ボクセル レイヤーは、3D による体積のビジュアライゼーションで多次元の空間情報と時間情報を表します。 たとえば、大気データや海洋データ、地質地下モデル、または時空間キューブをボクセル レイヤーとして視覚化します。 世界に関する数値データにアクセスすることで、精度の高い解析を実施でき、物理的には体験できない状況の理解を深めることができます。 ボクセル レイヤーを使用すると、他のコンテンツとの空間リレーションシップを探索できます。 たとえば、ボクセル レイヤーとして視覚化された地下モデルを、エリアで計画されているボーリング穴または建設と一緒に表示できます。
ボクセル レイヤー機能
ボクセル レイヤーは ArcGIS Pro の「netCDF ファイル」に格納されている数値データに基づいています。 「Geostatistical レイヤー」から netCDF ファイルを作成したり、フィッシュネットに集約されたデータまたは他のソースのデータで「時空間キューブ」を使用したりすることもできます。 ボクセル レイヤー作成の詳細なワークフローについては、「ボクセル レイヤーの作成」をご参照ください。
ローカル シーンに「ボクセル レイヤーを追加する」ときに、デフォルトで描画される変数、使用可能にする変数、データが連続データまたは不連続データを表すかどうかを選択できます。 ボクセル レイヤーには複数の変数を含めることができます。 特定のボクセル キューブの変数を特定できます。 ポップアップを構成して、ポップアップに表示する変数を定義できます。
注意:
レイヤーのデータ ソースが netCDF で、レイヤーの [パフォーマンスの最適化] が無効化されている場合、ポップアップには現在の変数の値のみが表示されます。
3D 数値情報を探索するときは、データが歪んでいないことが重要です。 したがって、ボクセル レイヤーを追加できるのは、座標系が同じローカル シーンのみです。 ボクセル レイヤーをグローバル シーンまたはマップに追加すると、そのボクセル レイヤーは [コンテンツ] ウィンドウで利用できず、描画されません。 マップまたはシーンの 2D レイヤーに多次元データを表示するには、多次元ラスター レイヤーを使用します。
多くの場合、ボクセル レイヤーは広いエリアをカバーします。 さまざまな機能を使用して、ボクセル レイヤーを詳細に探索できます。 ボクセル レイヤーはボリュームまたはサーフェスとして視覚化できます。 「スライス」を使用して対象地域を定義し、データセット全体ではなく特定のエリアのボリュームを表示できます。
ボクセル レイヤーのサーフェスを探索できます。 「セクション」を作成して、ボクセル レイヤーの構造を理解することができます。 たとえば、断面図を作成して、新規の建設が予定されている場所の地下モデルを探索できます。 ボクセル レイヤーは、他の GIS コンテンツと一緒に表示できます。 たとえば、建設領域に対する地下モデルの影響を表示するには、地層の厚さを測定するか、ボーリング穴と一緒に地下モデルを表示します。
変数が連続しているとき、「等値面」として表される特定の値に沿ってサーフェスを作成できます。 セクションと等値面を一緒に表示できます。 たとえば、「断面」図または、定量的データの場合は等値面を作成してボクセル レイヤーを探索できます。
個々のボクセル キューブの変数に記録された情報を比較できます。 変数をまとめて探索するには、セクションをロックして、変数のスナップショットを作成し、それを別の変数の等値面と一緒に検証します。 たとえば、水温と酸素濃度の関係を調査できます。 温度断面図を示すロック済みセクションを作成し、さまざまな酸素濃度の断面図を作成して、2 つの変数の空間リレーションシップを表示します。
ボクセル レイヤーは各変数の時間情報を含めることができ、時間経過に伴うボクセル レイヤーを視覚化できます。 時間ベースの「アニメーション」を作成して、ビデオとして共有できます。
照明オプション (シーンの「光源」やボクセル レイヤーの「照明」オプションなど) を使用して見た目を変えることができます。 「ボクセル レイヤーを追加する」とき、時間を有効化できます。 ボリューム、サーフェス、またはセクションとして表される個別のボクセル キューブを特定して、現在の変数の値、単位、およびタイム スタンプを取得できます。 ボクセル レイヤーを持つシーンを「レイアウト」に追加して、共有するか、シーンをファイルに直接エクスポートできます。 凡例項目の数は、表示する変数および、ボクセル レイヤー内に他の変数からの追加のロック済み変数があるかどうかによって変わります。
ボクセル レイヤーの構造
ボクセル レイヤーは、1 つ以上の変数を格納する等間隔グリッド次元キューブで構成されます。
ボクセル レイヤーはさまざまなディメンションを表すことができます。
- X、Y、Z。各ディメンションが地理座標を表します。
- X、Y、Level。X と Y は地理座標を表し、Level は等圧などの値を表します。
- X、Y、T。X と Y は地理座標を表し、T は時間をレベルとして表します。 このタイプのディメンションの例としては、「時空間キューブ」があります。
- X、Y、Z、T。各ディメンションは地理座標を表し、「時間」を表す 4 つ目のディメンションが含まれます。
ボクセル レイヤー内のキューブの間隔は同じである必要がありますが、異なる軸間では変えることができます。 たとえば、X が 100 メートル、Y が 50 メートル、Z が 50 センチメートルなどです。 ディメンションは異なることができますが、同じ感覚でなければなりません。 ボクセル レイヤー内の各キューブには、ボクセル キューブに値を表す 1 つ以上の変数があります。 たとえば、ボクセル レイヤーには、ボクセル キューブごとに定義された塩分濃度と温度の変数が含まれることがあります。 変数は、定量的な連続データまたは定性的な不連続データを表すことができます。 温度データは連続データとして表されます。 地下モデルのリソグラフィ クラスなどのその他のデータは不連続データです。 一部の変数は、表示されない空のボクセル キューブをサポートしています。
ディメンションと変数に加えて、ボクセル レイヤーには時間情報も含めることができます。 ボクセル レイヤーは「時間対応」です。 特殊なケースは、ボクセル キューブが時間別に垂直に積み上げられる「時空間キューブ」です。
ハードウェア要件
ボクセル レイヤーは、レイ キャスティングなどの高度なレンダリング技術を使用して高性能の 3D ビジュアライゼーションを作成します。 「ArcGIS Pro のシステム要件」を確認して、お使いのコンピューターがグラフィックス カード メモリの要件を満たし、グラフィックス ドライバーを最新であることを確認してください。 3D レンダリングの速度または品質を改善するために、「表示オプション」を変更して、グラフィックス カード メモリの搭載量が少ないコンピューター上にボクセル レイヤーを表示できます。 これにより、低解像度でボリュームを表示できますが、高品質でセクションを表示できます。