六角形の参照

六角形は 6 つの辺を持つポリゴンであり、GIS でマップに均一なグリッドを適用するために使用されます。 ArcGIS Business Analyst Pro では、グリッドと六角形を作成でき、カラーコード レイヤーを作成するときの区画オプションとして使用することもできます。

H3 六角形では、GIS で一般的に使用されているオープンソースの階層的空間インデックス システムである H3 を使用します。 GIS で六角形を使用することで、地域によってサイズが異なる行政区画を使用する場合とは異なり、地域全体で一定サイズのグリッドが提供されます。 また、六角形の境界は、ブロック グループや郵便番号などの行政区画とは異なり、時間の経過に伴う変化がありません。

一般的な手法としてグリッド (またはフィッシュネット グリッド) に四角形が使用されますが、四角形の線形性がデータに内在するパターンの認識を阻害する可能性があるため、必ずしも適切とは言えません。 六角形は、データのパターン内の曲線や、接続性または移動パスの要素がある曲線を四角形よりも自然に視覚的に表現します。 また、六角形グリッドでは、地球の曲率による歪みが小さくなります。

ウィスコンシン州の営利保険機関は、医療に関する希望について州全体にわたる傾向を解析しています。 この機関は、診療所よりも緊急医療施設に対する希望が最も高い地域を解析するため、カラーコード レイヤーで 2 つの異なる解像度を持つ六角形を使用します。

市場の潜在能力データ [Prefer Urgent vs Docs Office: Agree Completely] から変数を選択し、ウィスコンシン州の対象地域を設定します。 変数は解像度 5 の六角形を使用してマッピングされます。

ウィスコンシン州でマッピングされた六角形

六角形のサイズ (または解像度) は、0 (最大) から 15 (最小) までさまざまです。 州全体の解析に向けて、解像度 5 の六角形は大規模な地域をカバーし、データの広範な視覚化を提供することで、この機関の解析を支援しています。 六角形の解像度の詳細については、「六角形の解像度」をご参照ください。

ミルウォーキーあたりに緊急医療施設が集中してほしいと思う人が多数存在し、この機関ではそれを詳細に評価したいと考えています。 対象地域をミルウォーキー市に変更し、六角形を解像度 7 に変更します。 この大きな解像度の六角形は、六角形あたりの面積が小さく、データをより具体的に視覚化できるため、ローカル解析に適用できます。

ミルウォーキーでマッピングされた六角形

解析に六角形を使用することで、この組織は従来の行政区画境界がもたらすバイアスにとらわれずに、空間パターンを認識できます。

計算

六角形は、テッセレーション形状の 6 つの辺によるポリゴンです。 テッセレーションとは、ギャップまたは重複なく、隣接する各ポリゴンと適合するパターンで繰り返し形成することです。 この連続的なパターンにより、マップ上のグリッドで四角形を使用する場合とは異なり、データの曲率が途切れなくなります。

六角形のテッセレーションと四角形のグリッド

六角形の形状は、データ解析と視覚化で独自のメリットがあります。 たとえば、円は六角形に内接させることができます。 円は周長と面積の比率が最も低く、サンプリング バイアスは低下しますが、連続的にテッセレーション化することはできません (円の繰り返しパターンは、ギャップまたは重複が存在し、解析には有効ではありません)。ただし、六角形は、周長と面積の比率は低いものの、テッセレーション化することができます。

六角形のテッセレーションと円のグリッド
注意:

H3 六角形に関するよくある質問については、「六角形を使用する理由」をご参照ください。

六角形の解像度

六角形のサイズは、0 (最大) から 15 (最小) までさまざまです。 それらのさまざまなサイズは、解像度と呼ばれます。 解像度の小さい六角形 (解像度 1 など) を使用すると、国全体の解析など、より広い区画エリアの解析に役立ちます。 解像度の大きい六角形 (解像度 15 など) は、六角形あたりの平均面積が小さく、同じ面積をカバーする六角形の数が多くなります。

六角形に内接する円の半径は、辺心距離と呼ばれます。 六角形の辺の長さは、すべての辺で等しくなります。 六角形の辺心距離と辺の長さは必ずしも等しくありません。

六角形のダイアグラム

H3 解像度と対応するセル数、平均面積、平均の辺長については、以下の表をご参照ください。 表では、六角形のサイズが小さくなるにつれて計測単位が変化することに注意してください。

解像度六角形の平均面積六角形の平均的な辺長内接する円の平均的な半径 (辺心距離)

0

4,357,449.4 km²

1,682,420.6 平方マイル

1,281.3 km

796.1 マイル

1,109.60 km

689.47 マイル

1

609,788.4 km²

235,440.6 平方マイル

483.1 km

300.2 マイル

418.34 km

259.94 マイル

2

86,801.8 km²

33,514.4 平方マイル

182.5 km

113.4 マイル

158.06 km

98.21 マイル

3

12,393.4 km²

4,785.1 平方マイル

69.0 km

42.9 マイル

59.74 km

37.12 マイル

4

1,770.3 km²

683.5 平方マイル

26.1 km

16.2 マイル

22.58 km

14.03 マイル

5

252.9 km²

97.6 平方マイル

9.9 km

6.1 マイル

8.53 km

5.30 マイル

6

36.1 km²

13.9 平方マイル

3.7 km

2.3 マイル

3.23 km

2.00 マイル

7

5.2 km²

2.0 平方マイル

1.4 km

0.9 マイル

1.22 km

0.76 マイル

8

737,327.6 m²

182.2 エーカー

0.5 km

581.2 ヤード

0.46 km

435.87 ヤード

9

105,332.5 m²

26.0 エーカー

200.8 m

219.6 ヤード

173.89 m

164.69 ヤード

10

15,047.5 m²

3.7 エーカー

75.9 m

83.0 ヤード

65.70 m

62.22 ヤード

11

2,149.6 m²

0.5 エーカー

28.7 m

31.3 ヤード

24.82 m

23.51 ヤード

12

307.1 m²

367.3 平方ヤード

10.8 m

11.8 ヤード

9.38 m

8.88 ヤード

13

43.9 m²

52.5 平方ヤード

4.1 m

4.5 ヤード

3.54 m

3.36 ヤード

14

6.3 m²

7.5 平方ヤード

1.5 m

1.7 ヤード

1.34 m

1.27 ヤード

15

8,950.0 cm²

1.1 平方ヤード

0.6 m

0.6 ヤード

0.51 m

0.48 ヤード

制限事項

六角形の使用には、次のような制限事項があります。

  • ArcGIS Business Analyst Pro は、次のワークフローでのみマッピング オプションまたは区画オプションとして H3 六角形を提供します。
  • カラーコード レイヤーでは、ローカル Business Analyst データセットと次のオンライン データセットで六角形を使用できます。
    • Esri 2023 および Esri 2024
    • Europe (ベータ版)
  • 六角形がどの国勢調査区とも交差していない場合は、その区にデータは割り当てられません。

クレジット

グリッドと六角形の生成ジオプロセシングツールは、データ ソースがオンラインに設定され、[情報付加タイプ] パラメーターが指定されるときにクレジットを消費します。

詳細については、「クレジットを使用するジオプロセシング ツール」の「グリッドと六角形の生成」セクションをご参照ください。

リソース

六角形および Business Analyst での六角形の使用については、以下をご参照ください。