Spatial Analyst のライセンスで利用可能。
Spatial Analyst エクステンションには、ArcGIS Pro で使用できるラスター関数が多数用意されています。
ラスター関数
Spatial Analyst エクステンション ライセンスを必要とするラスター関数は、解析、分類、データ管理、距離、距離 (レガシー)、水文解析、算術演算、算術演算: 条件演算、算術演算: 論理演算、算術演算: 三角関数、サーフェス、統計の各カテゴリの関連グループに分類されます。 表中の関数ごとに詳細な説明がリンクされています。
解析関数
この関数では、密度解析を実行したり、複数のラスターを 1 つの出力に結合したりします。
関数名 | 説明 |
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カーネル密度 | カーネル関数を使用してポイントまたはポリライン フィーチャから単位面積ごとの値を計算し、各ポイントまたはポリラインに滑らかなテーパー サーフェスを合わせます。 |
ラスター コレクションの処理 | 多次元ラスター レイヤーまたはモザイク レイヤーの各アイテムの各スライスを処理します。 |
加重オーバーレイ | 複数のラスターを共通の計測スケールでオーバーレイし、それぞれを重大度に応じて重み付けします。 |
加重合計 | ラスターの配列をセルごとに重み付けして追加します。 |
分類関数
この関数を使用して、セグメント化されたラスターまたはピクセル ベースのラスター データセットを分類済みのラスター データセットの作成に使用する準備を行います。
関数名 | 説明 |
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分類 | 適切な分類器と .ecd トレーニング ファイルで指定した関連するトレーニング データをラスター データセットまたはセグメント化されたラスターに適用します。 |
リニア スペクトル分解 | サブピクセル分類を実行し、ピクセルごとに異なる土地被覆タイプの部分存在量を算出します。 |
最尤法分類 | ラスター データセットまたはモザイク データセットに対して最尤法分類を実行します。 |
セグメント平均シフト | 隣接し、類似したスペクトル特性を持つピクセルを、セグメントに分類します。 これは分類関数の 2 つ目のラスターとして使用できます。 |
データ管理関数
この関数は、ラスター内の小さいエラー データを除去したり、一般的な解析を行う目的で不要な詳細を取り除いてデータを一般化したりするために使用します。
距離関数
この関数を使用すると、直線距離 (ユークリッド) または加重距離のいずれかを考慮した解析を実行できます。 距離は、シンプル コスト (摩擦) サーフェスによって、または鉛直および水平方向の移動制限に対応する方法で、重み付けできます。
関数名 | 説明 |
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距離累積 | 直線距離、コスト距離、実際のサーフェス距離、垂直および水平方向のコスト係数を考慮して、各セルからソースまでの累積距離を計算します。 |
距離アロケーション | 直線距離、コスト距離、実際のサーフェス距離、垂直および水平方向のコスト係数に基づいて、各セルから指定したソースまでの距離アロケーションを計算します。 |
最小コスト コリドー | パーセンテージまたは累積コストに基づく閾値を適用するオプションを使用して、2 つの累積コスト距離ラスターの合計値を計算します。 |
最適パス (ラスター) | 目的地からソースまでの最適なパスを算出します。 |
距離 (レガシ) 関数
この関数を使用すると、以前のリリースの ArcGIS で提供されていた距離解析ラスター関数にアクセスできます。 この関数は、直線距離 (ユークリッド) または加重距離のいずれかを考慮した解析を実行します。 距離は、シンプル コスト (摩擦) サーフェスによって、または鉛直および水平方向の移動制限に対応する方法で、重み付けできます。 レガシ距離関数は、以前のリリースから距離を計算する元の方法を利用します。 さらに正確な距離を計算するのに現在使用できる方法を用いるには、レガシ関数カテゴリ以外の距離関数を使用します。
関数名 | 説明 |
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コリドー | 2 つの入力累積コスト ラスターに対して累積コストの合計値を計算します。 「最小コスト コリドー」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
コスト アロケーション | コスト サーフェス上での最小累積コストに基づき、各セルの最小コスト ソースを計算します。 「距離アロケーション」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
コスト バック リンク | 最小コスト ソースへの最小累積コスト パスに隣接するセルの近傍範囲を定義します。 「距離累積」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
コスト距離 | コスト サーフェス上で最小コスト ソースとの最小累積コスト距離をセルごとに計算します。 「距離累積」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
コスト パス | ソースから目的地までの最小コスト パスを計算します。 「最適パス (ラスター)」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
ユークリッド アロケーション | ユークリッド距離に基づいて各セルから最も近いソースをセルごとに算出します。 「距離アロケーション」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
ユークリッド バック方向 | 各セルに対して、最寄りのソースへの最短パス上にある隣接するセルへの方向を、バリアを避けながら、度単位で計算します。 「距離累積」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
ユークリッド方向 | 最も近いソースへの方向をセルごとに計算します。 「距離累積」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
ユークリッド距離 | 最も近いソースまでのユークリッド距離をセルごとに計算します。 「距離累積」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
最小コスト パス | ソースから目的地までの最小コスト パスを計算します。 コスト サーフェス上のセルごとに、最も近いソースまでの最小累積コスト距離が計算されます。 これにより、選択した位置から累積コスト サーフェス内でコスト距離が最も近いソース セルまでの最小コスト パスを記録する出力ラスターが生成されます。 「距離累計」関数および「最適パス (ラスター)」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
パスの距離 | 水平コスト係数と鉛直コスト係数とともにサーフェス距離を考慮に入れて、最小コスト ソースとの最小累積コスト距離をセルごとに計算します。 「距離累積」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
パスの距離アロケーション | 水平コスト係数と鉛直コスト係数とともにサーフェス距離を考慮に入れて、コスト サーフェスの最小累積コストに基づき、各セルの最小コスト ソースを計算します。 「距離アロケーション」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
パスの距離バック リンク | 水平コスト係数と鉛直コスト係数とともにサーフェス距離を考慮に入れて、最小コスト ソースへの最小累積コスト パス上にある、次のセルの近傍を定義します。 「距離累積」関数により、機能またはパフォーマンスが向上します。 |
水文解析関数
この関数は、サーフェス上の水の流れをモデリングするために使用します。 この関数を個別または順番に使用すると、河川ネットワークを作成したり、集水域を特定したりできます。
関数名 | 説明 |
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fill | データの微小な欠落を取り除くために標高サーフェス ラスターのくぼみと先端を埋めます。 |
累積流量 | 各セルへの累積する流量のラスター レイヤーを作成します。 オプションで、ウェイト ファクターを適用できます。 |
フロー方向 | 各セルから最も急な傾斜となる近傍セルへの流向ラスター レイヤーを作成します。 |
流路距離 | 水流または河川が流れ込むセルまでの下降斜面の水平方向または鉛直方向の最小距離を計算します。 |
流長 | 各セルの流路に沿った上流または下流方向の距離または加重距離のラスター レイヤーを作成します。 |
窪地の抽出 | すべての窪地または内部排水のエリアを特定するラスター レイヤーを作成します。 |
流出点のスナップ | 指定した距離内で累積流量が最も大きいセルへ流出点をスナップします。 |
河川リンク | ラスターの線形ネットワークの交差部分にユニークな値を設定します。 |
河川次数 | 線形ネットワークの分岐を表現するラスターの線分に次数を与えるラスター レイヤーを作成します。 |
集水域ラスターの作成 | ラスター内のセルに対する集水域を決定します。 |
算術演算関数
一般的な算術演算関数は、数学関数を入力ラスターに適用します。 これらのツールは、いくつかのカテゴリに分類されます。 算術ツールは、加算や乗算などの基本的な数学演算を実行します。 また、基本的な乗数演算に加えて、指数や対数など、さまざまな種類の指数演算を実行するツールがあります。 他には、符号変換や、整数と浮動小数点のデータ タイプ間の変換に使用する関数があります。
関数名 | 説明 |
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Abs | ラスター内のピクセルの絶対値を計算します。 |
数学 | ピクセル値を使用して、重なり合うラスターに対する数学演算を計算します。 |
バンド演算 | 定義済みの式またはユーザー定義の式を使用してインデックスを計算します。 |
演算 | ラスター バンドに基づいて数式からラスターを計算します。 |
Divide | 2 つのラスターの値をピクセル単位で除算します。 |
Exp | ラスター内のピクセル値の底が e の指数を計算します。 |
Exp10 | ラスター内のピクセル値の底が 10 の指数を計算します。 |
Exp2 | ラスター内のピクセル値の底が 2 の指数を計算します。 |
Float | ラスターの各ピクセル値を浮動小数点表現に変換します。 |
Int | ラスターのピクセル値を、小数点以下を切り捨てて整数値に変換します。 |
Ln | ラスター内のピクセル値の自然対数 (底が e) を計算します。 |
Log10 | ラスター内のピクセル値の底が 10 の対数を計算します。 |
Log2 | ラスター内のピクセル値の底が 2 の対数を計算します。 |
Minus | ピクセル単位で、1 つ目の入力ラスターの値から 2 つ目の入力ラスターの値を減算します。 |
Mod | ピクセルごとに最初のラスターを 2 番目のラスターで除算したときの余り (モジュロ) を算出します。 |
Negate | ピクセルごとに入力ラスターのピクセル値の符号を変更 (-1 で乗算) します。 |
Plus | 2 つのラスターの値をピクセル単位で加算します。 |
累乗 | ラスター内のピクセル値をもう 1 つのラスターにある値で累乗します。 |
Round Down | ラスター内の各ピクセルで、浮動小数点値として負の方向に最近接の整数値を返します。 |
Round Up | ラスター内の各ピクセルで、浮動小数点値として正の方向に最近接の整数値を返します。 |
Square | ラスターのピクセル値の二乗を計算します。 |
Square Root | ラスターのピクセル値の平方根を計算します。 |
Times | 2 つのラスターの値をピクセル単位で乗算します。 |
算術演算: 条件演算
この関数では、入力値の条件に基づいて出力値を制御できます。
算術演算: 論理演算
この関数は、入力値を評価し、ブール型ロジックに基づいて出力値を決定します。 この関数では、ビット演算、ブール、[関係] という 3 つの主要なカテゴリでラスター データセットが処理されます。
関数名 | 説明 |
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Bitwise And | 2 つの入力ラスターのバイナリ値に対してビット単位の論理積演算を行います。 |
Bitwise Left Shift | 2 つの入力ラスターのバイナリ値に対してビット単位の左シフト演算を行います。 |
Bitwise Not | 1 つの入力ラスターのバイナリ値に対してビット単位の論理否定 (補数) 演算を行います。 |
Bitwise Or | 2 つの入力ラスターのバイナリ値に対してビット単位の論理和演算を行います。 |
Bitwise Right Shift | 2 つの入力ラスターのバイナリ値に対してビット単位の右シフト演算を行います。 |
Bitwise Xor | 2 つの入力ラスターのバイナリ値に対してビット単位の排他的論理和演算を行います。 |
Boolean And | 2 つの入力ラスターのピクセル値に対してブール型の論理積演算を行います。 両方の入力値が true (0 以外) の場合には、出力値は 1 になります。 片方または両方の入力値が false (0) の場合には、出力値は 0 になります。 |
Boolean Not | 1 つの入力ラスターのピクセル値に対してブール型の論理否定 (補数) 演算を行います。 入力値が true (0 以外) の場合には、出力値は 0 になります。 入力値が false (0) の場合には、出力値は 1 になります。 |
Boolean Or | 2 つの入力ラスターのセル値に対してブール型の論理和演算を行います。 片方または両方の入力値が true (0 以外) の場合には、出力値は 1 になります。 両方の入力値が false (0) の場合には、出力値は 0 になります。 |
Boolean Xor | 2 つの入力ラスターのセル値に対してブール型の排他的論理和演算を行います。 片方の入力値が true (0 以外) でもう片方の入力値が false (0) の場合には、出力値は 1 になります。 両方の入力値が true (0 以外) または false (0) の場合には、出力値は 0 になります。 |
Equal To | 2 つのラスターに対してピクセル単位での関係等価演算を実行します。 |
Greater Than | 2 つの入力値に対してピクセル単位で、[より大きい] 関係演算を実行します。 1 つ目のラスターが 2 つ目のラスターより大きい場合は、ピクセル値に 1 を返し、1 つ目のラスターが 2 つ目のラスターと同じか小さい場合は、0 を返します。 |
Greater Than Equal | 2 つの入力値に対してピクセル値単位で、[以上] 関係演算を実行します。 1 つ目のラスターが 2 つ目のラスターと同じか大きい場合は、ピクセル値に 1 を返し、1 つ目のラスターが 2 つ目のラスターより小さい場合は、0 を返します。 |
Is Null | 入力ラスターの値が NoData であるかどうかをピクセルごとに判別します。 入力値が NoData の場合は 1、NoData でないピクセルには 0 を返します。 |
Less Than | 2 つの入力値に対してピクセル単位で、[より小さい] 関係演算を実行します。 最初のラスターが 2 番目のラスター未満のピクセルの場合に値 1 が返されます。 |
Less Than Equal | 2 つの入力値に対してピクセル値単位で、[以下] 関係演算を実行します。 1 つ目のラスターが 2 つ目のラスターと同じか小さい場合は、ピクセル値に 1 を返し、1 つ目のラスターが 2 つ目のラスターより大きい場合は、0 を返します。 |
Not Equal | 2 つの入力値に対してピクセルごとに関係不等価演算を実行します。 1 つ目のラスターが 2 つ目のラスターと等しくない場合は、ピクセル値に 1 を返し、1 つ目のラスターが 2 つ目のラスターと等しい場合は、0 を返します。 |
算術演算: 三角関数
この関数では、入力ラスターの値に対してさまざまな三角関数を実行します。
関数名 | 説明 |
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ACos | ラスターのピクセル値の逆余弦を計算します。 |
ACosH | ラスターのピクセル値の逆双曲線余弦を計算します。 |
ASin | ラスターのピクセル値の逆正弦を計算します。 |
ASinH | ラスターのピクセル値の逆双曲線正弦を計算します。 |
ATan | ラスターのピクセル値の逆正接を計算します。 |
ATan2 | ラスター内のピクセル値の逆正接 (X、Y に基づく) を計算します。 |
ATanH | ラスターのピクセル値の逆双曲線正接を計算します。 |
Cos | ラスターのピクセル値の余弦を計算します。 |
CosH | ラスターのピクセル値の双曲線余弦を計算します。 |
Sin | ラスターのピクセル値の正弦を計算します。 |
SinH | ラスターのピクセル値の双曲線正弦を計算します。 |
Tan | ラスターのピクセル値の正接を計算します。 |
TanH | ラスターのピクセル値の双曲線正接を計算します。 |
サーフェス
これらの関数を使用し、数値標高モデルから地形の特性や可視性を導き出します。
関数名 | 説明 |
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サーフェス パラメーター | 測地線メソッドを使用して、傾斜方向、傾斜角、曲率などのラスター サーフェスのパラメーターを決定します。 |
可視領域 | 測地線による方法を使用して、一連の観測フィーチャから見通せるラスター サーフェスの位置を決定します。 |
統計
この関数では、ローカル、近傍解析、またはゾーンに基づいて統計ラスター演算を実行します。