ラベル | 説明 | データ タイプ |
入力フィーチャ |
バッファーを作成する入力のポイント フィーチャ、ライン フィーチャ、またはポリゴン フィーチャ。 | Feature Layer |
出力フィーチャクラス |
出力バッファーを格納するフィーチャクラス。 | Feature Class |
バッファーの距離 [値またはフィールド] |
バッファー処理する入力フィーチャの周囲の距離。 距離は、直線距離を表す値か、各フィーチャをバッファー処理する距離を含む入力フィーチャのフィールドのいずれかとして指定できます。 距離の単位が指定されないか、不明と入力された場合、入力フィーチャの空間参照の距離単位が使用されます。 | Linear Unit; Field |
ディゾルブ タイプ (オプション) | バッファーの重複を削除するために実行されるディゾルブ操作のタイプを指定します。
| String |
ディゾルブ フィールド (オプション) |
出力バッファーをディゾルブするために使用する入力フィーチャからのフィールドのリスト。 (入力フィーチャから引き継がれる) リスト フィールドの属性値を共有するバッファーがディゾルブされます。 | Field |
方法 (オプション) | バッファーを作成するために使用される方法 (平面または測地線) を指定します。
| String |
最大オフセット偏差 (オプション) |
結果の出力バッファー ポリゴン境界が、トゥルー バッファー境界から乖離する最大距離。 トゥルー バッファー境界は曲線です。 一方、結果のポリゴン境界は密集化したポリラインです。 このパラメーターを使用すると、出力ポリゴン境界がトゥルー バッファー境界に近似する程度を制御できます。 このパラメーターが設定されていない場合や 0 に設定されている場合、ツールによって最大偏差が特定されます。 デフォルトの値を使用することをお勧めします。 最大オフセット偏差が小さすぎる場合、(ツールやそれ以降の解析において) パフォーマンスが低下する可能性があります。 詳細については、[頂点の挿入 (Densify)] ツールのドキュメントに含まれる [最大オフセット偏差] パラメーターの情報をご参照ください。 | Linear Unit |
サマリー
並列処理方法を使用して、入力フィーチャの周囲に指定した距離のバッファー ポリゴンを作成します。
バッファー操作には、代替ツールが利用できます。 詳細については、[バッファー (Buffer)] および [グラフィック バッファー (Graphic Buffer)] ツールのドキュメントをご参照ください。
図
使用法
このツールは、並列処理ファクター環境を優先します。 この環境が設定されていない場合 (デフォルト) や 100 に設定されている場合、フル並列処理が有効になり、ツールはコンピューター上のすべての論理コアに作業を分配しようとします。 この環境を 0 に設定すると、並列処理は無効になります。 ファクターを 1 ~ 99 に指定すると、ツールは数式 (並列処理ファクター / 100 * 論理コア) の小数部を切り上げた整数を適用して、使用する論理コアの割合を特定します。 この数式の結果が 0 または 1 の場合、並列処理は有効化されません。
このツールは、空間インデックスを持つ入力フィーチャを使用します。 インデックスが正しいかどうかわからない場合は、[空間インデックスの追加 (Add Spatial Index)] ツールを使用して、インデックス (特にシェープファイル) を作成するか、既存のインデックスを再構築します。
「バッファーの詳細」で説明したように、[バッファー] ツールの重要な機能は、バッファーが構築される方法を指定する [方法] パラメーターです。 バッファーを構築するための 2 つの基本的な方法であるユークリッドと測地線は、次のとおりです。
- ユークリッド バッファーは、二次元のデカルト平面内で距離を計測します。そこでは、距離が、平面上の 2 点間で計算されます。 ユークリッド バッファーは、投影座標系内の比較的狭い領域 (UTM ゾーンなど) でフィーチャ周辺の距離を解析する場合に適しています。
- 測地線バッファーは、地球の形状 (楕円体、より正確にはジオイド) を形成します。 曲面 (ジオイド) 上の 2 点間の距離が計算されます。 以下の場合は、測地線バッファーを作成してください。
- 入力フィーチャが分散している場合 (複数の UTM ゾーンや、グローブ全体さえ含む広い領域をカバーしている場合)
- 入力フィーチャの空間参照 (地図投影法) によって、面積などの他の特性を保護するために距離が歪んでしまう場合。
[方法] パラメーターは、バッファーの作成方法を指定します。
- デフォルトは、[平面]です。 このオプションを指定すると、入力の座標系に基づいて、使用する方法が自動的に決定されます。
- 入力フィーチャで投影座標系が使用されている場合、ユークリッド バッファーが作成されます。
- 入力フィーチャで地理座標系が使用されており、[バッファー距離] 値を距離単位 (度などの角度単位ではなく、メートル、フィートなど) で指定した場合、測地線バッファーが作成されます。
- このオプションでは、ArcGIS 10.3 よりも前の [バッファー] ツールと同じ結果が生成されます。
- [測地線] オプションを指定すると、どの入力座標系でも、形状が正確に維持された測地線バッファーが作成されます。 入力フィーチャの形状をより正確に表現するバッファーを作成するために、入力フィーチャに頂点が挿入されます。 このオプションを使用すると、[平面] オプションを使用して測地線バッファーを作成する場合よりも時間がかかることがあります。 しかし、入力フィーチャの形状に正確に一致したバッファーが作成されます。
注意:
フィーチャクラスの座標系は、[投影変換] ツールを使用して変更できます。または、[バッファー] ツールを実行する前に [出力データの座標系] 環境を設定して、バッファーの作成時にこの座標系を使用することができます。
[平面] 方法を使用する際は、正距円錐図法や正距方位図法などの、距離の歪みを最小にし、地理的に入力に適した投影法を使用して、投影された入力から作成されるバッファーの精度を上げることができます。
入力が投影座標系で、出力がジオデータベース フィーチャクラスの場合、出力に円弧線分が含まれることがあります。 入力がポイント フィーチャクラスの場合、出力は常に円弧になります。 円弧が別の座標系に投影変換される場合、元のバッファーの位置とサイズが変換されます。 バッファーの形状は変わらないため、投影変換後のバッファーは、元のバッファーがカバーする面積を正確に表しません。 円弧を投影変換する場合は、[頂点の挿入] ツールを使用して円弧を直線に変換してから、高密度のバッファーを投影変換します。
-
出力フィーチャクラスの BUFF_DIST フィールドには、各フィーチャのバッファー処理に使用するバッファー距離が、入力の座標系の距離単位で格納されます。 バッファーの作成に [測地線] 方法を使用している場合、入力したバッファー距離はメートルに変換されます。
入力に BUFF_DIST という名前のフィールドが存在する場合、そのフィールドの値は出力で上書きされます。 [ディゾルブ タイプ] の値として [すべて] または [リスト] を使用する場合、出力にこのフィールドは含まれません。
出力フィーチャクラスの ORIG_FID フィールドには、バッファーが作成された入力フィーチャのフィーチャ ID が格納されます。 入力に ORIG_FID という名前のフィールドが存在する場合、そのフィールドの値は出力で上書きされます。 [ディゾルブ タイプ] の値として [すべて] または [リスト] を使用する場合、出力にこのフィールドは含まれません。
ポリゴン フィーチャをバッファー処理する際には、負数のバッファー距離を使用してポリゴン フィーチャ内部にバッファーを作成することができます。 負数のバッファー距離を使用すると、ポリゴンの境界を指定距離分減らすことができます。
注意:
負数のバッファー距離が大きすぎてポリゴンが消失する場合は、NULL ジオメトリが生成されます。 警告メッセージが表示され、NULL ジオメトリのフィーチャは出力フィーチャクラスに書き出されません。
入力のフィールドをバッファー距離の取得に使用する場合、フィールド値として、数値 (5 など) または有効な距離単位の付いた数値 (5 キロメートルなど) のいずれかを使用できます。 フィールド値が数値の場合、距離には、入力の空間参照の距離単位を使用すると見なされます。ただし、入力が地理座標系の場合を除きます。地理座標系の場合、値はメートル単位と見なされます。 フィールド値に指定された距離単位が無効であるか、認識できない場合、デフォルトで入力の空間参照の距離単位が使用されます。
-
[ディゾルブ フィールド] パラメーターの [フィールドの追加] ボタンは、ModelBuilder だけで使用されます。 ModelBuilder では、先のツールが実行されていないか、出力データが存在しないと、[ディゾルブ フィールド] パラメーターにフィールド名が表示されない場合があります。 [フィールドの追加] ボタンを使用すると、必要なフィールドを [ディゾルブ フィールド] リストに追加して、[バッファー (Buffer)] ツールのダイアログ ボックスを終了させることができます。
バッファー操作は、入力から出力バッファー フィーチャへの Z 値の変換をサポートしていません。
バッファー操作は、入力から出力バッファー フィーチャへの M 値の変換をサポートしていません。
パラメーター
arcpy.analysis.PairwiseBuffer(in_features, out_feature_class, buffer_distance_or_field, {dissolve_option}, {dissolve_field}, {method}, {max_deviation})
名前 | 説明 | データ タイプ |
in_features |
バッファーを作成する入力のポイント フィーチャ、ライン フィーチャ、またはポリゴン フィーチャ。 | Feature Layer |
out_feature_class |
出力バッファーを格納するフィーチャクラス。 | Feature Class |
buffer_distance_or_field |
バッファー処理する入力フィーチャの周囲の距離。 距離は、直線距離を表す値か、各フィーチャをバッファー処理する距離を含む入力フィーチャのフィールドのいずれかとして指定できます。 距離の単位が指定されないか、不明と入力された場合、入力フィーチャの空間参照の距離単位が使用されます。 スクリプト内で距離を指定する際、使用する距離の単位が「Decimal Degrees」のように 2 つの単語に分かれている場合は、「20 DecimalDegrees」のように 1 つに結合します。 | Linear Unit; Field |
dissolve_option (オプション) | バッファーの重複を削除するために実行されるディゾルブ操作のタイプを指定します。
| String |
dissolve_field [dissolve_field,...] (オプション) |
出力バッファーをディゾルブするために使用する入力フィーチャからのフィールドのリスト。 (入力フィーチャから引き継がれる) リスト フィールドの属性値を共有するバッファーがディゾルブされます。 | Field |
method (オプション) |
バッファーを作成するために使用される方法 (平面または測地線) を指定します。
| String |
max_deviation (オプション) |
結果の出力バッファー ポリゴン境界が、トゥルー バッファー境界から乖離する最大距離。 トゥルー バッファー境界は曲線です。 一方、結果のポリゴン境界は密集化したポリラインです。 このパラメーターを使用すると、出力ポリゴン境界がトゥルー バッファー境界に近似する程度を制御できます。 このパラメーターが設定されていない場合や 0 に設定されている場合、ツールによって最大偏差が特定されます。 デフォルトの値を使用することをお勧めします。 最大オフセット偏差が小さすぎる場合、(ツールやそれ以降の解析において) パフォーマンスが低下する可能性があります。 詳細については、[頂点の挿入 (Densify)] ツールのドキュメントに含まれる max_deviation パラメーターの情報をご参照ください。 | Linear Unit |
コードのサンプル
次の Python ウィンドウ スクリプトは、PairwiseBuffer 関数の使用方法を示しています。
import arcpy
arcpy.env.workspace = "C:/data"
arcpy.analysis.PairwiseBuffer("roads", "C:/output/majorrdsBuffered", "100 Feet",
"LIST", "Distance")
幹線道路から大きな影響を受けている領域を除外した、植生の領域を検出します。
# Name: PairwiseBuffer.py
# Description: Find areas of suitable vegetation that exclude areas heavily
# impacted by major roads.
# Import system modules
import arcpy
# Set environment settings
arcpy.env.workspace = "C:/data/Habitat_Analysis.gdb"
# Select suitable vegetation patches from all vegetation
veg = "vegtype"
suitableVeg = "C:/output/Output.gdb/suitable_vegetation"
whereClause = "HABITAT = 1"
arcpy.analysis.Select(veg, suitableVeg, whereClause)
# Buffer areas of impact around major roads
roads = "majorrds"
roadsBuffer = "C:/output/Output.gdb/buffer_output"
distanceField = "Distance"
dissolveType = "LIST"
dissolveField = "Distance"
arcpy.analysis.PairwiseBuffer(roads, roadsBuffer, distanceField, dissolveType,
dissolveField)
# Erase areas of impact around major roads from the suitable vegetation patches
eraseOutput = "C:/output/Output.gdb/suitable_vegetation_minus_roads"
xyTol = "1 Meters"
arcpy.analysis.Erase(suitableVeg, roadsBuffer, eraseOutput, xyTol)
環境
ライセンス情報
- Basic: Yes
- Standard: Yes
- Advanced: Yes