サブネットワークの更新

サブネットワークを更新して、ネットワーク内で属性、ネットワーク フィーチャ、および接続性が最新かつ有効であることを保証します。 サブネットワークを更新すると、無効なフィーチャ、分断されているサブネットワーク、一貫性のないサブネットワーク、サブネットワーク コントローラーの不正な数など、サブネットワーク内の矛盾も明らかになります。 [サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールは、編集が加えられた後にダーティとしてマークされているサブネットワークを更新し、有効としてマークするために使用されます。

サブネットワークは、作成されたときおよびサブネットワーク内のフィーチャおよびオブジェクトが編集された後にネットワーク トポロジの整合性をチェックすることでダーティとしてマークされます。 サブネットワークがエラーなく更新された場合、クリーンとしてマークされます。 これは、サブネットワーク テーブル内の Is dirty 属性によって追跡されます。 詳細については、「ダーティ サブネットワーク」をご参照ください。

検査および更新されるサブネットワーク プロパティ

サブネットワークが更新されるときには、特定のプロパティおよび要件がチェックされます。 ネットワーク フィーチャに対して更新される特定の属性もあります。 これらのプロパティのいくつかは、層のサブネットワーク定義で設定されます。

サブネットワークがデフォルト バージョンで更新されると、ジオメトリ、サブネットワーク名属性、および SubnetLine フィーチャクラスの伝達されるフィールドが更新されます。 名前付きバージョンに対して実行する場合、デフォルトでは、これらの同じ更新は、バージョン内で編集されたフィーチャとオブジェクトに制限されます。 ユーティリティ ネットワーク バージョン 4 以上では [サブネットワーク定義の設定 (Set Subnetwork Definition)] ジオプロセシング ツールで、イベント処理を使用するように編集モードを変更できます。

詳細:
[サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールは、SubnetLine フィーチャクラスを除くすべてのネットワーク クラスに対して適切な属性編集を実行します。 つまり、サブネットワークの更新処理はイベント作成を迂回し、属性ルールの評価を指示しません。 デフォルトの編集モード ポリシーは、デフォルト バージョンと名前付きバージョンの両方で、層のサブネットワーク定義の一部として構成できます。 [デフォルト バージョンの編集モード] パラメーターでは、デフォルト バージョンでファイル ジオデータベースを使用してサブネットワークを更新する場合の編集モードを指定します。

[サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールによって使用される編集モードの詳細

サブネットワークの更新から、エラーが生成される場合があります。 サブネットワークの更新に固有のエラーの詳細については、「エラーの管理」をご参照ください。

次のサブセクションには、サブネットワークを更新したときに検証されるプロパティの情報が含まれます。

有効なフィーチャとオブジェクト

サブネットワーク定義で指定されているように、各クラスの特定のアセット グループとアセット タイプはドメイン ネットワーク内の層ごとに有効として定義されます。 サブネットワーク定義に違反するフィーチャおよびオブジェクトは、サブネットワークの更新時に、サブネットワークの通過可能なフィーチャの属性を調査する際に検出されます。 サブネットワークの更新時に無効なネットワーク フィーチャが検出されると、エラーが作成されます。

サブネットワークの更新時に、サブネットワーク定義の有効なデバイス プロパティは、複数のサブネットワークを接続する境界フィーチャに対して評価されません。 境界フィーチャとは、2 つの異なるサブネットワークの境界を定義するサブネットワーク コントローラーのことです。たとえば、2 つの回路間のオープン スイッチや、2 つのゾーン間の閉バルブがこれに該当します。

各層のサブネットワーク定義では、次の有効なフィーチャとオブジェクトが指定されます。

  • 有効なデバイス
  • 有効なデバイス サブネットワーク コントローラー
  • 有効なライン
  • 有効なジャンクション
  • 有効なエッジ オブジェクト
  • 有効なジャンクション オブジェクト
  • 有効なジャンクション オブジェクト サブネットワーク コントローラー

サブネットワーク名属性

Subnetwork name 属性は、どのサブネットワークのネットワーク フィーチャが属するかを追跡するために使用されます。この属性フィールドに設定される値は、サブネットワーク コントローラーとして設定されるフィーチャのサブネットワーク名から生成されます。また、ドメイン ネットワーク内のフィーチャには、Supported subnetwork name および Supporting subnetwork name 属性があります。これらの属性は、それぞれ格納器または構造物フィーチャがサポートするサブネットワーク、および格納器フィーチャをサポートするサブネットワークを追跡するのに役立ちます。

フィーチャが複数のサブネットワークに含まれる場合、Subnetwork nameSupported subnetwork name、および Supporting subnetwork name 属性は各サブネットワーク名と連結されます。たとえば、複数のサブネットワークを接続する境界フィーチャは、サブネットワーク名を 2 つのコロンで区切って連結することにより (たとえば、subnetwork1::subnetwork2 など)、更新される場合があります。

サブネットワーク名属性に関する詳細

サブネットワークの更新プロセスにより、サブネットワーク名がサブネットワーク フィーチャで一貫性を保てるようになります。 不整合がある場合はエラーが生成されます。 次の状況は、エラーが発生する可能性がある事例を説明しています。

  • 一貫性のないサブネットワーク - サブネットワークに通過可能なサブネットワーク コントローラーが複数あり、サブネットワーク名属性が一致しない場合、サブネットワークは一貫性がないものと見なされます。 たとえば、5 つのサブネットワーク コントローラーを持つメッシュ ネットワークがあり、そのうち 4 つのサブネットワーク ソースのサブネットワーク名は正しく、残り 1 つの名前が異なるとします。 サブネットワークの更新時に一貫性のないサブネットワークが検出された場合、[サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールで警告が返され、エラーが生成されます。 一貫性がないと見なされた特定のサブネットワーク名が返され、[サブネットワーク コントローラーの変更] ウィンドウと [サブネットワーク] テーブルを使用して検証することができます。 さらに、一貫性のないサブネットワーク名を持つサブネットワーク コントローラーに対し、エラーが作成されます。

  • 分断されているサブネットワーク - パーティション型のドメイン ネットワークでは、同じサブネットワーク名のコントローラーを持ち、かつ通過可能ではないサブネットワークは、分断されているサブネットワークとして見なされます。 サブネットワークの更新時に、サブネットワーク定義でサブネットワークの分断が許可されていない場合はエラーが生成されます。 この設定は、層のサブネットワーク定義で定義されます。 特定のドメイン ネットワークの [層] サブセクションを確認するには、ネットワーク プロパティをご確認ください。

隣接するサブネットワークに矛盾が見つかった場合、更新処理中に警告が返され、競合しているサブネットワーク名がリストされます。 警告を解決する方法を決定するために、[サブネットワーク コントローラーの変更] ウィンドウとサブネットワーク テーブルを使用して、前述した隣接するサブネットワークを調べることができます。 隣接するサブネットワークが編集された後に、サブネットワークの更新処理を再度実行できます。

詳細については、「サブネットワーク」をご参照ください。

Is Connected 属性

ライン、デバイス、ジャンクション フィーチャクラスのすべてのフィーチャ、およびドメイン ネットワークのジャンクション オブジェクト テーブルとエッジ オブジェクト テーブル内のすべてのオブジェクトには Is connected 属性があります。この属性は、サブネットワーク コントローラーへの接続性に関する情報を保持することによって、分離されたネットワーク フィーチャおよびオブジェクトを識別するのに役立ちます。フィーチャの作成時には、その接続性に関係なく、Is connected 属性は unknown に設定されます。この属性は、実行される操作に応じて、ネットワーク フィーチャで変更されます。

サブネットワークを更新すると、Is connected 属性は、[サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ジオプロセシング ツールで指定した [層] または [サブネットワーク名] パラメーターに基づいた、サブネットワーク コントローラーへのフィーチャの接続性に基づいて変更されます。

詳細については、「Is connected 属性」をご参照ください。

Is dirty 属性

Is dirty 属性を使用して、サブネットワーク テーブルおよび SubnetLine フィーチャクラス内のサブネットワークの状態を追跡します。この属性はネットワーク ダイアグラムの一貫性にも影響します。 この属性は、サブネットワークの整合チェックおよび更新操作を使用して管理します。 [IsDirty の管理] オプションは、層のサブネットワーク定義の一部として構成されます。 これにより、サブネットワーク テーブルおよび SubnetLine フィーチャクラス内の Is dirty 属性の管理をバイパスするオプションが提供されます。 また、これはネットワーク ダイアグラムの一貫性にも影響します。 層に対してサブネットワーク コントローラーが定義されていない場合、デフォルトでこのオプションは無効になります。

Is dirty 属性の詳細については、「ダーティ サブネットワーク」をご参照ください。

サマリー、伝達、属性代替

サブネットワーク定義のサブネットワーク トレース構成で構成されたサマリーは、サブネットワークの更新プロセス時に更新されます。 サブネットワークを更新すると、このツールはサマリーの結果を SubnetLine フィーチャクラスのサマリー属性に書き込みます。 また、代替またはプロパゲーターが構成されている場合、これらはサブネットワークの更新時に考慮されます。

詳細については、「サマリー」、「属性の伝達」、「属性代替」をご参照ください。

サブネットワーク ポリシーの更新

サブネットワークの更新処理が実行される場合、更新対象のネットワーク フィーチャと、ジオデータベース内の編集の実行方法を制御するために、使用可能ないくつかのオプションがあります。 これらのオプションは、[サブネットワーク定義の設定 (Set Subnetwork Definition)] ツールを使用して、層のサブネットワーク定義の一部として構成されます。

ワークフローを確認し、デフォルトのサブネットワーク ポリシーの更新を変更する必要があるかどうかを判断します。 サブネットワーク定義内で [構造物ネットワーク格納器の更新] および [ドメイン ネットワーク格納器の更新] オプションを変更することで、構造物およびドメイン ネットワーク格納器に対して、サポートされているサブネットワーク名フィールドがオーバーロードされる問題を防ぐことができます。 これはネストされた格納がある場合に役立つことがあります。 サブネットワークの更新処理時に加えられた属性編集に対してジオデータベースのイベントを発生させる必要があるワークフローが存在する場合、層のサブネットワーク定義を構成して、デフォルト バージョンの編集モードでイベント処理を使用できます。

サブネットワーク ポリシーの更新に関して設定できるオプションは次のとおりです。

  • [IsDirty の管理] - サブネットワーク テーブルおよび SubnetLine フィーチャクラス内の IsDirty 属性が、サブネットワーク更新プロセスによって更新されるかどうかを指定します。 また、これはネットワーク ダイアグラムの一貫性にも影響します。
  • [構造物ネットワーク格納器の更新] - 構造物ネットワーク格納器に対して、サポートされているサブネットワーク名属性が、サブネットワーク更新プロセスによって更新されるかどうかを指定します。 このオプションは、デフォルトでオンになっています。
  • [ドメイン ネットワーク格納器の更新] - ドメイン ネットワーク格納器に対して、サポートされているサブネットワーク名属性が、サブネットワーク更新プロセスによって更新されるかどうかを指定します。 このオプションは、デフォルトでオンになっています。
  • [デフォルト バージョンの編集モード] および [名前付きバージョンの編集モード] - サブネットワーク更新プロセス中に、サブネットワーク フィーチャに対してさまざまな属性編集が加えられます。 編集モードによって、属性編集の実行方法が決定されます。 この動作を制御するには、[イベントを使用][イベントを使用しない] という 2 つのオプションを使用できます。

    • [イベントを使用しない] - デフォルト バージョンと名前付きバージョンの両方でこれがデフォルトです。 このオプションを使用すると、編集が直接書き込みとして実行されます。 これらの属性編集を直接書き込みとして実行することで、フィーチャリンクのアノテーションを更新するジオデータベース レベルのイベント、または挿入や更新のトリガー イベントに設定された属性ルールの評価をバイパスします。 デフォルト バージョンでいる間は、サブネットワーク内のすべてのフィーチャおよびオブジェクトが更新されるので注意してください。 名前付きバージョンでは、更新は、バージョン内で編集されたフィーチャとオブジェクトに制限されます。
    • [イベントを使用] - このオプションは、フィーチャリンクのアノテーションなどのアイテムを更新するジオデータベース レベルのイベント、編集情報の記録、または、挿入や更新のトリガー イベントに設定された属性ルールの評価とサブネットワーク名や適用可能なすべてのフィーチャとオブジェクトに対して反映された値の評価をトリガーします。
    注意:

    特定のパラメーターには、最小のユーティリティ ネットワーク バージョンが必要です。 詳細については、「サブネットワーク定義の設定」をご参照ください。