ネットワーク トポロジ

トレース ネットワークにはそれぞれ、1 つのネットワーク トポロジがあります。 ネットワーク トポロジは、フィーチャ間の接続性の情報を管理し、維持します。

ネットワーク トポロジ内の情報は、バイナリ ページとして保存されるグラフに保存されます。 このため、トレース機能とダイアグラム機能により、ネットワークに関する情報を効率的に読み取って処理できます (ネットワークのフィーチャから直接情報を取得しません)。 グラフの一部にアクセスするたびにその部分がキャッシュされ、最終アクセス時刻を記録するタイム スタンプが提供されます。 これにより、クライアント アプリケーションは、データベースに直接アクセスすることなく、グラフの同じ部分にアクセスできます。このため、処理時間が短縮できます。

ネットワーク トポロジの状態

ネットワーク トポロジには有効と無効の 2 つの状態があります。 ネットワーク トポロジの状態を管理する方法については、以下の「ツールとコマンド」セクションをご参照ください。

[ネットワーク トポロジの有効化] ジオプロセシング ツールを使用して、ネットワーク フィーチャに対してエラーを生成したり、ダイアグラムのトレースや生成などのネットワーク機能のネットワーク トポロジを有効化したりすることができます。

注意:
ネットワーク トポロジが有効化される前に、1 つのダーティ エリアが表示されます。これは、フィーチャの空間参照の範囲に対応しています。
ネットワーク トポロジが有効化されると、ダーティ エリアが作成されて、エラー フィーチャが追跡され、ネットワーク フィーチャクラスのジオメトリまたはネットワーク属性への編集内容が追跡されます。

フィーチャへのネットワーク属性の作成や割り当てなどの管理タスクを実行するためには、ネットワーク トポロジを無効化する必要があります。 大量のデータを読み込むときは、処理時間が短縮されるように、ネットワーク トポロジを無効にすることをお勧めします。 トポロジを再び有効化すると、すべてのトレース ネットワーク フィーチャのネットワーク トポロジが再構築されます。

トレース ネットワークのプロパティには、[ネットワーク トポロジ] タブに表示される、ネットワーク トポロジのメタデータが含まれます。 メタデータには、現在有効な状態およびダーティ エリア数、エラー フィーチャの数、タイム スタンプ、ネットワーク トポロジに対して実行されたさまざまなネットワーク トポロジ アクションの期間などの情報が含まれています。

ネットワーク トポロジの整合チェック

ネットワーク トポロジを有効化した後、トポロジで、編集済みまたは変更済みのネットワークの一部が最新の内容でなくなることがあります。 ネットワークの特定エリアのネットワーク トポロジは、最後に有効化されていたとき、または整合チェックされたとき (最後のいずれかの状態のとき) の内容のままです。 マップに表示されるコンテンツが、ネットワーク トポロジに保存されている内容と一致しない可能性があります。そのため、ネットワーク トポロジを読み取る解析 (トレースおよびダイアグラム) が最新でない情報に基づき、不正確な結果を返す可能性があります。 ダーティ エリアは、ネットワーク トポロジに反映されていない、ネットワークの新しい情報をマークするために使用されます。 ネットワーク トポロジを整合チェックして、トレースおよびダイアグラム操作のこれらの変更を含める必要があります。

ネットワーク トポロジの整合チェックは、編集のたびに実行される自動操作ではありません。 ネットワーク トポロジを整合チェックするには、[トレース ネットワーク] タブで [整合チェック] コマンドを使用するか、[ネットワーク トポロジの整合チェック (Validate Network Topology)] ジオプロセシング ツールを実行します。

詳細については、「ネットワーク トポロジの整合チェック」をご参照ください。

ネットワーク トポロジの整合チェック イベント時にジオメトリおよびネットワーク プロパティが評価されます。 無効なジオメトリを含んでいることがわかったアイテムは、エラー フィーチャを使用して追跡されます。

エラーの状況のリストについては、「エラー フィーチャの管理」をご参照ください。

[トレース ネットワーク] タブの [整合チェック] コマンドを使用して整合チェック プロセスを開始するとき、次の 2 つの地理的範囲のオプションを使用できます。

  • [現在の範囲] - マップの現在の範囲のネットワーク トポロジが整合チェックされます。 通常はこのオプションが使用されます。局所的なエリアまたは作業ゾーンで編集が実行された場合にはこちらをお勧めします。
  • [範囲全体] - ネットワークの範囲全体のネットワーク トポロジが整合チェックされます。 全範囲の整合チェックは、ネットワーク内のダーティ エリアのサイズ、複雑さ、数によって異なりますが、負荷の高い操作になる可能性があります。 ネットワーク全体に散在する多くの編集を整合チェックする必要がある場合に、この操作をお勧めします。

特定の範囲に基づいてネットワーク トポロジを整合チェックする場合、整合チェックの範囲と重なるダーティ エリアがクリップされます。 下記の画像では、紫の陰影のポリゴンがダーティ エリアを表し、整合チェック操作の範囲は黒いボックスで表されています。

現在の範囲に基づいたネットワーク トポロジの整合チェック
左の図は、整合チェック操作前のダーティ エリアを表します。整合チェック対象の範囲は黒いボックスで表示されています。 右の図は、ネットワーク トポロジの整合チェック操作後のダーティ エリアを表します。

特定の範囲に基づいてネットワーク トポロジを整合チェックする場合、次の点に注意してください。

  • ダーティ エリアがエラー フィーチャから作成される場合、評価範囲にダーティ エリア全体が含まれるように調整します。
  • トポロジの整合チェック後、エラー フィーチャが存在する場合、または現在の範囲は整合チェックされたが、ネットワークのすべてのダーティ エリアがそこに含まれていなかった場合は、ダーティ エリアがまだ存在している可能性があります。
  • フィーチャのダーティ エリアの全範囲が整合チェックされるまで、ネットワーク フィーチャが有効であると保証されません。 ネットワーク フィーチャに関連付けられたダーティ エリアがある場合、[一貫性の整合チェック] 構成オプションを使用するトレース操作が影響を受けます。

ダーティ エリアとエラー フィーチャ

ネットワーク トポロジのエリアが最新でない、または無効である場合があります。 このようなエリアを示すマーカーまたはフラグとして、ダーティ エリアとエラー フィーチャが使用されます。

ダーティ エリアは、ネットワーク トポロジ内で最新になっていない、マップでの変更済みフィーチャをマークします。 ダーティ エリアは、フィーチャ ジオメトリやネットワーク属性に対して編集を行った部分や、エラー フィーチャが存在する場所をフラグするために作成されます。 ネットワーク トポロジを最新の状態にし、ダーティ エリアを削除するために、ネットワーク トポロジを整合チェックします。

エラー フィーチャに関連付けられたダーティ エリア (UpdateType = 3) は、ネットワーク トポロジが整合チェックされるときに評価されず、エラーのフィーチャに対する編集によってエラー状態が処理されるまで維持されます。

ダーティ エリアによるトレースが許可されているにもかかわらず、予想外の結果が取得されるために、信頼できない場合もあります。 トレース対象のエリアのトポロジを整合チェックすると、ダーティ エリアが削除され、トレース結果にマップとネットワーク トポロジの内容が反映されます。

これらの概念の詳細については、「エラー フィーチャ」および「ダーティ エリア」をご参照ください。

ツールとコマンド

トレース ネットワークのネットワーク トポロジの状態を管理するために使用できるツールとコマンドがいくつかあります。

ネットワーク トポロジを操作するために、次の 3 つのジオプロセシング ツールが使用できます。[ネットワーク トポロジの有効化 (Enable Network Topology)][ネットワーク トポロジの無効化 (Disable Network Topology)]、および [ネットワーク トポロジの整合チェック (Validate Network Topology)]

[トレース ネットワーク] タブの [ネットワーク トポロジ] グループにある [整合チェック] コマンドを使用することもできます。 このコマンドは、[ネットワーク トポロジの整合チェック] ツールと同様に、トレース ネットワークの現在の範囲または地理的範囲全体のネットワーク トポロジを整合チェックできます。

トレース ネットワークの構成タスクや大量のデータ読み込みを実行する場合は、[ネットワーク トポロジの無効化 (Disable Network Topology)] ツールを使用して、ネットワーク トポロジを無効化する必要があります。

ネットワーク トポロジを有効化すると、エラーを検出したり、ダーティ エリア、ネットワーク ダイアグラム、トレーシングでの操作を行ったりできます。