ダイアグラム レイヤー定義の概要

ダイアグラム テンプレートには、ダイアグラムで許可されるネットワーク エレメントを定義する構成プロパティ (ダイアグラム ルールおよびレイアウト定義)、および生成されるネットワーク ダイアグラムのプレゼンテーション (ダイアグラム レイヤー定義) があります。

このトピックでは、ダイアグラム レイヤー定義に焦点を絞り、ダイアグラム テンプレートでの構成方法について説明します。 ダイアグラム ルールおよびレイアウト定義については、「ダイアグラム ルールおよびレイアウト定義の概要」をご参照ください。

以下のセクションでは、ネットワーク ダイアグラム レイヤーダイアグラム レイヤー定義、およびダイアグラム テンプレート レイヤー定義の概念について詳しく説明します。

ダイアグラム レイヤー定義の管理については、以下をご参照ください。

ネットワーク ダイアグラム レイヤー

ArcGIS Pro では、新しく生成されたネットワーク ダイアグラムはダイアグラム マップ ビューに表示されます (下図の 1)。 これは、特別なタイプのコンポジット レイヤーであるネットワーク ダイアグラム レイヤーを通じて行われます (下図の 2)。

ダイアグラム マップ、ネットワーク ダイアグラム、およびネットワーク ダイアグラム レイヤーの下のレイヤー

ネットワーク ダイアグラム レイヤーには、開いたマップ ビューでのみアクセスできます。

ネットワーク ダイアグラム レイヤーの下の各レイヤーまたはサブタイプ グループ レイヤーのほとんどの側面は (上図の 3)、他のレイヤーと同様に、[フィーチャ レイヤー] タブ セットおよび [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスで、リボン上のコマンドを使用して制御できます。

デフォルトのネットワーク ダイアグラム コンポジット レイヤー

ネットワーク ダイアグラムは、開かれると、ネットワーク ダイアグラム レイヤーに表示されます。

デフォルトでは、[すべてのレイヤー] モードがオンになっている場合、このネットワーク ダイアグラム レイヤーは以下のレイヤーで構成されます。

  • ネットワークを構成する各ネットワーク フィーチャ ソース クラスまたはオブジェクト テーブルごとに 1 つの標準レイヤー (下図で青色)
  • 追加の標準レイヤーのセット
    • 4 つのネットワーク エレメントそれぞれを表すレイヤー (下図でオレンジ色)
      • システム ジャンクションとシステム ジャンクション オブジェクトの 2 つのレイヤーは、ライン フィーチャとエッジ オブジェクトに沿ったシステム ジャンクションを表すためのものです。 これらのネットワーク エレメントは、地理マップには表示されませんが、ダイアグラム内で表示されているネットワーク ラインまたはエッジ オブジェクトの From ジャンクションまたは To ジャンクションとして存在している場合、これらのネットワーク エレメントをダイアグラム内に表示することができます。
      • 接続性の関連付けと構造物付属物の 2 つのレイヤーは、接続性の関連付けおよび構造物付属物の関連付けを表すためのものです。 これらの関連付けは、接続性の関連付けの追加ルールまたは構造物付属物の追加ルールがダイアグラム テンプレート上に構成されている場合に、ダイアグラムのエッジとして表示されます。
        注意:

        ユーティリティ ネットワーク バージョン 6 以降、これらのレイヤーはすべてのダイアグラム テンプレートの関連付けサブタイプ グループ レイヤーで管理されます。 バージョン 6 にアップグレードすると、前に作成されたユーティリティ ネットワークの関連するすべてのダイアグラム テンプレートに対して、この変更も自動で行われます。 これらのダイアグラム エッジのサブタイプ グループ レイヤーを使用すると、ネットワーク ダイアグラムを表示および編集するときのパフォーマンスが向上します。

    • ネットワークの格納器ポリゴン フィーチャ、ライン フィーチャ、またはエッジ オブジェクトごとに 1 つのレイヤーを、ダイアグラム内のポイント フィーチャとして変換することができます (下図で緑色)。 これらのダイアグラム ポイント フィーチャは、格納器の折りたたみルールまたはエッジの削減ルールがダイアグラム テンプレートに構成されている場合に、ダイアグラムに作成され、格納器ポリゴン フィーチャ、ライン フィーチャ、またはエッジ オブジェクトがダイアグラム ポイントとして変換されます。
    • ネットワークの格納器ポイント フィーチャまたは格納器ジャンクション オブジェクトごとに 1 つのレイヤーを、ダイアグラム内のポリゴン フィーチャとして変換することができます (下図で紫色)。 これらのダイアグラム ポリゴン フィーチャは、格納器の展開ルールがダイアグラム テンプレート上で構成されている場合に、ダイアグラム内に作成することができます。
    • [削減エッジ] レイヤー (下図で茶色) は、ダイアグラムで削減される可能性があるネットワーク エレメントに対応する純粋なダイアグラム エッジを表します。 これらの削減されるエッジは、ジャンクションの削減ルールまたは格納器の展開がダイアグラム テンプレートに構成されている場合に、ダイアグラムに作成される場合があります。

ユーティリティ ネットワーク バージョン 5 以前のネットワーク ダイアグラム レイヤーユーティリティ ネットワーク バージョン 6 以降のネットワーク ダイアグラム レイヤー
ユーティリティ ネットワーク バージョン 5 以前のデフォルトのネットワーク ダイアグラム コンポジット レイヤーとしてのネットワーク ダイアグラム レイヤー
ユーティリティ ネットワーク バージョン 6 以降のデフォルトのネットワーク ダイアグラム コンポジット レイヤーとしてのネットワーク ダイアグラム レイヤー

ネットワーク ダイアグラム レイヤーの下のレイヤー

ネットワーク ダイアグラム レイヤーに含まれるレイヤーのセットは、次のようにそのネットワーク ダイアグラム レイヤーに従属します。

  • 描画順序は作成時に固定されます。
  • ネットワーク ダイアグラムのソース データへの参照は、システムが維持します。 各レイヤーは内部ダイアグラム エッジ フィーチャクラス、ダイアグラム ジャンクション フィーチャクラス、またはダイアグラム格納器フィーチャクラスに関連し、これらは、それ自体が表すネットワーク フィーチャまたはネットワーク オブジェクトのソース クラスまたはオブジェクト テーブルに関連します。

ただし、次の変更が可能です。

  • ネットワーク ダイアグラム レイヤーの下の各レイヤーでデフォルトで使用される表示設定とラベリング設定を編集します。
  • 必要に応じて、レイヤーを削除します。

ダイアグラム レイヤー定義

ダイアグラム レイヤー定義は、ネットワーク ダイアグラム レイヤーを構成するレイヤーごとに指定される一連のレイヤーとラベリング プロパティです。 その大部分は、[フィーチャ レイヤー] タブか、[レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックス上の設定により制御されます。

  • [フィーチャ レイヤー] タブでは、以下を制御できます。
    • [表示設定] タブでは、ネットワーク ダイアグラム フィーチャの描画、可視性、および表示効果
    • [ラベリング] タブでは、ネットワーク ダイアグラム フィーチャのラベリング
  • [レイヤー プロパティ] ダイアログ ボックスから、次にアクセスできます。
    • [一般] タブ上のレイヤー名および表示設定範囲
    • [選択] タブで選択した場合、ネットワーク ダイアグラム フィーチャを表すために使用される選択設定
    • レイヤーがサブタイプ グループ レイヤーの場合、[サブタイプ] タブでは、そのサブタイプ グループ レイヤー内のサブタイプの管理
    • [定義クエリ] タブで指定されるクエリ フィルター

ダイアグラム テンプレート レイヤー定義

最初の読み込みの際、ネットワーク ダイアグラム レイヤーの表示には、関連するダイアグラム テンプレートからのレイヤー設定が必ず使用されます。

ダイアグラム テンプレートには次の 3 つのレベルのネットワーク レイヤー定義があります。

ダイアグラム レイヤー定義がないテンプレート

ダイアグラム レイヤー定義がないテンプレートとは、ダイアグラム レイヤー定義が一度も初期化されていないテンプレートのことです。

つまり、これらのテンプレートでデフォルト ダイアグラム レイヤー定義またはカスタム ダイアグラム レイヤー定義が初期化されるまで、関連するすべてのダイアグラムはデフォルトのネットワーク ダイアグラム コンポジット レイヤーに表示され、各ダイアグラムを開くたびにランダムな基本レイヤー設定がリアルタイムで作成されます。

この状況では、ユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワークの作成時には社内のダイアグラム テンプレートを使用することになります。 実際には、この時点で、新規作成されたネットワークは完全に設定されているものとはほど遠いものであり、その構造物フィーチャクラスだけが構成され、ドメイン ネットワークはまだ追加されておらず、フィーチャ分類などもありません。 このような社内テンプレートでデフォルトのダイアグラム レイヤー定義を自動的に初期化しようとするのは早すぎます。

注意:

[ダイアグラム テンプレート定義のエクスポート (Export Diagram Template Definitions)] ツールを実行してそのようなダイアグラム テンプレートからダイアグラム レイヤー定義をエクスポートした場合、作成されたネットワーク ダイアグラム レイヤー定義ファイル (.ndld) は空になっています。

ヒント:

ユーティリティ ネットワークまたはトレース ネットワーク定義が完了したら、[ダイアグラム テンプレートの変更 (Alter Diagram Template)] ツールをそのデフォルト設定で実行することによって、そのようなテンプレートでデフォルトのダイアグラム レイヤー定義を簡単に初期化できます。

デフォルトのダイアグラム レイヤー定義があるテンプレート

デフォルトのダイアグラム レイヤー定義があるテンプレートは、ダイアグラム レイヤー定義がすでに初期化されているテンプレートであり、各レイヤーの固定の基本レイヤー設定で関連するすべてのダイアグラムがデフォルトのネットワーク ダイアグラム コンポジット レイヤーに表示されます。 つまり、そのようなテンプレートに基づいたダイアグラムは、常に同じ基本表示設定を持つネットワーク ダイアグラム レイヤーの下のレイヤーで開きます。

ネットワークが完全に構成された後で [ダイアグラム テンプレートの追加 (Add Diagram Template)] ツールを実行すると、[ダイアグラム レイヤー定義ファイル] パラメーターが指定されていないか空の .ndld ファイルを指している場合、新規作成されたダイアグラム テンプレートがデフォルトのダイアグラム レイヤー定義で体系的に初期化されます。

ネットワークに存在する、ダイアグラム レイヤー定義がない社内ダイアグラム テンプレートの場合、このテンプレートに対して [ダイアグラム テンプレートの変更 (Alter Diagram Template)] ツールをそのデフォルト設定で実行することで、このテンプレートでデフォルト ダイアグラム レイヤーを自動的に初期化できます。

ダイアグラム テンプレートの既存のダイアグラム レイヤー定義をデフォルトのダイアグラム レイヤー定義にリセットする場合、[ダイアグラム テンプレート レイヤー定義をデフォルトにリセットする] オプションをオンにして、このテンプレートに対して [ダイアグラム テンプレートの変更 (Alter Diagram Template)] ツールを実行できます。

カスタム ダイアグラム レイヤー定義があるテンプレート

カスタム ダイアグラム レイヤー定義があるテンプレートは、ダイアグラム レイヤー定義がすでに初期化されているテンプレートであり、各レイヤーの固定のカスタム レイヤー設定で関連するすべてのダイアグラムがネットワーク ダイアグラム コンポジット レイヤーに表示されます。この例を次に示します。

  • このテンプレートに関連するネットワーク フィーチャ ソース クラスまたはオブジェクト テーブルのみと適合させるため、ネットワーク ダイアグラム レイヤーの下のレイヤーの数を意図的に削減できます。
  • これらのレイヤーは、標準レイヤーまたはサブタイプ グループ レイヤーとして表示できます。
  • これらはラベルを表示するように設定されています。

次のトピックで詳しく説明するように、以下のツールを実行しているときに、既存のダイアグラム テンプレートに対してカスタム ダイアグラム レイヤー定義を設定できます。

注意:

カスタム ダイアグラム レイヤー定義ファイルはダイアグラム テンプレートの作成時に [ダイアグラム レイヤー定義ファイル] パラメーターに空でないネットワーク ダイアグラム レイヤー定義ファイル (.ndld) を指定して [ダイアグラム テンプレートの追加 (Add Diagram Template)] ツールを実行することによって設定することもできます。

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