ユーティリティー ネットワークのトレース操作では、トレースの開始位置を定義するために、1 つ以上の始点を使用する必要があります。 停止点を使用してパスの終了を指定することも、ネットワーク上でトレースが移動できる限界の位置を示すバリアを作成することもできます。 始点、停止点、バリアは総称してトレース位置とも呼ばれます。 詳細については、「ユーティリティー ネットワークのトレース」、「始点」、「停止点」、「バリア」、「トレース結果」をご参照ください。
[トレース] ウィンドウでは、トレース位置として機能する始点、停止点、バリアを指定するための 3 つのタブを使用できます。 [フィーチャの追加] オプション
を使用してマップ上のネットワーク フィーチャを手動で選択するか、[選択の追加] オプション
をクリックし、マップまたは属性テーブルの選択済みネットワーク フィーチャをトレース位置として設定できます。 始点、停止点、バリアは、それぞれ UN_Temp_Starting_Points、UN_Temp_Stopping_Points、UN_Temp_Barriers フィーチャクラスを使用して、これらのフィーチャをプロジェクトのデフォルト ジオデータベースに格納します。

要件
始点、停止点、バリアを設定するには、次の要件が満たされている必要があります。
- これらの位置が、ユーティリティー ネットワーク フィーチャを使用している。
- ネットワーク トポロジーが、有効化されている必要があります。
トレース ウィンドウによる始点、停止点、バリアの設定
[トレース] ウィンドウで、次のいずれかの方法により、始点、停止点、バリアを設定します。
- マップ ビューで手動で選択することでフィーチャを追加する。
- 「マップ ビューまたは属性テーブルから」選択したフィーチャまたはオブジェクトを追加します。
また、トレース位置の追加ツールを使用して、ネットワーク フィーチャを操作するときのトレース位置を定義することもできます。 このツールを使用すると、特定のフィーチャまたはオブジェクトを選択し、スクリプトまたはモデル内で繰り返されるトレース操作での一貫性のある一連のトレース位置としてフィーチャクラスにエクスポートすることができます。 または、ユーザー定義されたフィーチャクラスまたはテーブルを使用して、特定の要件を満たす始点、停止点、バリアを指定できます。 詳細については、「始点」、「停止点」、「バリア」をご参照ください。
注意:
ユーティリティー ネットワーク内のライン (エッジ要素) は、始点、停止点、バリアをそれぞれ 1 つだけサポートしています。 1 つのネットワーク エッジ要素に対して各タイプのトレース位置が複数指定された場合、追加された最後の始点、停止点、バリアのみが適用され、他はすべて無視されます。
マップ ビューで手動で選択することでフィーチャを追加する
マップ内でネットワーク フィーチャを手動で選択し、それらを始点、停止点、バリアとして設定できます。 トレース位置として設定したいフィーチャがマップ内で選択されていない場合には、次の手順を実行します。 このワークフローでは、[トレース] ウィンドウの [開始]、[停止]、[バリア] タブのデフォルト設定を使用し、[自動的に適用] はオンのままです。
- [ユーティリティー ネットワーク] タブの [ツール] グループで、[トレース] をクリックして [トレース] ウィンドウを開きます。
ウィンドウのアクティブなタブを、[開始]
、[停止]
、[バリア]
のいずれかに設定できます。 - [トレース] ウィンドウで、[開始]、[停止]、[バリア] のいずれかのタブがアクティブなことを確認します。
- [トレース] ウィンドウで、[自動的に適用] がオンであることを確認します。
- [フィーチャの追加] オプション
をアクティブにして、マップ上のネットワーク フィーチャをクリックします。トレース位置は、任意のネットワーク フィーチャ、すなわちポイント フィーチャ、ポイント フィーチャ上の特定のターミナル、ライン フィーチャに沿った任意の場所、およびポリゴン フィーチャに配置できます。- クリックした位置に、始点を表す緑色の円が表示されます。
- クリックした位置に、停止点を表す赤い八角形が表示されます。
- クリックした位置に、バリアを表す赤色の X が表示されます。
フィーチャは [トレース] ウィンドウに追加され、トレースで使用できるようになります。 [バリア] タブで、各バリアの [フィルター バリア] チェックボックスが表示されます。 バリアをフィルター バリアとするには、このボックスをオンにします。 詳細については、「フィーチャ バリア」をご参照ください。
トレース位置の操作の詳細については、以下の「トレース ウィンドウでのフィーチャの操作」セクションをご参照ください。
マップ ビューまたは属性テーブルから選択したフィーチャまたはオブジェクトを追加
マップまたは属性テーブル内で選択されたネットワーク フィーチャを、始点、停止点、またはバリアとして設定できます。 次の手順を実行して、マップで選択されたネットワーク フィーチャを使用してトレース位置を設定するか、トレース位置としての役割を果たす選択済みの非空間ジャンクションまたはエッジ オブジェクトを追加します。 このワークフローでは、[トレース] ウィンドウの [自動的に適用] をオフにした状態で、[開始]、[停止]、[バリア] タブを使用します。
- 始点またはバリアとして使用する、マップまたは属性テーブル上のネットワーク フィーチャを 1 つ以上選択します。
- [ユーティリティー ネットワーク] タブの [ツール] グループで、[トレース] をクリックして [トレース] ウィンドウを開きます。
ヒント:
[トレース] ドロップダウン矢印
を使用し、このウィンドウのアクティブなタブを [開始]
、[停止]
、[バリア]
のいずれかに設定します。 - [トレース] ウィンドウで、[開始]、[停止]、[バリア] のいずれかのタブがアクティブなことを確認します。
- [トレース] ウィンドウで、[自動的に適用] チェックボックスがオフになっていることを確認します。
- [トレース] ウィンドウの [開始]、[停止]、[バリア] のいずれかのタブで、[選択の追加] をクリックします。
選択したネットワーク フィーチャが、コミットされていないことを示すアスタリスク付きで、[トレース] ウィンドウの [開始]、[停止]、[バリア] のいずれかのタブに追加されます。
トレース位置がマップまたは属性テーブル上の選択された空間フィーチャから追加された場合の処理は次のとおりです。- クリックした位置に、始点を表すグレーの円が表示されます。
- クリックした位置に、停止点を表す赤い八角形が表示されます。
- クリックした位置に、バリアを表すグレーの X が表示されます。
ターミナルがあるデバイスまたはジャンクション オブジェクトを渡す場合は、[ターミナル] ドロップダウン リストを使用して、正しいターミナルを始点、停止点、またはバリアとして設定します。
ユニット識別子 (ユニット ID) を持つ通信ドメイン ネットワーク内で、グループ化されたオブジェクトにトレース位置を定義すると、トレースできるすべてのユニット ID が [トレース] ウィンドウに読み込まれます。 [最初のユニット] 値と [ユニット数] 値を変更すると、位置が適用されるユニットを制限できます。 エッジ オブジェクトに配色が適用されている場合、[最初のユニット] 値を選択するときにドロップダウン リストに表示されます。

- [適用] をクリックします。
マップのグレーのアイコンが、始点なら緑色、停止点やバリアなら赤色に変化し、トレースで使用できることを示します。 一時フィーチャクラス (始点なら UN_Temp_Starting_Points、停止点なら UN_Temp_Stopping_Points、バリアなら UN_Temp_Barriers) が、プロジェクトのホーム ジオデータベースに作成されます。
フィーチャは [トレース] ウィンドウの [開始]、[停止]、[バリア] のいずれかのタブに追加され、トレースで使用できるようになります。
トレース ウィンドウでのフィーチャの操作
フィーチャがトレース位置として追加されるとき、[トレース] ウィンドウにも追加されます。 これらのフィーチャを直接操作して、次のタスクを実行できます。
- 追加のトレース位置を配置するには、[フィーチャの追加] を使用してマップのネットワーク フィーチャを選択するか、[選択の追加] を使用してマップまたは属性テーブル上の選択済みフィーチャを読み込みます。
- 既存のトレース位置を削除するには、各フィーチャの横にある削除ボタン
をクリックするか、[すべて消去]
をクリックして、[開始]、[停止]、[バリア] タブに設定されたすべてのフィーチャを削除します。 [トレース] コマンド
では [すべて消去] コマンド
が表示され、トレース位置として設定されたすべてのフィーチャを消去できます。 また、[指定構成] タブのアクティブな指定トレース構成の選択も解除されます。 - [バリア] タブに、各バリアに対してオプションの [フィルター バリア] チェックボックスが表示されます。 バリアをフィルター バリアとするには、このボックスをオンにします。 詳細については、「フィーチャ バリア」をご参照ください。
- マップ ビューでフィーチャを操作するには、右クリックして次のオプションから選択します。
- フラッシュ

- ズーム

- 画面移動

- ポップアップ

- 選択

- 選択解除

- フラッシュ
- ウィンドウ内の非空間フィーチャを操作するには、右クリックして、次のオプションから選択します。
- ポップアップ

- 選択

- 選択解除

- ポップアップ
トレース オプション
トレース オプションでは、[トレース] ウィンドウにトレース位置を追加する方法を制御できます。 [ネットワーク オプション] ダイアログ ボックスの [トレース] タブでこれらのオプションを設定できます。 これらのオプションにアクセスするには、[ユーティリティー ネットワーク] タブの [ツール] グループの右下にある [トレース オプション] ダイアログ ボックス ランチャー
をクリックします。 [ネットワーク オプション] ダイアログ ボックスの [トレース] タブがアクティブになります。

[同時に追加できる始点とバリアの最大数] パラメーターは、プロンプトなしで同時に作成できるトレース位置の数を指定します。 デフォルト設定は 10 です。 マップでこれ以上の数の位置が選択されているか、選択セットから [トレース] ウィンドウに追加されている場合、選択したトレース位置の数で続行するかどうかを確認するダイアログ ボックスが開きます。