Geostatistical Analyst のライセンスで利用可能。
コクリギングは複数のタイプの変数についての情報を使用します。 主要な関心変数は Z1 であり、Z1 の自己相関および Z1 とその他すべてのタイプの変数の間の相互相関を使用して精度の高い推定を行います。 他の変数の情報を使用して推定を行うのは魅力的ですが、代償が伴います。 コクリギングでは、各変数の自己相関やすべての相互相関の推定など、より多くの推定を行う必要があります。 理論上は、相互相関がない場合には Z1 の自己相関に戻ることができるため、クリギングに劣るものではありませんが、 未知の自己相関パラメーターを推定するたびにばらつきが増えるため、推定精度の向上に見合う程の価値はないかもしれません。
通常コクリギングは以下の 2 つのモデルを仮定します。
Z1(s) = µ1 + ε1(s)
Z2(s) = µ2 + ε2(s)
ここで、µ1 と µ2 は未知定数です。
ランダム誤差には ε1(s) と ε2(s) の 2 つのタイプがあるため、それぞれの自己相関と両者の間の相互相関があります。 通常コクリギングは通常クリギングと同様に Z1(s0) の推定を試みますが、推定の精度を上げるために共変量 Z2(s) の情報を使用します。 たとえば、以下の図では、通常クリギングで使用されたものと同じデータに、2 つ目の変数が追加されています。
Z1 と Z2 はどちらも自己相関しているように見えます。 さらに、Z1 が平均値 µ1 を下回るときには Z2 が平均値 µ2 を上回ることが多く、逆もまた同様です。 したがって、Z1 と Z2 には負の相互相関があるように見えます。 この例では、各位置 s に Z1(s) と Z2(s) がありますが、これは必ずしも必要ではなく、各変数タイプが独自の位置セットを持つことができます。 主要な関心変数は Z1 であり、自己相関と相互相関を使用して精度の高い推定を行います。
コクリギングのその他の方法である普遍コクリギング、単純コクリギング、指標コクリギング、確率コクリギング、分離コクリギングは、複数のデータセットがあるケースに前述の方法を一般化したものです。 たとえば、指標コクリギングを実装するには、データに複数の閾値を使用し、各閾値に基づく 2 値データを使用して主関心変数の閾値を推定します。 このように、これは確率クリギングとよく似ていますが、外れ値やその他の異常データの影響は受けにくくなっています。
通常コクリギング、単純コクリギング、普遍コクリギングを実行する場合、セミバリオグラムまたは共分散 (自己相関を表す数学形式)、変換、トレンド除去、測定誤差を使用できます。