概要
- 視聴時間: 4:50
- このビデオは ArcGIS Pro 2.3 を使用して作成されています。
多くの場合、地理データには重要なテンポラル コンポーネントが含まれています。時系列データ、つまり、さまざまな時点におけるフィーチャと属性に関する情報は、犯罪の発生傾向、外来生物の拡散、交通事故のパターンといった多様な現象を調査するのに役立ちます。
このチュートリアルでは、過去 20 年間にわたるニュージーランドの国際観光事業の変化、すなわち、この国のビジネスに大きな影響を与える変化を視覚化します。オプションとして、視覚化したデータをビデオ ファイルとしてエクスポートし、ソーシャル メディア プラットフォームで共有できるようにします。
- 所要時間: 40 分 (オプションのセクションを含めると 50 分)
- ソフトウェア要件: ArcGIS Pro
プロジェクトを開く
観光は、ニュージーランドの経済にとって急成長を遂げている重要な分野です。現在、観光はこの国の GDP の 6 パーセント以上を占めており、主要産業となっています。観光客はどこからやってくるのか、観光客が訪れるのはニュージーランドのどの部分か、また、観光客はどのくらいの間滞在するかを理解すれば、企画者はホテル、旅行会社、その他のサービスについて適切な場所を選択できるようになります。
このチュートリアルでは、ニュージーランドにおける中国の観光市場の変化を視覚化します。中国は近年、ニュージーランドにとって 2 番目に大きな観光市場になり、今後数年以内には最大の観光収益源としてオーストラリアを超えることが予測されています。ここでは、20 年間にわたるニュージーランドの「International Visitors Survey (外国人観光客調査)」のデータを使用し、この観光客の増加をマッピングします。
- 必要に応じて、ArcGIS Pro を起動してサイン インします。
- 開始ページにある最近使用したプロジェクトの下で、[別のプロジェクトを開く] をクリックします。
メモ:
プロジェクトをすでに開いている場合は、リボン上の [プロジェクト] タブをクリックします。左側にあるメニュー アイテムのリストで [開く] をクリックします。[開く] ページで [ポータル] をクリックし、ページの下部にある [別のプロジェクトを開く] をクリックします。
- [プロジェクトを開く] ダイアログ ボックスで、[ポータル] の下の [ArcGIS Online] をクリックします。
メモ:
代わりに [ArcGIS Enterprise] が表示される場合は、アクティブなポータルを ArcGIS Online に設定するか、ブラウザーからチュートリアル データをダウンロードします。クイックスタート チュートリアルへのアクセス方法の詳細。
- ダイアログ ボックス上部にある [検索] ボックスに、「Visualize temporal data tutorial」と入力して Enter キーを押します。
- 検索結果のリストで、[Visualize temporal data] をクリックし、プロジェクト パッケージを選択します。
メモ:
この名前のプロジェクト パッケージが複数ある場合、[所有者] 列を確認します。所有者の名前が [ArcGISProTutorials] のアイテムを選択します。検索結果が返されない場合は、「クイックスタート チュートリアルへのアクセス」をご参照ください。
- [OK] をクリックします。
プロジェクトが開き、ニュージーランドの地域自治体の境界のマップが表示されます。地域自治体は、ニュージーランドで広域自治体に次ぐ第二レベルの地方政府です。地域自治体は都市または地方行政区分のいずれかを表します。
デフォルトでは、プロジェクト パッケージは <User Documents>\ArcGIS\Packages フォルダーに展開されます。デフォルトの場所は、共有およびダウンロード オプションで変更できます。
プロジェクトへの Excel ワークシートの追加
中国の観光データはプロジェクト パッケージに添付された Excel ファイルにあります。ワークシートをファイルからプロジェクトにテーブルとして追加します。
- リボンの [表示] タブをクリックします。[ウィンドウ] グループで [ウィンドウのリセット] をクリックし、[ジオプロセシング用にウィンドウをリセット] をクリックします。
これにより、[コンテンツ]、[カタログ]、および [ジオプロセシング] ウィンドウが開き、他のウィンドウが閉じられます。
- リボンの [マップ] タブをクリックします。[レイヤー] グループで、[データの追加] をクリックします。
- 参照ダイアログ ボックスで、[プロジェクト] の下の [フォルダー] をクリックし、プロジェクトに関連付けられたフォルダーを選択します。
- ウィンドウの右側で、[Visualize_temporal_data] > [common data] > [userdata] の順に選択します。[ChineseVisitorsByTA.xlsx] をダブルクリックし、[Percent Chinese Tourism by TA$] ワークシートをクリックして選択します。
メモ:
必要な Microsoft ドライバーがインストールされていないというエラー メッセージが表示された場合、詳細とドライバーへのリンクについて、「ArcGIS Pro の Microsoft Excel ファイルの操作」をご参照ください。ドライバーをインストールしたら、参照ダイアログ ボックスの [更新] ボタン をクリックして、ワークシートを表示します。
- [OK] をクリックします。
Excel シートがテーブルとして ArcGIS Pro に追加され、[コンテンツ] ウィンドウに表示されます。
- [コンテンツ] ウィンドウの [スタンドアロン テーブル] の下で、[Percent Chinese Tourism by TA$] を右クリックして [開く] をクリックします。
テーブル内の列ごとに異なる地域自治体のデータが示され、 行ごとに 1997 ~ 2017 の年別のデータが示されています。セル値は中国からの観光客を全外国人観光客に対するパーセントで表しています。NULL 値は、データが欠落しているか、不十分であることを示し、値が 0 であることを示してはいません。
メモ:
Excel ファイル (*.xlsx) はデフォルトで <user documents>\ArcGIS\Packages\Visualize_temporal_data\commondata\userdata フォルダーに格納されています。Excel ファイルの Metadata ワークシートには、修正されているソース データへのリンクおよび詳細情報が含まれています。この修正作業は、クリエイティブ コモンズ ライセンス (表示 4.0 国際) の下でニュージーランド統計局によって再利用の認可を受けているニュージーランド統計局のデータに基づき、そのデータを含んでいます。
- [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
テーブル フィールドの転置
[Percent Chinese Tourism By TA$] テーブルでは、時系列単位 (年) が行、地理単位 (地域自治体) が列になります。別のテーブルでは、行が地理単位、列が時系列単位を示すことがあるかもしれません。いずれの場合も、一意の時空間値が単一列の個別の行に格納されていれば、ArcGIS のテンポラル データは最適に機能します。
このテーブルは、年を表す 21 行と自治体を表す 64 列で構成されています。年と自治体の 1,344 (21 x 64) 通りの一意の組み合わせにそれぞれ対応する行を格納するテーブルを作成する必要があります。この形式にデータを配置するには、[フィールドの転置 (Transpose Fields)] ツールを使用します。
- [ジオプロセシング] ウィンドウの検索ボックスに「Transpose Fields」と入力します。
入力すると、検索結果が返されます。最初の結果として [フィールドの転置 (Transpose Fields)] ツールが表示されます。
- 検索結果のリストで、[フィールドの転置 (Transpose Fields)] をクリックし、ツールを開きます。
- [入力テーブル] で、ドロップダウン矢印をクリックし、[Percent Chinese Tourism By TA$] をクリックします。
- [転置するフィールド] の下で、[フィールド] の横にある [複数追加] ボタンをクリックします。
- ドロップダウン リストの下部にある [すべてのチェックボックスの切り替え] ボタン をクリックし、すべてのフィールドを選択します。リストの最後までスクロールし、[Year] をオフにします。
- ドロップダウン リストの下部で、[追加] をクリックします。
これらのフィールドが出力テーブルの行になります。
- [ジオプロセシング] ウィンドウの下部までスクロールします。[出力テーブル] で、パス全体を削除し、「ChineseTourismTransposed」と入力します。
プロジェクト ジオデータベースへのパスは自動的に元に戻ります。
- [転置されたフィールド] に、「TerritorialAuthority」と入力します。
- [値フィールド] に、「ChinesePercentageOfTotal」と入力します。
メモ:
Transposed フィールドは、地域自治体の名前を保存する出力テーブルの新規フィールドです。Value フィールドは、中国の観光客の割合値を保存する新規フィールドです。これらのフィールドには任意の名前を使用できます。
- [属性フィールド] ドロップダウン矢印 ([複数追加] ボタンではない) をクリックし、[Year] をクリックします。
- [実行] をクリックします。
新しいテーブルが [コンテンツ] ウィンドウに追加されます。テーブルがプロジェクト ジオデータベースに保存されていることを確認します。
- [カタログ] ウィンドウで、[データベース] を展開し、[visualize_temporal_data] ジオデータベースを展開します。
プロジェクト ジオデータベースには、作成したテーブルと、マップ内のレイヤーのソース データセットである 2 つのフィーチャクラスの合計 3 つのアイテムが含まれます。
ヒント:
このテーブルが表示されない場合は、プロジェクト ジオデータベースを右クリックし、[更新] をクリックします。
- [Percent Chinese Tourism by TA$] テーブルを閉じます。
- [コンテンツ] ウィンドウの [スタンドアロン テーブル] の下で、[ChineseTourismTransposed] を右クリックして [開く] をクリックします。
- テーブルをスクロールします。
出力は目的どおりです (年とテリトリーの組み合わせごとに別々の行)。ただし、一部のフィールドのデータ タイプが正しくありません。
- ChinesePercentageOfTotal フィールド見出しの上にポインターを置きます。
このフィールドの値はパーセンテージで表されますが、このフィールドのデータ タイプが [テキスト] になっています。ここでは、小数点を表示する数値フィールドが必要です。フィールドのデータ タイプは変更できないため、新しいフィールドを追加し、そのフィールドに同じ値を入力します。
メモ:
Excel テーブルが ArcGIS Pro で処理されると、数値と NULL 値の組み合わせを含め、混合データ タイプの値を含むフィールドはテキスト フィールドとして出力されます。詳細については、「ArcGIS Pro での Microsoft Excel ファイルの操作」をご参照ください。
- Year フィールド見出しの上にポインターを置きます。
このフィールドのデータ タイプは [Double] です。高精度の小数値を持つ数字をサポートする数値タイプです。時間値を数字 (または、このケースではテキスト) として格納するとテンポラル データを表示できますが、最適な方法は、それらの値を日付フィールドに格納することです。年の値を日付に変換するツールを実行します。
フィールドの追加とそのフィールド値の計算
数値フィールドをテーブルに追加し、現在そのフィールドにテキストとして格納されている観光客のパーセント値を算出します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、必要に応じて [ChineseTourismTransposed] テーブルをクリックして選択します。
- リボンの [テーブル] の下で、[ビュー] タブをクリックします (主要な [表示] タブではなく、ハイライト表示されたコンテキスト タブをクリックします)。
- [フィールド] グループで、[追加] をクリックします。
テーブルのフィールド ビューが開きます。フィールド ビューを使用してテーブル プロパティを操作します。フィールド ビューには、[ChineseTourismTransposed] テーブル内の各フィールドが行として表示されています。各テーブル プロパティは列として表示されています。フィールド ビューの最後の行に、Field という名前の新しいフィールドが追加されています。
- フィールド ビューの最後の行の [フィールド名] 列で、名前 [フィールド] をダブルクリックして編集可能にします。フィールド名を「ChinesePercentage」に変更して Enter キーを押します。
- 同じ行の [データ タイプ] 列で、デフォルト値 [Long] をダブルクリックします。データ タイプのドロップダウン リストで、[Float] をクリックします。
Double と同様に、Float データ タイプでも小数値がサポートされますが、Double ほど格納領域を使用しません。
- リボンの [フィールド] タブの [変更] グループで、[保存] をクリックします。
テーブル プロパティへの変更が保存されます。
- [フィールド: ChineseTourismTransposed] ビューを閉じます。
新しいフィールドが、<NULL> 値を含む [ChineseTourismTransposed] テーブルに表示されます。次に、このフィールドの値を計算します。
ヒント:
テーブルに新しいフィールドが表示されない場合は、テーブルの下部にある [テーブルの更新] ボタン をクリックします。
- テーブルで、ChinesePercentage フィールドの列見出しを右クリックして、[フィールド演算] をクリックします。
[フィールド演算 (Calculate Field)] ウィンドウが開きます。[入力テーブル]、[フィールド名]、および [式の種類] パラメーターは正しく設定されています。
メモ:
便宜上、一部のジオプロセシング ツールはフローティング ウィンドウで開きます。これらのツールも [ジオプロセシング] ウィンドウで開くことができます。
- [フィールド] リストで [ChinesePercentageOfTotal] をダブルクリックします。
フィールド名がフィールドのリストの下の式ボックスに追加されます。完全なフィールド演算は ChinesePercentage = !ChinesePercentageOfTotal! のようになります。(感嘆符は Python 構文です)。
ツールが実行されると、ChinesePercentage フィールドには、ChinesePercentageOfTotal フィールドと同じ値が設定されますが、これらの値はテキストではなく数字です。
- [OK] をクリックします。
ChinesePercentage フィールドに、小数点第 6 位まで表示される数値が入力されます。
- ChinesePercentageOfTotal フィールド (テキスト フィールド) の列見出しをクリックして選択します。選択した見出しを右クリックして、[削除] をクリックします。
- [フィールドの削除] プロンプトで、削除しようとしているフィールドが正しいことを確認します。[はい] をクリックします。
- [保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
Date 形式への時間値の変換
時間値を日付フィールドに配置することをお勧めします。これは、このチュートリアルでは必須ではありませんが、一部の高度な解析操作で必要となります。
- [ジオプロセシング] ウィンドウの [戻る] ボタン をクリックします。
- 検索ボックスに「Convert Time Field」と入力します。
- [時間フィールドの変換 (Convert Time Field)] ツールを開きます。これが最初の検索結果になるはずです。
- [入力テーブル] を [ChineseTourismTransposed] に設定します。
- [入力時間フィールド] を [Year] に設定します。
- [入力時間形式] で、[形式の設定] ボタン をクリックします。[日付形式] のドロップダウン矢印をクリックし、[yyyy] をクリックします。[ロケール] 設定を無視します。
- [出力時間フィールド] では Year_Converted をそのまま使用し、[出力時間タイプ] パラメーターが [Date] に設定されていることを確認します。
- [実行] をクリックします。
新しいフィールドがテーブルに追加され、フィールドに日付が入力されます。
- Year フィールドを削除します。
- [保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
レイヤーへのテーブルの結合
時系列表示を作成するには、マップ内で [ChineseTourismTransposed] スタンドアロン テーブルを [Territorial Authorities] レイヤーに結合する必要があります。結合によって、両方のテーブルを一時的に接続することで、一方のテーブル (通常、スタンドアロン テーブル) の属性を、それらがもう一方のテーブル (通常、レイヤー属性テーブル) に属しているかのように検索またはシンボル表示できるようにします。
結合を実行するには、2 つのテーブルに共通の属性がなければなりません。この例では、[Territorial Authorities] レイヤー属性テーブルと [ChineseTourismTransposed] テーブルには、自治体の名前を含むフィールドがあります。
[Territorial Authorities] テーブル (ターゲット テーブル) には 68 のレコードがあり、[ChineseTourismTransposed] テーブル (結合テーブル) には 1,344 のレコードがあります。ターゲット テーブルの 1 つのレコードが結合テーブルの多数のレコードに一致するため、同じ自治体名を持つすべてのレコードが一致することになります。このような結合を 1 対多の結合と呼びます。結合の詳細
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Territorial Authorities] レイヤーを右クリックして [属性テーブル] をクリックします。
自治体ごとにレコードが 1 つあります。Name フィールドの値は単語間にスペースではなくアンダースコアが使用されていることに注意してください。
- [ChineseTourismTransposed] テーブルをアクティブにします。
TerritorialAuthority フィールドの名前もアンダースコアで区切られています。共通フィールドの名前 (またはエイリアス) は両方のテーブルで同じである必要はありません。ただし、フィールド値は同じ形式で書式設定されている必要があります。
- [ChineseTourismTransposed] テーブルを閉じます。
- [コンテンツ] ウィンドウで [Territorial Authorities] レイヤーを右クリックし、[結合とリレート] をポイントして [結合] を選択します。
[テーブルの結合 (Add Join)] ウィンドウが開きます。
- [テーブルの結合 (Add Join)] ウィンドウで、パラメーターを次のように設定します。
- [入力テーブル] で、[Territorial Authorities] をそのまま使用します。
- [レイヤー、テーブル ビューのキーとなるフィールド] で、[Name] を選択します。
- [結合テーブル] で、[ChineseTourismTransposed] を選択します。
- 必要に応じて、[結合テーブル フィールド] で [TerritorialAuthority] を選択します。
[レイヤー、テーブル ビューのキーとなるフィールド] パラメーターの警告は、結合フィールドのインデックスが構築されていないことを示します。多数のレコードを設定する場合、属性インデックスによりパフォーマンスが向上します。この状況ではインデックスは不要です。
- [OK] をクリックします。
ツールが完了すると、[Territorial Authorities] 属性テーブルが更新されます。[ChineseTourismTransposed] テーブル内の属性がこのテーブルに追加されます。
メモ:
結合テーブルには 1,348 のレコードがあります。レイヤー属性テーブル内の元の 68 のレコードのうち 4 つのレコードが、[ChineseTourismTransposed] テーブルのレコードに一致しませんでした。(元の Excel ワークシートでは 64 の地域自治体が表現されていたことを思い出してください)。これら 4 つの一致しないレコードについては、結合フィールドに NULL 値が割り当てられます。
- テーブルを横にスクロールします。
属性のいくつかは不要です。これらの属性は、削除するのではなく、非表示にします。
- 属性テーブルで、いずれかの列見出しを右クリックし、[フィールド] をクリックしてテーブルのフィールド ビューを開きます。
- [表示] 列で、列見出しにあるチェックボックスをオフにして、このテーブル内のすべてのフィールドの表示設定を無効にします。
- 次のフィールドを表示させる場合は、各フィールドの横にある [表示] チェックボックスをオンにします。
- TA2015_NAME (エイリアス Name を含む)
- ChineseTourismTransposed.ChinesePercentage (エイリアス ChinesePercentage を含む)
- ChineseTourismTransposed.Year_Converted (エイリアス Year_Converted を含む)
メモ:
接頭辞 ChineseTourismTransposed. は、これらのフィールドが結合テーブルから取得されたことを示しています。結合はマップ レイヤーのみに適用され、ソースのフィーチャクラスには適用されません。結合を永続的なものにするには、新しいフィーチャクラスにレイヤーをエクスポートします。
- リボンの [フィールド] タブの [変更] グループで、[保存] をクリックします。
- [フィールド: Territorial Authorities] ビューを閉じます。
Territorial Authorities テーブルには、Name、ChinesePercentage、Year_Convertedの 3 つのフィールドが表示されます。
ヒント:
必要に応じて、テーブル ビューの下部にある [テーブルの更新] ボタン をクリックします。
- テーブルを閉じます。
- [保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
地域自治体のシンボル表示
マップ上で、自治体は個別値によってシンボル表示されます。段階的な配色に切り替え、明るい色相と暗い色相を使用して、中国人観光客の高いパーセント値と低いパーセント値を表現します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Territorial Authorities] レイヤーを右クリックして [シンボル] をクリックします。
[シンボル] ウィンドウが開きます。
- [プライマリ シンボル] の下のドロップダウン矢印をクリックし、[等級色] を選択します。
シンボル表示するフィールドが自動的に ChinesePercentage (唯一使用可能な数値フィールド) に設定されます。
- [配色] ドロップダウン矢印をクリックします。配色のリストの下で、[名前の表示] チェックボックスをオンにします。
- 配色のリストをスクロールします。最後近くにある [黄オレンジ赤 (5 クラス)] をクリックして選択します。
デフォルトでは、データは 5 クラスに分類されています。クラス閾値にはデータ内の値のクラスターが反映されます (自然分類) が、これらの値を使用した場合、マップ ユーザーは直感的にデータを理解できません。そのため、これらのクラス閾値を変更します。
- [シンボル] ウィンドウの下部の [クラス] タブで、次の表に示すとおりに、[上限値] および [ラベル] 列を編集します。セルを 2 回クリックして編集可能にします。編集を確定するには、Tab または Enter キーを押すか、別のセルをクリックします。
上限値 ラベル 2
2% 以下
5
2% ~ 5%
10
5% ~ 10%
20
10% ~ 20%
変更なし
20% 以上
[シンボル] ウィンドウの表示が次のようになります。
マップ上の [Territorial Authorities] レイヤーに新しい配色が反映されます。元のシンボルに透過表示が適用されているため、色がぼやけて見えます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Territorial Authorities] レイヤーが選択されていることを確認します。リボンの [フィーチャ レイヤー] で、[表示設定] タブをクリックします。[効果] グループで、透過表示スライダーを 0% まで移動します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Cities] レイヤーをオフにします。
現時点で、マップ上でシンボル表示されているのは、フィーチャごとに 1 つの値のみです。年ごとのデータの変化を表示するために、レイヤーで時間を有効化します。
- [保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
時間の有効化とデータの視覚化
テンポラル データの表示は、ビデオ プレイヤーに似たタイム スライダーによって制御されます。リボンの [時間] コンテキスト タブでは、テンポラル データを表示するための追加の設定を利用できます。タイム スライダーとリボン タブは、レイヤーの時間プロパティを有効にすると使用可能になります。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Territorial Authorities] レイヤーを右クリックして [プロパティ] をクリックします。
- [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスの左側にあるタブで [時間] をクリックします。
- 時間プロパティの [レイヤーの時間] ドロップダウン矢印をクリックし、[各フィーチャに 1 つの時間フィールドがあります] をクリックします。
[時間フィールド] が自動的に [Year_Converted] に設定され、[時間範囲] がデータの範囲に設定されます。
- [OK] をクリックします。
タイム スライダーがマップ ビューの上部に表示されます。
- タイム スライダーの上にポインターを置くと、そのコントロールが表示されます。
- タイム スライダーの左側の [時間の無効化] ボタン をクリックして、[時間の有効化] ボタン に変換します。
期間が範囲内の最初の値に折りたたまれます。1997 年当時、中国人観光客はどの自治体においても外国人観光客の 2 パーセント以上を占めることはありませんでした。多くの自治体では、その年に関して NULL 値が設定され、それらの場所では、グレーの背景レイヤー シンボルが表示されています。
1 年間隔でデータを再生するようにタイム スライダーを構成します。
- リボンの [マップ] コンテキスト タブで、[時間] タブをクリックします。[スナップ] グループで [時間スナップ] チェックボックスをオンにします。チェックボックスの下の [時間スナップの間隔] ドロップダウン矢印をクリックし、[年] をクリックします。
この設定は、毎年の間隔で取得されたデータの解像度に対応しています。
- [現在の時間] グループで [間隔] 設定を「0」に変更して Enter キーを押します。
これにより、1 年間分のデータのみが一度に表示されることが保証されます。時間の構成の詳細については、「タイム スライダー設定の構成」をご参照ください。
- [再生] グループで、[すべてのステップを再生] ボタン をクリックします。
マップ上でデータが再生され、毎年の中国人観光客のパーセントが表示されます。過去数年間の再生において、特に南島でパーセント値の増加が顕著です。
ヒント:
また、タイム スライダー上の [すべてのステップを再生] ボタン をクリックしてデータを再生することもできます。
- [再生] グループの [再生速度の調整] スライダーを使用して、再生速度を遅くします。もう一度データを再生します。
- [保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
アニメーションの作成とビデオのエクスポート (オプション)
このセクションでは、再生データのアニメーションを作成し、ビデオ ファイルとしてエクスポートします。これを行うと、観光業界の事業主や関係者など、ArcGIS Pro にアクセスできない他の人々と作業を共有することができます。
アニメーションは、ステーションやウェイポイントに似たキーフレームと、キーフレーム間のトランジションで構成されます。[Territorial Authorities] レイヤーの時間プロパティの構成が完了したので、今度は、タイム スライダーのステップ (1 年につき 1 ステップ) をアニメーションにインポートできます。各時間ステップが 1 つのキーフレームになります。
アニメーションの詳細については、「アニメーションの基本」をご参照ください。
- リボンの [表示] タブをクリックします。[アニメーション] グループで、[追加] をクリックします。
現在のマップ用のアニメーションが作成されます。空白の [アニメーション タイムライン] ウィンドウがマップ ビューの下に表示されます。リボンの [マップ] の下に、[アニメーション] コンテキスト タブが表示されます。
アニメーションのキーフレームを作成する前に、正しいマップ範囲にズームしていることを確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Territorial Authorities] レイヤーを右クリックして [レイヤーにズーム] をクリックします。
- 必要に応じて、リボンの [マップ] コンテキスト タブで、[アニメーション] タブをクリックします。[作成] グループの [インポート] ドロップダウン矢印をクリックし、[タイム スライダーのステップ] をクリックします。
[アニメーション タイムライン] ウィンドウに 22 のキーフレームが入力されます。最初のキーフレームは 0 秒 (00:00.000) のアニメーションを表します。後続の各キーフレームは 1 年間のデータに対応します (キーフレームのサムネイル画像が表示されるまでに少し時間がかかることがあります)。
[アニメーション] タブの [再生] グループの [期間] の設定は 1 分 3 秒 (01:03.000) です。スライド移行は 21 回なので、各スライドは 3 秒ずつ表示されることになります。カメラの移動がない (マップに対するビューポイントが変わらない) ため、キーフレーム間の時間はそれほど必要ありません。ビデオの視覚的な効果を高めるために、この期間を短縮します。
- [アニメーション] タブの [再生] グループで、期間の値を「00:21」に置き換えて Enter キーを押します。
[アニメーション タイムライン] ウィンドウのタイム スタンプが調整されます。これで、各トランジションに要する時間が 1 秒間になりました。
アニメーションで、データがどの年を表現しているかを表示すると役立ちます。この表示のためにダイナミック テキストを追加します。ダイナミック テキストは、再生中に更新される情報です。
- [アニメーション タイムライン] ウィンドウで、[キーフレーム ギャラリー] の最初のキーフレームをクリックして選択します。ギャラリーの最後までスクロールし、Shift キーを押しながら最後のキーフレームをクリックします。
次のステップで追加するダイナミック テキストは、選択したすべてのキーフレーム、つまり、アニメーション全体を通して適用されます。
- [アニメーション] タブの [オーバーレイ] グループで、[オーバーレイ] ギャラリーを展開します。
メモ:
ArcGIS Pro ウィンドウのサイズによっては、ギャラリー アイテムではなく、[オーバーレイの追加] ボタン が表示されることがあります。このボタンをクリックすると、ギャラリーが表示されます。
- [オーバーレイ] ギャラリーの [ダイナミック テキスト] で [マップ時間] をクリックします。
ダイナミック テキスト式を含むボックスがマップ ビュー上にオーバーレイとして表示されます。
- ダイナミック テキスト ボックスで、デフォルトの 2 行の条件式を <dyn type="animation" property="startTime" format="yyyy"/> に置き換えます。
この式では、開始時間と終了時間ではなく、1 つの時間ラベルが作成され、そのラベルが、完全な日付ではなく、指定されている年が表示されるように書式設定されます。
- マップ ビューのオーバーレイで、[閉じる] をクリックし、編集内容を確定します。
次に、ダイナミック テキストのサイズを大きくします。その後、アニメーションをプレビューします。
- [アニメーション] タブの [オーバーレイ] グループで、フォント サイズを [48] に変更します。
ヒント:
オーバーレイの書式設定とシンボル化のためオプションは、[アニメーション プロパティ] ウィンドウの [オーバーレイ] タブにあります。このアニメーションは、タイトル とその他のオーバーレイによってさらに強化できる可能性があります。詳細については、「アニメーション オーバーレイの追加」および「アニメーション オーバーレイの編集」をご参照ください。
- [再生] グループにある [再生] ボタン をクリックします (タイム スライダーの [再生] ボタンをクリックしないでください。アニメーションに対して行われた変更はタイム スライダーの再生には反映されません)。
これで、アニメーションをビデオ ファイルとしてエクスポートする準備ができました。
- [アニメーション] タブの [エクスポート] グループで、[ムービー] をクリックします。
[ムービーのエクスポート] ウィンドウが開きます。デフォルト設定では、YouTube 向けに *.mp4 メディア形式で構成されたビデオが出力されます。必要に応じて、他のムービー エクスポートの事前設定および設定を試してみることができます。
- [ムービーのエクスポート] ウィンドウの [ファイル名] ボックスで、デフォルト名 (New Zealand) を「Chinese Tourism NZ 1997 to 2017」に変更します。
- 必要に応じて、[参照] ボタン をクリックし、別のフォルダーを参照して、ビデオを保存します。
- [エクスポート] をクリックします。
エクスポートにはしばらく時間がかかります。ウィンドウの下部で進行状況を確認することができます。このプロセスが完了すると、ウィンドウの左下隅に [ビデオの再生] リンクが表示されます。
- [ビデオの再生] をクリックします。
- [保存] をクリックして、プロジェクトを保存します。
このチュートリアルでは、ArcGIS Pro で動的な時系列の視覚化を実現しました。Excel ワークシートをプロジェクトに追加し、フィールドの転置と計算のためのジオプロセシング ツールを実行しました。次に、スタンドアロン出力テーブルをフィーチャ レイヤーに結合し、レイヤーをシンボル表示して、レイヤーの時間設定を構成しました。オプションのセクションに進んだ方は、時間ステップをアニメーションとしてインポートし、アニメーションをビデオとしてエクスポートしました。
表示を動的にすることで、重要なパターンに注目を集めることができます。この例では、中国人観光客の市場を時間と空間によって視覚化しましたが、これは、ビジネス アナリストたちが、著しい変化が起こっている場所や、新しい観光事業の取り組みでどこに重点を置くかを理解するのに役立ちます。
[時空間パターン マイニング] ツールボックスのツールを使用すると、さらに洗練されたテンポラル データ解析を実行できます。時系列データ解析を使用した高度なチュートリアルについては、「交通事故の時空間解析」をご参照ください。