IPS エクステンションのライセンスが付与された ArcGIS 組織で利用できます。
ArcGIS IPS Information Model は、ArcGIS IPS Setup アプリや他の屋内測位対応アプリで使用するために適切に構成された Web マップおよびモバイル マップ パッケージの共有に必要な屋内測位情報の管理をサポートします。 また、モデルには屋内測位パフォーマンスの評価に必要なデータ構造も含まれています。
情報モデルは、次の 2 つの部分で構成されます。
- ArcGIS IPS Core Model - 屋内測位を有効化し、ビーコン インフラストラクチャに関する最新の情報を保つのに必要なテーブルおよびフィーチャクラスが含まれています。
- ArcGIS IPS 品質データセット - ArcGIS IPS 配置のパフォーマンスを評価するために使用されるポイント フィーチャクラスが含まれています。
情報モデルでは、ArcGIS Indoors Information Model の次のデータを使用することもできます。
- フロア プラン データ - Sites、Facilities、Levels、Units、および Details フィーチャクラスで構成され、フロア プランと屋内空間データが含まれています。
- 遷移 - Indoors モデルの Transitions フィーチャクラスには、フロア間の遷移を表すフィーチャ (階段やエレベーターなど) が含まれています。 ArcGIS IPS モデルでは、屋内空間と屋外空間との間の遷移を含めるために、ドメインを使用してこのフィーチャクラスを拡張します。
- 経路 - 横断可能な空間を表す線形フィーチャ。 ArcGIS IPS アプリで使用するためのマークを付けると、パス スナップが有効になり、測位精度が強化されます。
ArcGIS IPS Core Model
[屋内測位の有効化 (Enable Indoor Positioning)] ツールを使用して、ArcGIS IPS Core Model を既存のワークスペース内に作成できます。 Core Model には、屋内測位システムを設定し、有効にするために必要な Positioning テーブルと IPS Recordings フィーチャクラスが含まれます。 IPS Recordings フィーチャクラスは、屋内環境のサーベイや品質記録を計画し、格納するためにも使用されます。 [屋内測位ファイルの生成 (Generate Indoor Positioning File)] ツールは、サーベイ記録から測位ファイルを作成するために使用され、屋内測位を有効するために必要なすべての情報が含まれます。 測位ファイルは、Positioning テーブルのアタッチメント ファイルとして格納されます。 このモデルには、Beacons フィーチャクラスも含まれています。これは Bluetooth ベースの配置用の Bluetooth ビーコン インフラストラクチャの構成に関する詳細を計画し、保持するために使用されます。 [調査なしで屋内測位ファイルを生成 (Generate Indoor Positioning File Without Survey)] ツールは、ビーコンやフロア プラン データから測位ファイルを作成するためにも使用できます。 Beacons フィーチャクラスは、このツールの入力です。
フィーチャクラス
次の表に、Core Model に含まれるフィーチャクラスをリストします。
フィーチャクラス | 説明 |
---|---|
屋内測位のサーベイ レコーディングを格納するために ArcGIS IPS Setup アプリで使用される線形フィーチャクラス。 このフィーチャクラスは、[屋内測位の生成 (Generate Indoor Positioning)] ツールおよび [測位品質の計算 (Compute Positioning Quality)] ツールへの入力データにもなります。 | |
施設内に配置されているビーコンの地理的位置と属性を示すポイント フィーチャクラス。 |
IPS Recordings
次の表に、IPS Recordings フィーチャクラスに含まれるフィールドをリストします。
フィールド名 | タイプ | NULL 許容 | 説明 |
---|---|---|---|
SITE_ID | Text | True | フィーチャに関連するサイトの一意の ID を記録します。フロア対応マップで関連サイト フィーチャを識別するために使用できます。 フィーチャは、SITE_ID フィールドを使用して 1 つのサイトにのみ関連付けられます。 |
FACILITY_ID | Text | True | フィーチャに関連する施設の一意の ID を記録します。フロア対応マップで関連する施設フィーチャを識別するために使用します。 フィーチャは、FACILITY_ID フィールドを使用して 1 施設にのみ関連付けることができます。 |
LEVEL_ID | Text | True | フィーチャに関連するレベルの一意の ID を記録します。フロア対応マップで関連レベル フィーチャを識別するために使用します。 フィーチャは、LEVEL_ID フィールドを使用して 1 つのレベルにのみ関連付けられます。 |
SURVEY_DATE | Date | False | サーベイ パスが IPS Setup アプリに記録された日付を記録します。 |
COMMENT | Text | True | IPS Setup アプリを使用して、作成されたときの記録に関するユーザーのコメントを記録します。 |
SURVEYOR | Text | True | サーベイを実施したときに IPS Setup アプリにサイン インしたユーザーのユーザー名を記録します。 |
DEVICE | Text | True | レコーディングの作成に使用されたデバイス名とモデルを記録します。 |
APP_VERSION | Text | False | レコーディングの作成に使用された IPS Setup アプリのバージョンを記録します。 |
RECORDING_TYPE | Text | True | レコーディングのタイプを指定します。 DOM_IPS_RECORDING_TYPE ドメインには、次の設定可能なフィールド値を定義します。
|
BLUETOOTH | Long | True | レコーディングに Bluetooth データが含まれているかどうかを指定します。 DOM_BOOLEAN ドメインには、次の設定可能なフィールド値を定義します。
|
WIFI | Long | True | レコーディングに Wi-Fi データが含まれているかどうかを指定します。 DOM_BOOLEAN ドメインには、次の設定可能なフィールド値を定義します。
|
GLOBALID | Global ID | False | ジオデータベース内およびジオデータベース間のフィーチャまたはテーブル行を一意に識別します。 中括弧 ({}) で囲まれた 36 文字のレジストリ形式の文字列をジオデータベースに格納します。 |
PLANNING_DATE | Date | False | レコーディング パスが作成された日付を記録します。 このフィールドには、フィーチャがフィーチャクラス内に作成されると、計算属性ルールによって現在の日付が自動的に入力されます。 |
Beacons
次の表に、Beacons フィーチャクラスに含まれるフィールドをリストします。
フィールド名 | タイプ | NULL 許容 | 説明 |
---|---|---|---|
VENDOR | Text | True | ビーコン ベンダーの名前。 |
BEACON_ID | Text | True | Bluetooth ビーコンを一意に識別する短い文字列。 形式は、ビーコンのベンダーによって異なります。 |
UUID | Text | True | 近接 UUID (ユニバーサル ユニーク識別子) は、ハイフンで区切られた 5 つのグループに分割された 32 個の 16 進文字で構成されます。 各グループの長さは 8-4-4-4-12 になります (例: aa72426e-955d-41fb-9aaa-d67c749198a6)。 UUID は、ローカルで生成し (調整と登録の中央権限はありません)、Bluetooth ビーコン用に構成することができます。 iBeacon プロトコルに従って、同じ UUID がビーコン ネットワークのサブセットに関連付けられ、通知メッセージの一部になります。 UUID、MAJOR、MINOR のトリプレットは、ネットワーク内の特定のビーコンを識別します。 |
MAJOR | Long | True | Bluetooth ビーコンに関連付けられている 2 バイトの符号なし整数。 iBeacon プロトコルに従って、ネットワーク内のビーコンのグループをさらに区別するために使用され、通知メッセージの一部になります。 フィールドは 1 ~ 65535 の整数値である必要があります。 UUID、MAJOR、MINOR のトリプレットは、ネットワーク内の特定のビーコンを識別します。 |
MINOR | Long | True | Bluetooth ビーコンに関連付けられている 2 バイトの符号なし整数。 iBeacon プロトコルに従って、ネットワーク内のビーコンのグループをさらに区別するために使用され、通知メッセージの一部になります。 フィールドは 1 ~ 65535 の整数値である必要があります。 UUID、MAJOR、MINOR のトリプレットは、ネットワーク内の特定のビーコンを識別します。 |
PROTOCOL | Text | True | ビーコンで使用される Bluetooth プロトコル。 現在のリリースでは、iBeacon だけがサポートされています。 |
RSSI_1M | Float | True | 1 メートルの距離の受信信号強度インジケーター。 通常、各ビーコンに対して構成できます。 設定可能な値はビーコン ベンダーによって指定されます。 フィールドは -120 ~ 0 の整数値である必要があります。 |
ADVERTISING_INTERVAL_MS | Float | True | ビーコンでメッセージがブロードキャストされる間隔 (ミリ秒)。 |
LEVEL_ID | Text | True | ビーコンが配置されているレベル フィーチャのレベル ID。 |
BATTERY_LEVEL | Float | True | 合計バッテリー容量の割合で示されるビーコンのバッテリー残量。 |
LAST_SEEN | Date | True | ビーコンの信号が最後に観測された日付と時刻。 |
PLACEMENT_DATE | Date | True | ビーコンが配置された日付と時刻。 |
GLOBALID | Global ID | False | ジオデータベース内およびジオデータベース間のフィーチャまたはテーブル行を一意に識別します。 中括弧 ({}) で囲まれた 36 文字のレジストリ形式の文字列をジオデータベースに格納します。 |
テーブル
次の表の 1 つのアイテムは、Core Model に含まれるテーブルです。
テーブル | 説明 |
---|---|
[屋内測位ファイルの生成 (Generate Indoor Positioning File)] ツールまたは [調査なしで屋内測位ファイルを生成 (Generate Indoor Positioning File Without Survey)] ツールから取り込まれ、IPS Setup、Indoors、Field Maps、またはネイティブ アプリ向けの ArcGIS Maps SDKs を使用するその他のカスタム モバイル アプリで屋内測位を有効するための添付ファイルが含まれる出力テーブル。 |
IPS Positioning
次の表に、IPS Positioning テーブルに含まれるフィールドをリストします。
フィールド名 | タイプ | NULL 許容 | 説明 |
---|---|---|---|
SITE_ID | Text | True | フィーチャに関連するサイトの一意の ID を記録します。フロア対応マップで関連サイト フィーチャを識別するために使用できます。 フィーチャは、SITE_ID フィールドを使用して 1 つのサイトにのみ関連付けられます。 |
DATE_CREATED | Date | False | 屋内測位ファイルが作成された日付を記録します。 |
COMMENT | Text | True | [屋内測位ファイルの生成 (Generate Indoor Positioning File)] ツールで指定されたコメントを記録します。 |
BLUETOOTH | Long | True | 測位ファイルで Bluetooth 測位がサポートされているかどうかを指定します。 DOM_BOOLEAN ドメインには、次の設定可能なフィールド値を定義します。
|
WIFI | Long | True | 測位ファイルで Wi-Fi 測位がサポートされているかどうかを指定します。 DOM_BOOLEAN ドメインには、次の設定可能なフィールド値を定義します。
|
GLOBALID | Global ID | False | ジオデータベース内およびジオデータベース間のフィーチャまたはテーブル行を一意に識別します。 中括弧 ({}) で囲まれた 36 文字のレジストリ形式の文字列をジオデータベースに格納します。 |
ArcGIS IPS 品質データセット
品質評価ツールセットに含まれるツールを使用して、このデータセットを作成および設定することができます。 [IPS Quality データセットの作成 (Create IPS Quality Dataset)] ツールは、既存のワークスペースにデータセットを作成し、次のフィーチャクラスで構成されます。
- Reference Positions
- Computed Positions
[測位品質の計算 (Compute Positioning Quality)] ツールは、品質レコーディングを参照位置フィーチャと計算位置フィーチャに変換し、設置物のパフォーマンスに関する情報をエンコードします。 参照位置は品質評価が利用できるポイントを示す一方、計算位置はこれらの各参照に対して ArcGIS IPS エンジンが生成した屋内位置を表します。
フィーチャクラス
次の表に、品質データセットに含まれるフィーチャクラスをリストします。
フィーチャクラス | 説明 |
---|---|
品質レコーディング サーベイ時の特定の時間における、測量者の実際の位置を含むポイント フィーチャクラス。 | |
品質レコーディング サーベイ時の特定の時間に、所定の測位ファイルに基づいて計算した、測量者の位置を含むポイント フィーチャクラス。 計算位置は、RECORDING_GUID 属性と IPS_TIME 属性により、対応する参照位置と照合できます。 |
Reference Positions
次の表に、Reference Positions フィーチャクラスに含まれるフィールドをリストします。
フィールド名 | タイプ | NULL 許容 | 説明 |
---|---|---|---|
LEVEL_ID | TEXT | True | フィーチャに関連するレベルの一意の ID を記録します。フロア対応マップで関連レベル フィーチャを識別するために使用します。 フィーチャは、LEVEL_ID フィールドを使用して 1 つのレベルにのみ関連付けられます。 |
RECORDING_GUID | GUID | True | 参照位置フィーチャが生成された品質レコーディングの Global ID を記録します。 |
IPS_TIME | DATE | True | 参照位置フィーチャの日時を UTC (世界協定時) で定義します。 |
POSITIONING_GUID | GUID | True | 参照位置フィーチャが生成された品質レコーディング サーベイを実行する際に使用された屋内測位ファイルの Global ID を記録します。 |
BLUETOOTH_POSITIONING | LONG | True | 品質レコーディング時に使用された測位ファイルで Bluetooth 測位がサポートされているかどうかを指定します。 DOM_BOOLEAN ドメインは、次の設定可能な値を記述します。
|
WIFI_POSITIONING | LONG | TRUE | 品質レコーディング時に使用された測位ファイルで Wi-Fi 測位がサポートされているかどうかを指定します。 DOM_BOOLEAN ドメインは、次の設定可能な値を記述します。
|
DISTANCE_TO_COMPUTED | DOUBLE | True | 参照位置フィーチャと対応する計算位置フィーチャとの距離を記述します。 対応する計算位置とレベルが一致していない場合、その値は NULL に設定されます。 |
ACCURACY_LEVEL | SHORT | True | DISTANCE_TO_COMPUTED フィールドに基づき、計算された精度レベルを指定します。 DOM_IPS_QA_ACCURACY_LEVEL ドメインは、次の設定可能な値を記述します。
精度レベルは次のように計算されます。
|
LOS_TO_COMPUTED | LONG | True | 一致している計算位置フィーチャから参照位置フィーチャが見えるかどうかを指定します。 参照位置フィーチャが、一致している計算位置フィーチャと同じフロアに存在し、間に障害物が存在しない場合、値は TRUE に設定されます。 計算されていない場合、値は NULL に設定されます。 DOM_BOOLEAN ドメインは、次の設定可能な値を記述します。
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LEVEL_MATCH | LONG | True | 参照位置フィーチャと対応する計算位置フィーチャが同じレベルにあるかどうかを指定します。 DOM_BOOLEAN ドメインは、次の設定可能な値を記述します。
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LOCATION_SOURCE | SHORT | True | ArcGIS IPS エンジンが品質レコーディング時にフィーチャの計算に使用した測位ソースのタイプを指定します。 DOM_IPS_LOCATION_SOURCE ドメインは、次の設定可能な値を記述します。
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Computed Positions
次の表に、Computed Positions フィーチャクラスに含まれるフィールドをリストします。
フィールド名 | タイプ | NULL 許容 | 説明 |
---|---|---|---|
LEVEL_ID | TEXT | True | フィーチャに関連するレベルの一意の ID を記録します。フロア対応マップで関連レベル フィーチャを識別するために使用します。 フィーチャは、LEVEL_ID フィールドを使用して 1 つのレベルにのみ関連付けられます。 |
RECORDING_GUID | GUID | True | 参照位置フィーチャが生成された品質レコーディングの Global ID を記録します。 |
IPS_TIME | DATE | True | 参照位置フィーチャが ArcGIS IPS エンジンで計算された日時を UTC (世界協定時) で定義します。 |