フィールド演算 (Calculate Field) (GeoAnalytics)

サマリー

計算フィールドの値でレイヤーを作成します。

レガシー:

ArcGIS GeoAnalytics Server エクステンションは ArcGIS Enterprise で廃止されます。 GeoAnalytics Server最終リリースArcGIS Enterprise 11.3 に含まれています。 このジオプロセシング ツールは ArcGIS Enterprise 11.3 以前のバージョンで使用できます。

使用法

  • このジオプロセシング ツールは ArcGIS Enterprise 10.6 以降で使用できます。

  • [フィールド演算 (Calculate Field)] は、テーブル、ポイント、ライン、またはポリゴン フィーチャで実行されます。

  • [フィールド演算 (Calculate Field)] ツールを使用すると、必ずレイヤーが作成されます。 入力は変更されません。 一度に 1 つのフィールドの値のみを計算できます。

  • 既存のフィールドや、一意のフィールド名を作成して追加した新しいフィールドの値を計算することができます。

  • 式は、Arcade 式を使用して作成されます。

    フィールド演算における GeoAnalytics Server Arcade 式の詳細。

  • Arcade 式はトラッキング対応にすることができます。 トラッキング対応の式では、データが時間対応かつ時間のタイプが瞬間を示し、トラッキング フィールドを指定する必要があります。 トラッキング対応の式の作成に関する詳細については、「トラッキング対応の例」をご参照ください。

  • トラッキング対応の計算を含めるには、以下を実行する必要があります。

    • 時間対応かつ時間のタイプが瞬間を示すレイヤーを使用します。
    • [トラッキング対応] チェックボックスをオンにします。
    • トラッキングの識別に使用するフィールドを選択します。

  • トラッキングは、1 つ以上のトラッキング フィールドの一意の組み合わせで表されます。 たとえば、flightID フィールドと Destination フィールドがトラッキング識別子として使用される場合、フィーチャ [ID007]、[Solden] および [ID007]、[Tokyo] は 2 つの個別トラッキングになります。Destination フィールドの値が異なるからです。

  • 時間間隔の境界を適用すると、指定間隔でトラッキングがセグメント化されます。 たとえば、時間間隔の境界を 1 日に設定し、1990 年 1 月 1 日午前 9 時から開始した場合、各トラッキングは毎日午前 9 時に切詰められ、このセグメントの範囲内で解析されます。 この分割を使用すると、解析のためのトラッキングを短縮できるため、計算時間を高速化できます。 時間間隔の境界の繰り返しによる分割が解析で有効な場合は、ビッグ データ処理にこの方法を使用することをお勧めします。 時間の境界を設定するには、解析がトラッキング対応である必要があります。

  • 出力には、計算済みのフィールドに加え、以下の新しいフィールド タイプを含めることができます。

    • ObjectID
    • GlobalID - 結果を時空間データ ストアに保存する場合。
    • datetime — 結果が時間対応の場合。 新しいフィールドは、時間タイプが瞬間の場合は instant_datetime、時間タイプが間隔の場合は start_datetimeend_datetime です。

  • 次の 1 つまたは複数の操作を実行して、[フィールド演算 (Calculate Field)] ツールのパフォーマンスを向上させることができます。

    • 対象データのみが解析されるように、範囲環境を設定します。
    • トラッキングを使用している場合は、[時間境界分割] パラメーターを使用してトラッキングを分割します。
    • 式にトラッキング式が含まれる場合のみ、[トラッキング対応] を選択します。
    • 解析が実行されているロケーションに対してローカルなデータを使用します。

  • ジオプロセシング ツールは、ArcGIS GeoAnalytics Server を活用しています。 解析は GeoAnalytics Server で実行され、結果は ArcGIS Enterprise のコンテンツに保存されます。

  • GeoAnalytics Server ツールを実行する場合、解析は GeoAnalytics Server で実行されます。 最適なパフォーマンスを得るためには、ArcGIS Enterprise ポータルでホストされているフィーチャ レイヤーかビッグ データ ファイル共有を通じて、GeoAnalytics Server にデータを提供する必要があります。 GeoAnalytics Server のローカルにないデータは、解析が開始する前に GeoAnalytics Server に移動されます。 つまり、ツールを実行する時間が長くなり、場合によっては ArcGIS Pro から GeoAnalytics Server にデータを移動できないこともあります。 エラーの閾値はネットワークの速度や、データのサイズや複雑さに左右されます。 データを必ず共有するか、ビッグ データ ファイル共有を作成することをおすすめします。

    データをポータルで共有する方法の詳細

    ArcGIS Server Manager を使用してビッグ データ ファイル共有を作成する方法の詳細

  • 次のツールを使用して、類似の解析を実行することもできます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
入力レイヤー

フィールド演算を実行する入力フィーチャ。

Record Set
出力名

出力フィーチャ サービスの名前。

String
フィールド名

値を計算するフィールドの名前。 既存のフィールドでも新しいフィールド名でもかまいません。

String
フィールド タイプ

計算フィールドのフィールド タイプを指定します。

  • String任意の文字列
  • Integer整数
  • Double分数
  • Date日付
String

フィールドの値を計算します。 式は Arcade で記述され、[+ - * / ] 演算子と複数のフィールドを含めることができます。 地理座標系を使用していない限り、計算される値は入力の空間参照の単位で適用されます。地理座標系を使用している場合の単位は m です。

レイヤーをマップに追加する場合、[フィールド] および [ヘルパー] フィルターを使って式を組み立てることができます。

Calculator Expression
トラッキング対応
(オプション)

式が、トラッキング対応の式を使用するかどうかを指定します。

  • オン - 式ではトラッキング対応の式を使用するため、トラッキング フィールドを指定する必要があります。
  • オフ - 式ではトラッキング対応の式を使用しません。 これがデフォルトです。

Boolean
トラッキング フィールド

一意のトラッキングを識別するために使用される 1 つ以上のフィールド。

Field
データ ストア
(オプション)

出力が格納される ArcGIS Data Store を指定します。 ビッグ データ ストアに格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。 リレーショナル データ ストアに格納された結果は、それらの座標系を維持します。

  • ビッグ データ ストア出力がビッグ データ ストアに格納されます。 これがデフォルトです。
  • リレーショナル データ ストア出力がリレーショナル データ ストアに格納されます。
String
時間境界の分割
(オプション)

入力データを解析用に分割する期間。 時間境界により、指定期間内の値を解析できます。 たとえば、時間境界を 1 日とした場合、1980 年 1 月 1 日から開始され、トラッキングは 1 日の開始時ごとに分割されます。 このパラメーターは ArcGIS Enterprise 10.7 以降のライセンスでのみ利用可能です。

Time Unit
時間境界の基準
(オプション)

入力データを解析用に分割する際に使用される基準時間。 時間境界は、データの全期間に対して作成されます。基準時間は最初から作成する必要はありません。 基準時間を指定しないと、1970 年 1 月 1 日が使用されます。 このパラメーターは ArcGIS Enterprise 10.7 以降のライセンスでのみ利用可能です。

Date

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
出力テーブル

計算値を含む新しい出力。

Record Set

arcpy.geoanalytics.CalculateField(input_layer, output_name, field_name, field_type, expression, {track_aware}, track_fields, {data_store}, {time_boundary_split}, {time_boundary_reference})
名前説明データ タイプ
input_layer

フィールド演算を実行する入力フィーチャ。

Record Set
output_name

出力フィーチャ サービスの名前。

String
field_name

値を計算するフィールドの名前。 既存のフィールドでも新しいフィールド名でもかまいません。

String
field_type

計算フィールドのフィールド タイプを指定します。

  • STRING新規フィールドは text タイプになります。
  • INTEGER新規フィールドは integer タイプになります。
  • FLOAT新規フィールドは float タイプになります。
  • DATE新規フィールドは date タイプになります。
String
expression

フィールドの値を計算します。 式は Arcade で記述され、演算子と複数のフィールドを含めることができます。 地理座標系を使用していない限り、計算される値は入力の空間参照の単位で適用されます。地理座標系を使用している場合の単位は m です。

Calculator Expression
track_aware
(オプション)

式が、トラッキング対応の式を使用するかどうかを指定します。

  • TRACK_AWARE式ではトラッキング対応の式を使用するため、トラッキング フィールドを指定する必要があります。
  • NOT_TRACK_AWARE式ではトラッキング対応の式を使用しません。 これがデフォルトです。
Boolean
track_fields
[track_fields,...]

一意のトラッキングを識別するために使用される 1 つ以上のフィールド。

Field
data_store
(オプション)

出力が格納される ArcGIS Data Store を指定します。 ビッグ データ ストアに格納されたすべての結果は、WGS84 で保存されます。 リレーショナル データ ストアに格納された結果は、それらの座標系を維持します。

  • SPATIOTEMPORAL_DATA_STORE出力がビッグ データ ストアに格納されます。 これがデフォルトです。
  • RELATIONAL_DATA_STORE出力がリレーショナル データ ストアに格納されます。
String
time_boundary_split
(オプション)

入力データを解析用に分割する期間。 時間境界により、指定期間内の値を解析できます。 たとえば、時間境界を 1 日とした場合、1980 年 1 月 1 日から開始され、トラッキングは 1 日の開始時ごとに分割されます。 このパラメーターは ArcGIS Enterprise 10.7 以降のライセンスでのみ利用可能です。

Time Unit
time_boundary_reference
(オプション)

入力データを解析用に分割する際に使用される基準時間。 時間境界は、データの全期間に対して作成されます。基準時間は最初から作成する必要はありません。 基準時間を指定しないと、1970 年 1 月 1 日が使用されます。 このパラメーターは ArcGIS Enterprise 10.7 以降のライセンスでのみ利用可能です。

Date

派生した出力

名前説明データ タイプ
output_table

計算値を含む新しい出力。

Record Set

コードのサンプル

Calculate Field の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python ウィンドウ スクリプトは、CalculateField 関数の使用方法を示しています。

# Name: CalculateField.py
# Description: Calculate the mean of the 3 most recent speed measurements in hurricane tracks

# Requirements: ArcGIS GeoAnalytics Server

# Import system modules
import arcpy

# Set local variables
inFeatures = "https://example.arcgis.com/arcgis/rest/services/Hurricanes/FeatureServer/0"
newField = "MeanSpeed3"
outFS = "HurricaneTracks_Mean"
trackIdentifier = "Name"
calcExpression = "Average($track.field['WINDSPEED'].history(-3))"

# Run Reconstruct Tracks
arcpy.geoanalytics.CalculateField(inFeatures, outFS, newField, "Double", 
                                  calcExpression, True, trackIdentifier)

環境

特殊なケース

出力座標系

解析で使用される座標系。 このパラメーターで指定されない限り、入力の座標系で解析が行われます。 GeoAnalytics Tools の場合、最終結果は WGS84 のビッグ データ ストアに保存されます。

ライセンス情報

  • Basic: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
  • Standard: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server
  • Advanced: 次のものが必要 ArcGIS GeoAnalytics Server

関連トピック