典型的な例を示しています。

ラインが表示されたセミバリオグラム プロット

経験的データに適合させるセミバリオグラム/共分散モデルは以下の条件を満たしている必要があります。

  • ビン化された値 (赤色のドット) の雲の中心を通る。
  • 平均値 (青色の十字) のできるだけ近くを通る。
  • ローカル多項式 (緑色の線) のできるだけ中央を通る。

モデルが経験的データに十分に適合していないように見える場合でも、その現象についての知識から、モデルの形状やそのナゲット、レンジ、パーシャル シル、異方性の値が決まることがあります (経験的データはモデル化する実際の現象の単なるサンプルであり、その空間的および統計的側面すべてを完全に表すものではありません)。

セミバリオグラム/共分散モデルのタイプ

Geostatistical Analyst では、経験的セミバリオグラムのモデリングに次のセミバリオグラム/共分散関数を使用できます。

  • Tetraspherical
  • Pentaspherical
  • 指数
  • ガウス
  • 2 次有理
  • ホール効果
  • K-ベッセル
  • J-ベッセル
  • Stable

特に曲線の形状が原点近くで大きく異なる場合、選択したモデルが未知値の推定に影響を与えます。 原点近くの曲線の傾きが大きいほど、最も近い近傍ポイントが推定に与える影響が大きくなります。

この結果として、出力サーフェスは滑らかでなくなります。 各モデルは、さまざまな種類の現象をより正確になぞるように設計されています。

以下の図に、2 つの一般的なモデルの関数の違いを示します。 1 つ目の図は指数セミバリオグラムを示し、2 つ目の図はガウス セミバリオグラムを示しています。

指数モデル

ガウス モデル

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