ビルディング レイヤーは、ArcGIS Pro の BIM (Building Information Modeling) 情報を表します。BIM は、複数の分野にわたる建設プロジェクトの 3D、4D、および 5D 情報を作成および管理するプロセスです。これらの分野には、建築、エンジニアリング、建設の専門家、およびプロジェクトのライフ サイクルなどがあります。このプロセスで出力されるデータの 1 つが BIM です。BIM は、構築されたアセットのすべての特性をデジタルで表現したものです。
Building Information Model のジオメトリには、構築環境の物理的特性と論理的特性が含まれています。たとえば、ジオメトリが椅子を表す一方で、属性には、モデル、サイズ、メーカー、アセンブリ コード、ID 番号といった情報が格納されます。
ArcGIS Pro の BIM ワークスペースから作成されたビルディング レイヤーは、分野およびカテゴリ別に編成されています。カテゴリは、ビルディングの設計のモデル化またはドキュメント化に使用されるエレメントまたはシステムのグループです。たとえば、ビルディング レイヤーには、ドアや壁などの建築エレメントを含めることができ、建築分野にはドアや壁のカテゴリ レイヤーが含まれます。これらのエレメントには、一連の属性を含むビルディング レイヤーで視覚化された 3D ジオメトリが含まれます。ビルディング レイヤーに表示されるすべての詳細情報をフィルタリングして、ビルディング レイヤーの特定の特性のみを表示できます。
ビルディング レイヤーは、BIM を含む GIS 情報に接続します。たとえば、大学のキャンパスに提案されたビルディングを、周囲のインフラストラクチャとゾーニングに関する地理空間情報とともに表示することで、新しい建物の影響を理解するのに役立てることができます。
探索的解析ツールを使用し、可視領域およびスライス ツールを使用することで、ビルディングの照明条件や内部を調べることができます。
ビルディング レイヤーを使用し、3D 施工データのジオメトリ、ルール体系、および属性をキャプチャして、他の GIS コンテンツで使用できます。Revit データをビルディング レイヤーで直接操作できます。1 つのビルディングまたはキャンパス全体に対応した複数の BIM モデルを組み合わせて、ジオデータベースに格納することができます。
ビルディング シーン レイヤーを使用して、ArcGIS プラットフォーム全体で情報を共有および維持できます。たとえば、ビルディング レイヤーをビルディング シーン レイヤーとして共有し、Scene Viewer で使用できます。
ビルディング レイヤーの作成
BIM (Revit) データ ソースを直接 ArcGIS Pro に追加して、ビルディング レイヤーを作成できます。
- カタログ ウィンドウで、Revit ファイルを右クリックします。
- [現在のマップに追加] を選択します。
ビルディング レイヤーが作成されます。
シーンへのビルディング レイヤーの追加
BIM をジオデータベースにすでに統合している場合は、[ビルディング レイヤーの作成 (Make Building Layer)] ジオプロセシング ツールを使用して、シーンにビルディング レイヤーを追加できます。
- [ジオプロセシング] ウィンドウで、[ビルディング レイヤーの作成 (Make Building Layer)] を検索します。
- [ビルディング レイヤーの作成 (Make Building Layer)] を選択し、ツール ダイアログ ボックスを開きます。
- ビルディング レイヤーのデータ ソースを参照して選択します。[OK] をクリックします。
ジオデータベース フィーチャ データセットを指定します。
- [出力レイヤー] に、ビルディング レイヤーの名前を入力します。
- [実行] をクリックして、ツールを実行します。
ビルディング レイヤーが作成され、シーンに追加されます。