Data Reviewer のライセンスで利用可能。
サマリー
[フィーチャ間] チェックは、空間リレーションシップを共有する同じまたは 2 つの異なるフィーチャ レイヤーを検出して、それを結果として返します。
サポートされているワークフロー
ArcGIS Data Reviewer のチェックは、データの自動レビューを実装するための複数の方法をサポートしています。 次の表に、このチェックでサポートされている実装方法を示します。
ワークフロー | サポート | ライセンス |
---|---|---|
検証属性ルール | はい (ArcGIS Pro 2.5 以降) | ArcGIS Pro Standard および Data Reviewer ライセンスで利用可能 |
制約属性ルール | はい (ArcGIS Pro 2.4 以降) | ArcGIS Pro Standard および Data Reviewer ライセンスで利用可能 |
データ チェックの実行 | はい (ArcGIS Pro 3.4 以降) | Data Reviewer ライセンスで利用可能 |
レガシー:
マップベースのレビューアー ルールは、廃止予定のため使用できません。 属性ルールで利用できる Data Reviewer 機能に自動レビュー ワークフローを移行することをお勧めします。 ArcGIS Pro 3.0 以降でマップ ドキュメント (.aprx ファイル) を開くか保存すると、ドキュメントから既存のマップ ルールがすべて削除されます。
概要
[フィーチャ間] チェックは、地形上の道路や草地に囲まれた湖など、空間的に関連するフィーチャを特定します。 同じフィーチャクラスの複数のフィーチャを相互にオーバーラップさせ、共通の属性値を共有することもできます。
制約ルールとして構成した場合は、ルールのパラメーターで定義された条件を満たしているフィーチャが作成または変更されたときに、エラーが返されます。
検証ルールとして構成した場合は、ルールのパラメーターで定義された条件を満たしているフィーチャごとにエラーが生成されます。 このエラーには、[エラー インスペクター] ウィンドウでアクセスできます。
業界シナリオ
このチェックは次のようなシナリオで使用できます。
- 土地区画管理では、[フィーチャ間] チェックによって、課税区画内のロット単位が重ならないようにします。
- 住所管理では、住所範囲にオーバーラップまたはギャップが含まれる道路中心線フィーチャは、ジオコーディングに使用されるロケーターの精度に影響する可能性があります。
- 水道管理における一般的な問題として、キー属性が異なる値で接続されているフィーチャがあります。 たとえば、バルブがパイプに接続されているが、パイプの直径が異なる場合 (直径が 8 インチの 2 つの給水管に接続された直径 12 インチのバルブなど)、エラーが発生する可能性があります。
- 電力管理では、適切なネットワーク解析のために、接続されているフィーチャは別のフィーチャの端点に位置する必要があります。 たとえば、スイッチ フィーチャによって接続された一次導線が分割されていない場合、解析エラーが発生する可能性があります。
- ArcGIS Indoors からのデータを使用する場合、オフィス、浴室、休憩室などのユニット ポリゴンは、対応するレベルの水平方向と垂直方向の境界内にある必要があります。
属性ルールの構文
パラメーター | 必須 | 説明 | ワークフロー |
---|---|---|---|
サブタイプ | いいえ | ルールが適用されるサブタイプ。 | 制約 |
検証 | |||
属性 | いいえ | ルールの適用先となるフィーチャを特定するクエリ。 | 検証 |
比較するフィーチャ |
はい |
入力フィーチャは、このデータ ソースのフィーチャへのリレーションシップに基づいて、エラーとして返されます。 有効な入力は、ポイント、ポリライン、およびポリゴン フィーチャです。 | 制約 |
検証 | |||
フィルター | いいえ | [比較するフィーチャ] パラメーターで指定されたデータ ソースからルールに含めるフィーチャを特定するクエリ。 | 検証 |
空間リレーションシップ |
はい | 評価される空間リレーションシップ。 空間リレーションシップには、次のようなタイプがあります。
| 制約 |
検証 | |||
DE-9IM 文字列 | 条件 | このパラメーターは、[空間リレーションシップ] パラメーターが [DE-9IM] に設定されている場合に必須です。 | 制約 |
検証 | |||
水平検索距離 |
いいえ | 空間リレーションシップの決定に使用する水平方向のバッファー距離。 このパラメーターは、[空間リレーションシップ] パラメーターが [交差する] に設定された場合にのみ使用できます。 | 制約 |
検証 | |||
Z の評価 | いいえ | このオプションは、空間リレーションシップが Z および X と Y で適用される場合に、評価対象の 2 つのフィーチャを比較して Z 値を評価します。 このパラメーターは、現在、空間リレーションシップとジオメトリ タイプの特定の組み合わせで使用できます。 利用可能な構成に関するガイダンスについては、「Z の評価パラメーターでサポートされている空間リレーションシップとジオメトリ タイプ」セクションをご参照ください。 注意:[Z の評価] が有効になっている [フィーチャ間] ルールに関与しているすべてのフィーチャクラスで鉛直座標系が同じである必要があります。 | 検証 |
垂直検索距離 | 条件 | 2 つのフィーチャ間で Z 値の完全一致が不要になるように、フィーチャの上下の垂直検索距離を評価する [Z の評価] のサブパラメーター。 このオプションは、[Z の評価] チェックボックスがオンの場合のみ有効になります。 | 検証 |
属性リレーションシップ | いいえ | 空間リレーションシップを評価した後に、このオプションは、属性値の比較を検証に含めることができるようにします。 たとえば、このオプションを使用すると、共通の属性値を共有する交差しているフィーチャを識別することができます。 | 検証 |
リレーションシップの反転 |
いいえ | このオプションによって、リレーションシップが評価された後、その結果をそのまま使用するか、反転して使用するかが決まります。 たとえば、このオプションを使用すると、交差していないフィーチャまたは別のフィーチャから定義された距離内にはないフィーチャを識別することができます。
| 制約 |
検証 | |||
トリガー | はい | ルールの有効化をトリガーする編集イベント。
| 制約 |
名前 |
はい | ルールに一意のタイトルまたは名前。 この情報は、データ品質要件のトレーサビリティ、自動レポート、および修正ワークフローのサポートに使用されます。 | 制約 |
検証 | |||
説明 |
いいえ | 非準拠フィーチャが検出されたときに定義するエラーの説明。 この情報は、修正ワークフローのガイダンスを提供するために使用されます。 | 制約 |
検証 | |||
重要度 |
いいえ | 非準拠フィーチャが検出された時点で割り当てられるエラーの重要度。 この値は、他のエラーに対するこのエラーの重要度を示します。 値の範囲は 1 ~ 5 で、1 は最高優先順位を示し、5 は最低優先順位を示します。 | 検証 |
タグ |
いいえ | ルールのタグ プロパティ。 この情報は、データ品質要件のトレーサビリティとレポートをサポートするためのルール作成および管理ワークフローで使用されます。 | 制約 |
検証 |
データ チェックの実行の構文
パラメーター | 必須 | 説明 |
---|---|---|
入力フィーチャ | はい | ルールによって評価される入力フィーチャ レイヤー。 |
属性 | いいえ | ルールの適用先となるフィーチャを特定するクエリ。 |
比較するフィーチャ | はい | 入力フィーチャは、このデータ ソースのフィーチャへのリレーションシップに基づいて、エラーとして返されます。 |
フィルター | いいえ | [比較するフィーチャ] パラメーターで指定されたデータ ソースからルールに含めるフィーチャを特定するクエリ。 |
空間リレーションシップ | はい | 評価される空間リレーションシップ。 空間リレーションシップには、次のようなタイプがあります。
|
DE-9IM 文字列 | 条件 | このパラメーターは、[空間リレーションシップ] パラメーターが [DE-9IM] に設定されている場合に必須です。 |
属性リレーションシップ | いいえ | 空間リレーションシップを評価した後に、このオプションは、属性値の比較を検証に含めることができるようにします。 たとえば、このオプションを使用すると、共通の属性値を共有する交差しているフィーチャを識別することができます。 |
リレーションシップの反転 | いいえ | このオプションによって、リレーションシップが評価された後、その結果をそのまま使用するか、反転して使用するかが決まります。 たとえば、このオプションを使用すると、交差していないフィーチャまたは別のフィーチャから定義された距離内にはないフィーチャを識別することができます。
|
名前 | いいえ | ルールに一意のタイトルまたは名前。 この情報は、データ品質要件のトレーサビリティ、自動レポート、および修正ワークフローのサポートに使用されます。 |
表示範囲 | いいえ | マップの表示範囲を評価します。 |
全体表示 | いいえ | データの全範囲を評価します。 |
Z の評価パラメーターでサポートされている空間リレーションシップとジオメトリ タイプ
フィーチャクラス 1 | 空間リレーションシップ | フィーチャクラス 2 (比較するフィーチャ) |
---|---|---|
ポイント | 接する | ライン |
ポイント | 交差する | ライン |
ライン | 接する | ポイント |
ライン | 交差する | ポイント |
ライン | 接する | ライン |
ライン | 含まれる | ライン |
ライン | 交差する | ライン |
ライン | 横切る | ライン |
ライン | 重複する | ライン |
ポリゴン | 含まれる | ポリゴン |
ポリゴン | 交差する | ポリゴン |
ポリゴン | 交差する | ポイント |
ポイント | 交差する | ポリゴン |
ライン | 含まれる | ポリゴン |
備考
チェックを使用する際には、次の点に留意してください。
- 入力フィーチャおよび [比較するフィーチャ] パラメーターのデータ ソースは、共通の測地基準を共有する必要があります。
- このチェックが属性 (制約) ルールとして作成される場合、地理座標系に基づくデータセットのサポートは、Web メルカトル (WKID 3857) または WGS84 (WKID 4326) を使用するデータセットに限られます。
- このチェックが属性 (検証) ルールとして作成される場合は、次の条件が適用されます。
- [比較するフィーチャ] パラメーターのデータ ソースには Global ID フィールドを含める必要があります。
- [比較するフィーチャ] パラメーターに含まれている入力フィーチャとデータ ソースの Validation Status 属性値は評価中に無視されます。 たとえば、ルール評価時には、検証のステータスが [0 (計算不要、検証不要、エラーなし)]、[1 (計算不要、検証必要、エラーあり)]、[4 (計算必要、検証不要、エラーなし)]、または [5 (計算必要、検証不要、エラーあり)] の入力フィーチャが引き続き含まれます。
- [属性] および [フィルター] パラメーターには、比較演算子 (=、<>、>、<、>=、<=) および論理演算子 (AND/OR、IN/NOT IN、LIKE/NOT LIKE、IS NULL) のみを使用できます。
- マップまたはプロジェクトのパッケージを作成する場合、および [検証] 機能を有効化して Web レイヤーを共有する場合は、[比較するフィーチャ] パラメーターのデータ ソースを含めます。
- [検索距離] パラメーターとともに [交差する] 空間リレーションシップを使ってこのチェックを構成すると、エラー ジオメトリではなくフィーチャのジオメトリが返されます。
- [属性]、[比較するフィーチャ]、および [属性リレーションシップ] フィルター パラメーターでは、フィールド タイプとして、Big Integer、Date Only、Time Only、Timestamp Offset を使用できません。
- [Z の評価] チェックボックスがオンの場合、DE-9IM はサポートされません。
- [Z の評価] パラメーターは、データ チェックの実行では使用できません。