ネットワーク ダイアグラム所有権の譲渡とは、保存されているネットワーク ダイアグラムの所有者を変更することです。 この処理は、次のような状況で必要となります。
- ユーザーが退職した - この場合には、該当するユーザーが所有しているすべてまたは一部の保存済みダイアグラムを 1 人以上の他のネットワーク ダイアグラム所有者に譲渡する必要があります。
- ユーザーが特定の地理領域に関連したネットワーク ダイアグラムの生成と維持を担当しており、領域の割り当てが変更された - この場合には、各領域に関連したすべてまたは一部の保存済みダイアグラムを別の所有者に再割り当てする必要があります。
レガシー:
[ダイアグラム所有者の変更 (Change Diagrams Owner)] では、ArcGIS Pro 2.4 より前のバージョンで作成されたユーティリティ ネットワーク データセットを処理することができません (そのデータセットがアップグレードされている場合でも)。
注意:
ネットワーク ダイアグラム所有者を変更すると、ダイアグラム フィーチャクラス内の Creator フィールドが変更されます。 このフィールド値へのアクセスと値の検証は、ネットワーク ダイアグラム レイヤー プロパティが表示されている場合に実行するか、[作成者] 列を表示した後で [ダイアグラムの検索] ウィンドウを使用して実行することができます。
次の各セクションでは、特定のユーザーが所有しているネットワーク ダイアグラムを別のユーザーに譲渡するワークフローを詳しく説明します。 どのワークフローでも、同じ [ダイアグラム所有者の変更 (Change Diagrams Owner)] ジオプロセシング ツールを使用します。
要件
ネットワーク ダイアグラムの所有権を譲渡する場合、次の前提条件が満たされている必要があります。
- この操作は、ファイル ジオデータベースまたはモバイル ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークから実行するか、エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークへのデータベース コネクションから実行する必要があります。 エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークを操作する場合、サービスから操作することはできません。
- エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークへのデータベース コネクションの場合、データベース ネットワークの所有者の認証情報を使用して接続する必要があります。具体的には、データベース ユーティリティ ネットワークの所有者またはデータベース トレース ネットワークの所有者の認証情報です。
- エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークへのデータベース コネクションを操作する場合は、自分の ArcGIS Enterprise ポータルにポータル ネットワーク所有者の認証情報を使用してサイン インする必要があります。具体的には、ポータル ユーティリティ ネットワーク所有者またはポータル トレース ネットワーク所有者の認証情報を使用します。
ユーティリティ ネットワーク作成バージョンを確認します
ユーティリティ ネットワークを操作する場合、ダイアグラムの所有権の譲渡は、ArcGIS Pro 2.4 以前に作成されたユーティリティ ネットワーク データセットがアップグレードされていても処理できないので、次の手順を実行してください。
- ArcGIS Pro を起動します。
- エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークを操作する場合、ポータル ユーティリティ ネットワークの所有者の認証情報を使用して ArcGIS Enterprise ポータルにサイン インします。
- プロジェクトを読み込むか、作成します。
- プロジェクトにネットワーク フィーチャ サービスを参照するマップが存在する場合は、このマップをアクティブなビューにします。 マップがない場合は、新しいマップにネットワーク サービスを追加します。
- ユーティリティ ネットワーク作成バージョンを確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、utility network レイヤーを右クリックして [プロパティ] をクリックします。
[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスが表示されます。
- [ネットワーク プロパティ] タブをアクティブにします。
- [一般] セクションで、[ArcGIS Pro リリースで作成] が 2.4 であることを確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、utility network レイヤーを右クリックして [プロパティ] をクリックします。
- [コンテンツ] ウィンドウ ツールセットで、[データ ソース別にリスト] をクリックします。 ユーザーが所有または操作していた各バージョンに切り替え、リコンサイル後に各バージョンをポストして、保存されたすべてのダイアグラムがデフォルトになるようにします。
- マップを閉じます。
ユーザーが所有しているすべてのネットワーク ダイアグラムを別のユーザーに譲渡
上の要件セクション にリストされている前提条件を確認します。
- 操作するジオデータベースに応じて、次のいずれかを実行します。
- ファイルまたはモバイル ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークを操作する場合、ファイルまたはモバイル ジオデータベースをプロジェクトに追加します。
- エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークを操作する場合、データベース コネクション ファイルをプロジェクトに追加するか、新しく作成します。
注意:
ユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークがブランチ バージョン対応登録されており、データベース ネットワークの所有者の認証情報を使用して接続していることを確認してください。具体的には、データベース ユーティリティ ネットワークの所有者またはデータベース トレース ネットワークの所有者の認証情報を使用します。
- [ジオプロセシング] ウィンドウを開き、[ツールボックス] をクリックして、[ネットワーク ダイアグラム ツール] を展開します。
- [ダイアグラム所有者の変更 (Change Diagrams Owner)] ツールをダブルクリックします。
[ジオプロセシング] ウィンドウに、[ダイアグラム所有者の変更 (Change Diagrams Owner)] ツールが読み込まれます。
- [入力ネットワークまたはネットワーク ダイアグラム レイヤー] の横にある [参照] ボタンをクリックします。 [プロジェクト] → [データベース] をクリックし、プロジェクトに追加したばかりのデータベース コネクション ファイルを選択します。 次に、ネットワーク データ エレメントを参照して選択し、整合チェックします。
- [ターゲット所有者] ドロップダウン リストをクリックして、ソース所有者が現在所有しているすべてのネットワーク ダイアグラムを譲渡するネットワーク ダイアグラム所有者を選択します。
ターゲット所有者がデータセット内の少なくとも 1 つの保存済みネットワーク ダイアグラムの所有者としてすでに存在し、このリストに表示されている必要があります。
- [ソース所有者] ドロップダウン リストをクリックして、譲渡するネットワーク ダイアグラムの現在の所有者を選択します。
- [実行] をクリックします。
処理が完了すると、指定したソース所有者が所有しているすべてのダイアグラムは指定したターゲット所有者によって所有されます。
[ダイアグラムの検索] ウィンドウに表示されているネットワーク ダイアグラムの所有権の変更
上の要件セクション にリストされている前提条件を確認します。
- 操作するジオデータベースに応じて、次のいずれかを実行します。
- ファイルまたはモバイル ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークを操作する場合、ファイルまたはモバイル ジオデータベースをプロジェクトに追加します。
- エンタープライズ ジオデータベース内のユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークを操作する場合、データベース コネクション ファイルをプロジェクトに追加するか、新しく作成します。
注意:
ユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークがブランチ バージョン対応登録されており、データベース ネットワークの所有者の認証情報を使用して接続していることを確認してください。具体的には、データベース ユーティリティ ネットワークの所有者またはデータベース トレース ネットワークの所有者の認証情報を使用します。
- [カタログ] ウィンドウの [プロジェクト] タブにある [データベース] で、ファイルまたはモバイル ジオデータベースまたはデータベース コネクションを展開し、ネットワークのデータ エレメントを参照します。 そのデータ エレメントを右クリックし、[新しく追加] → [マップ] の順にクリックします。
- ユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワーク タブ セットの [ダイアグラム] グループで、[検索] をクリックします。
[ダイアグラムの検索] ウィンドウが表示されます。
- [ダイアグラムの検索] ウィンドウの機能を使用して、所有権を譲渡するダイアグラムを識別します。つまり、次のいずれかの処理を実行します。
- 所有権を譲渡する必要があるダイアグラムの現在の所有者が特定の地理ゾーンに関連するネットワーク ダイアグラムの作成と維持を担当している場合は、アクティブなマップを使用して特定の地理的範囲をカバーするすべてのダイアグラムを特定したり、特定のネットワーク フィーチャを参照したりできます。
- 所有権を譲渡するダイアグラムを既存のすべてのダイアグラムの中から簡単に検索できる場合は、[SQL] タブを使用して、これらのダイアグラムを識別する SQL 式を設定することができます。
- また、[ダイアグラムの検索] 設定を組み合わせて、ネットワーク ダイアグラムの検索を絞り込むこともできます。
- [ダイアグラムの検索] ウィンドウのダイアグラム リストに所有権を変更するダイアグラム名が表示されたら、対象のダイアグラム アイテムをクリックしてリスト内でオンにし、リスト内の任意の場所を右クリックして、ショートカット メニューの [所有者の変更] をクリックします。
注意:
このコマンドは、ネットワーク サービスを利用している場合またはポータルに接続されているユーザーが関連するネットワークの所有者でない場合、ショートカット メニューで使用できません。
[ジオプロセシング] ウィンドウが表示され、[ダイアグラム所有者の変更 (Change Diagrams Owner)] ツールが読み込まれます。
[入力ネットワークまたはネットワーク ダイアグラム レイヤー] パラメーターと [ダイアグラム名] パラメーターは、このツールの読み込み元となった [ダイアグラムの検索] 設定に基づいてすでに設定されています。
- [ターゲット所有者] ドロップダウン リストをクリックして、[ダイアグラム名] リスト内に指定されたすべてのダイアグラムに割り当てる新しい所有者を選択します。
ターゲット所有者がデータセット内の少なくとも 1 つの保存済みネットワーク ダイアグラムの所有者としてすでに存在し、このリストに表示されている必要があります。
- [ソース所有者] パラメーターを無視して (このツールの処理で無視されるため)、現在の所有者が誰であるかに関係なく、指定した各ネットワーク ダイアグラムの所有権を譲渡します。
- [実行] をクリックします。
処理が完了すると、指定したすべてのダイアグラムは指定したターゲット所有者によって所有されます。