ArcGIS Pro でのラベリングは、特にマップ内のフィーチャとシーン内のフィーチャに関する説明テキストを自動的に生成して配置するプロセスを指します。ラベルはマップに動的に配置されたテキストであり、そのテキスト文字列は 1 つ以上のフィーチャの属性から作成されます。
ArcGIS Pro では、以下の点に注意してください。
- ラベルの位置は自動的に生成されます。
- ラベルは選択できません。
- 個々のラベルの表示プロパティを編集することはできません。
ラベリングの利用によってテキストをすばやくマップに追加することができるので、個々のフィーチャに手動でテキストを追加する必要がなくなります。これは、データの変更が予定されている場合や、さまざまな縮尺で複数のマップを作成する場合に役立ちます。
ArcGIS Pro には 2 つのラベル エンジンがあります。1 つは Standard Label Engine、もう 1 つは Maplex Label Engine です。
メモ:
デフォルトのラベル エンジンは Maplex Label Engine です。デフォルトのフォント名、フォント スタイル、フォントサイズは、Tahoma、標準、10 ポイントです。
デフォルトのラベル エンジンとフォント プロパティの設定の詳細ラベルの有効化
ラベルを有効にするには、[コンテンツ] ウィンドウでフィーチャ レイヤーを選択します。リボンの [フィーチャ レイヤー] で、[ラベリング] タブをクリックして、[ラベル] をクリックします。このレイヤーでどのラベル クラスをラベリングするかを詳細に制御する場合は、表示されるラベル クラスを変更し、[このクラスのラベルを表示] をオフにします。
すべてのラベル クラスの表示設定を確認して変更するには、[コンテンツ] ウィンドウで [ラベリング別にリスト] をクリックします。[ラベリング別にリスト] によって、すべてのラベル クラスを表示でき、ラベル クラスを並べ替えることができます。また、複数のラベル クラスのラベリング プロパティを一度に変更することも、ラベル クラス間でラベリング プロパティをコピーして貼り付けることもできます。
[ラベリング] タブで、基本的なラベリング プロパティにアクセスします。[テキスト シンボル] グループのラベルのサイズと色を変更します。
さらに高度なプロパティを設定する場合は、[テキスト シンボル] グループまたは [ラベルの配置] グループでウィンドウ ランチャー をクリックするか、[式] ボタン または [SQL クエリ] ボタン をクリックして、[ラベル クラス] ウィンドウを開きます。コンテンツ ウィンドウでフィーチャ レイヤーを右クリックして [ラベリング プロパティ] をクリックし、[ラベル クラス] ウィンドウにアクセスすることもできます。
基準縮尺
デフォルトでは、ラベルはマップ上で拡大表示または縮小表示してもその縮尺に応じて表示されません。つまり、マップの縮尺にかかわらず、ページ上のラベルのサイズは同じままです。ラベルはページ上では同じサイズのままですが、縮小時にはマップ上で大きな地理空間を占め、拡大時には小さな地理空間を占めます。マップの縮尺を決定したら、マップの基準縮尺を設定することで、拡大表示または縮小表示時に拡大縮小するためのラベルを設定できます。
マップ レベルでのラベリング プロパティ
マップ レベルで、複数のラベリング プロパティを使用できます。それらのプロパティは、マップ内のすべてのラベル クラスに影響を与えます (つまり、マップ内のすべてのラベル クラスで使用できます)。
これらのプロパティには、リボンの マップ タブの [ラベリング] グループまたは [ラベリング] タブの [マップ] グループからアクセスできます。
いずれかの場所から、[一時停止]、[ロック]、および [未配置ラベルの表示] といった対話的なラベル ツールにアクセスできます。[その他] メニューから各ツールにアクセスして、ラベルの優先順位付けと重み付け、ラベル エンジンの変更、および (Maplex Label Engine を使用している場合) 略語辞書とキー番号グループの設定を行うことができます。
メモ:
シーンでのラベリング時には、すべてのプロパティが使用できるわけではありません。シーンでの作業中はラベル エンジンの変更だけが可能です。
ラベリング ボタンとそれらの機能
ボタン | 名前 | 機能 |
---|---|---|
| 一時停止 | ラベルの描画を一時停止します。 |
ロック | 現在の範囲に、現在のサイズと位置にラベルをロックします。これにより、画面移動やズームのたびにラベルの配置が再計算されるまで待たずに、マップをナビゲートすることができます。 | |
| 未配置ラベルの表示 | マップに配置できなかったラベルを表示します。 [マップ プロパティ] ダイアログ ボックスの [ラベル] タブで、未配置のラベルの色を変更できます。 |
ラベル配置のランク付けの設定
[その他] メニューには、[優先順位] パラメーターと [ウェイト] パラメーターが含まれています。
[優先順位] を選択すると、[ラベル優先度ランキング] ダイアログ ボックスが開き、ラベルの優先順位を変更できます。
[ウェイト] を選択すると、[ラベル ウェイト ランキング] ダイアログ ボックスが開き、ラベルとフィーチャのウェイトを変更できます。
ラベル エンジンの変更
Standard Label Engine から Maplex Label Engine に切り替えると、配置プロパティが Maplex Label Engine の高度な配置モデルに変換されます。両方のエンジンで使われる基本的な配置プロパティは 1 対 1 で対応しているため、配置情報が失われることはありません。
[その他] メニューには、[Maplex ラベル エンジンの使用] オプションが用意されています。
注意:
Maplex Label Engine から Standard Label Engine に切り替えると、行った高度なラベル配置設定はすべて失われます。失われた設定を回復することはできません。Maplex Label Engineを使用している場合は、[ラベリング] グループで追加ツールが使用可能になります。3 つの新しいコマンドが その他 メニューに追加されます。それらは、[略語辞書] 、[キー番号付け] 、および [ドラフト品質] です。
[略語辞書] を使用すると、マップ用の略語辞書を作成、削除、および変更できます。
[キー番号付け] を使用すると、マップ用のキー番号グループを作成、削除、および変更できます。
[ドラフト品質] を使用して、Maplex Label Engineが実行する配置の品質を制御できます。ドラフト品質配置アルゴリズムを使用すると、ラベルの競合の解決にかかる時間が減って、マップ上に配置されるラベルの数が変わります。
[ラベル] タブの [マップ プロパティ] ダイアログ ボックスから、Maplex Label Engineの一般設定にアクセスできます。
[ラベル条件式] タブの下部から、空白文字と改行用のコントロールにアクセスできます。