ダーティ エリアは、検証または修正が必要なネットワークへの編集の位置を追跡するために作成され、ネットワークに変更が加えられたが、それがネットワーク トポロジに反映されていないことを示すインジケーターとしての役割を果たします。 検証を行った範囲内にエラーが存在しなければ、ネットワーク トポロジが検証済みになると、ダーティ エリアは消去されます。
ネットワーク トポロジが有効になると、ダーティ エリアが作成され、編集を追跡できるようになります。 これには、フィーチャの作成、ネットワーク属性に関連付けられたフィールドの修正、関連付けの確立または修正などが含まれます。 これらは、編集ダーティ エリア (修正されたダーティ エリア) と呼ばれ、ネットワーク トポロジ内でまだ更新されていないユーティリティ ネットワークに変更が加えられたことを示します。 ユーティリティ ネットワーク内のフィーチャが規定のルールや制限に違反している場合は、サブネットワークの有効化、検証、更新操作の実行中に、エラーに関連したダーティ エリア (エラー ダーティ エリア) が作成されます。
検証を行い、ネットワーク トポロジを更新し、ダーティ エリアを消去します。 ネットワーク トポロジに反映されていない編集は、トレースまたはネットワーク ダイアグラムなどのネットワーク解析操作で考慮されません。 ネットワーク トポロジが無効になっている場合は、ネットワークの供給エリア範囲全体を対象とした 1 つのダーティ エリアが作成されます。 ネットワーク トポロジをもう一度有効にすると、未処理のすべての編集の検証が行われます。
ダーティ エリアは、編集されたフィーチャの範囲、編集の種類、フィーチャの Global ID、操作を実行した編集者を追跡します。 フィーチャのジオメトリが変更されると、1 つのフィーチャに対して、2 つのダーティ エリアが生成されます。 一方のダーティ エリアは、そのフィーチャの前のジオメトリのエンベロープを表し、もう一方は、そのフィーチャの新しいジオメトリを表します。
ダーティ エリアの作成操作
次のエリアに修正を加えると、編集ダーティ エリアが作成されます。
- ジオメトリ
- アセット グループまたはアセット タイプ フィールド
- ネットワーク属性として定義されるフィールド
- 関連付け
- ターミナル構成情報
次の処理中にエラーが検出されると、エラー ダーティ エリアが作成されます。
- ネットワーク トポロジの有効化
- ネットワーク トポロジの検証
- サブネットワークの更新
ダーティ エリアの表示と管理
ダーティ エリアは、ユーティリティ ネットワークのサブレイヤーとしてアクセスでき、標準シンボル表示ツールを使用して、シンボル表示できます。 ダーティ エリアの表示は、他のレイヤーと同様に、オン/オフを切り替えることができます。 たとえば、ネットワークに編集を加えた後で、ダーティ エリアの表示が不要だと感じたときは、レイヤーをオフにすることができます。 ダーティ エリアは、引き続き作成されますが、マップ上に表示されません。 ダーティ エリア レイヤーの属性に基づき、ダーティ エリアをシンボル化することができます。 たとえば、編集情報の記録フィールドは、特定の編集者が作業を実施したダーティ エリアや、編集が行われた時期を表示する際に役立ちます。
ユーティリティ ネットワーク バージョン 4 以降では、ネットワーク フィーチャに対して、検出されたエラーの特定と操作にも、ダーティ エリアが使用されます。 ユーティリティ ネットワーク内のフィーチャが、規定のルールや制限に違反した場合に、システムで生成されるエラーを表すために、エラー ダーティ エリアが使用されます。 エラーの作成時に、フィーチャのジオメトリを包含するエラー ダーティ エリアが作成されます。
ダーティ エリア サブレイヤーがどのように作成されたかを示すために、Status フィールドのビット エンコード値を使用して、シンボル表示されます。
- 無効
- ダーティ
- エラー
- ダーティとエラー
- サブネットワーク エラー
ステータス値の解釈
Status 属性フィールドは、ダーティ エリアを作成した操作を示します。 属性フィールドに表示される値は、ビット エンコード値に対応する 10 進数を表します。 次の表に、ステータス ビット値とそれが Status フィールドでどのように表されるかについて示します。
ステータス ビット | ステータス フィールド値 | 説明 |
---|---|---|
N/A | 0 | ネットワーク トポロジが無効になっています |
0 | 1 | フィーチャが変更されました (挿入/更新) |
1 | 2 | フィーチャが削除されました |
2 | 4 | 関連付けられたオブジェクトが変更されました |
3 | 8 | フィーチャ エラーが検出されました |
4 | 16 | オブジェクト エラーが検出されました |
5 | 32 | サブネットワーク エラーが検出されました |
たとえば、削除されたフィーチャは、ビット 1 の編集ダーティ エリアで表され、2 (2^1 = 2) の Status として表示されます。 複数の操作がダーティ エリアの作成につながった場合は、これらの値が合計されます。 もう 1 つの例として、対応するジャンクション-エッジ接続性ルールもエッジ-ジャンクション-エッジ接続性ルールも設定されていない状況で、ジャンクションとラインの間に接続性が存在する場合に、フィーチャを検証すると、ビット 3 で表されたエラー ダーティ エリアが作成され、8 (2^3 = 8) の Status として表示されます。 エラーに対処するためにフィーチャを修正すると、そのフィーチャは、エラー ビット 3 と編集ビット 1 で表され、9 (2^3 = 8) + (2^0 = 1) の Status として表示されます。
Status Description フィールドが、ポップアップの式に表示され、ダーティ エリアを作成した操作に関する追加情報が提供されます。 たとえば、Status の値が 9 のレコードは、エラーのあるフィーチャが修正された状況で、Status Description に、1:Inserted/Updated feature, 8:Feature error と表示されます。
ダーティ エリアの検証
ネットワーク トポロジの検証を行うと、マップ上に表示される内容とネットワーク トポロジに存在する内容との整合性が確保されます。 解析操作は、ネットワーク トポロジに基づいているため、ダーティ エリアが存在する場合に、予期しない結果が返されることがあります。 たとえば、トレースのパスがダーティ エリア全体を通過する場合、その結果は、マップ上に表示される内容との整合性が保証されません。 トレース結果にダーティ エリアと交差する結果が含まれないようにするには、[トレース (Trace)] ツール内の一貫性の検証オプションを使用することが重要です。
検証中、編集ダーティ エリア (編集ビット (0、1、2) が含まれているエラー ダーティ エリア) だけが、消去の対象として評価されます。 編集ビットが含まれていないダーティ エリアは、無視されます。
ダーティ エリアのリコンサイルとポスト
バージョンがリコンサイルされると、デフォルト バージョンから、ネットワーク トポロジの現在の状態が継承されます。 その後、ダーティ エリアが作成される理由となった名前付きバージョンで編集されたすべてのフィーチャとオブジェクトで、ダーティ エリアが再作成されます。 リコンサイル時に、バージョンによって継承されたダーティ エリアを検証することで、バージョンでの作業を継続できますが、バージョンが再度リコンサイルされるまでは、ポストすることはできません。 これらのダーティ エリアがポストされると、修正されたフィーチャのトポロジを検証し、デフォルト バージョンで再構築できるようになります。
ユーティリティ ネットワーク バージョン 3 以前のダーティ エリア
ユーティリティ ネットワーク バージョン 3 以前では、ネットワーク トポロジに反映されていない編集を表すためだけに、ダーティ エリアが使用されます。 UpdateType は、編集のタイプによって、ダーティ エリアをシンボル表示する場合に使用できるダーティ エリア テーブル内の属性です。
詳細:
ダーティ エリアの種類は、ダーティ エリア属性テーブル内の UpdateType フィールドで表されます。 このフィールドには、システム指定のコード値ドメインに割り当てられ、ダーティ エリアの生成方法を分類します。 コード値ドメインの値には、挿入、更新、削除、エラーなどがあります。
更新タイプ | ダーティ エリア タイプ |
---|---|
0 | 挿入 |
1 | 更新 |
2 | 削除 |
3 | エラー |