洪水シミュレーション シナリオを実行するには、まず洪水シミュレーション レイヤーを 3D シーンに追加し、洪水シナリオを構成しておく必要があります。
洪水シミュレーション レイヤーの追加
洪水シミュレーション レイヤーをシーンに追加するには、次の手順を実行します。
- 信頼できる地表面の標高サーフェスを使用して、シーンを作成します。
たとえば、ラスター画像や標高サービスなどがあります。
ヒント:
次の点に注意してください。
- UTM ゾーンなどの投影座標系でローカル シーンを使用することをおすすめします。
- シミュレーションは、同じシーンの複数のビューで別々のシミュレーション時間で表示できます。 シミュレーション レイヤーの構成を変更すると、そのシーンのすべてのビューに適用されます。
- 必要に応じて、建物やダム壁など、洪水に関連した他の 3D ベクター コンテンツを追加します。
これらの 3D オブジェクトは、シミュレーションに使用される標高サーフェスでもキャプチャされます。
- [解析] リボンの [ワークフロー] グループで、[シミュレーション] ドロップダウン ギャラリー を展開して、プリセットを選択します。
- [デフォルト] - 水が事前に設定されていない洪水シミュレーション レイヤー。
- [降雨] - 豪雨を伴う洪水シミュレーション レイヤー。
- [水源] - 中央に水源がある洪水シミュレーション レイヤー。
シミュレーション ツールバーが表示されます。
- オプションのいずれかを使用して、対象エリアを指定します。
- [中心の位置] - 中心の位置をクリックした後、その位置からの距離をクリックします。 これがデフォルトの方法です。
ヒント:
特定の半径を定義するには R キーを押します。
- [方向付き四角形] - 四角形をスケッチします。
- [選択フィーチャからのエリア] - 選択したフィーチャの範囲を使用します。
- [選択レイヤーからのエリア] - 選択したレイヤーの範囲を使用します。
- [マップからのエリア] - マップの範囲を使用します。
- [カメラ ビューからのエリア] - 現在のカメラ ビューを使用します。
- [中心の位置] - 中心の位置をクリックした後、その位置からの距離をクリックします。 これがデフォルトの方法です。
- [エリア内にシミュレーションを作成] ボタン をクリックして、シミュレーションを作成します。
洪水シミュレーション レイヤーが [コンテンツ] ウィンドウの [シミュレーション] カテゴリに追加され、[シミュレーションの構成] ウィンドウが表示されます。 対象地域のディメンションがウィンドウに表示されます。 ディメンションには、長さ、幅、回転、セル サイズ、解像度などがあります。
ヒント:
対象地域が見づらい場合は、[コンテンツ] ウィンドウでシミュレーション レイヤーを展開し、[対象地域] シンボルを右クリックして、カラー パレットから別の色を選択します。
- マップ範囲が現在のビューよりも大きい場合、対象地域はマップ範囲の中心に作成され、ビューはその範囲にズームします。
- シミュレーション レイヤーのセルの最大サイズは 3.5 メートルです。 このため、エリアの範囲の長さは、最大処理解像度の 3.5 倍を超えることはできません。 たとえば、最大処理解像度が 4,096 のシミュレーション レイヤーでは、最大物理サイズは 4,096 x 3.5 m (14.3 km) になります。 この長さを超えるエリアを作成しようとすると、警告が表示され、そのエリアが最大値に合わせてクリップされます。
- シミュレーションの最大処理解像度は制限されており、3 つのレベル (2,048、4,096、8,192) のいずれかに設定できます。 高解像度の処理には多くのリソースが必要となり、パフォーマンスはハードウェアの品質と仕様、特にグラフィックス カードに依存します。
- 新しいシミュレーション レイヤーのデフォルトの最大処理解像度は、アプリケーション設定で定義されています。 [プロジェクト] タブで、[オプション] をクリックして [オプション] ダイアログ ボックスを開きます。 [マップおよびシーン] タブで、[洪水シミュレーション キャッシュ] 見出しを展開します。
- 個別のシミュレーション レイヤーでこの値をオーバーライドするには、[シミュレーション] タブの [アクティブ] グループにある [最大フィット] コントロール を使用します。
- 対象エリアの範囲が広くなると、解析に使用されるセル サイズも大きくなります。 たとえば、処理解像度が 4,096 の 2 キロメートル x 2 キロメートルの範囲では 0.49 メートルのセル サイズが使用され、8 キロメートル x 8 キロメートルの範囲では 1.95 メートルのセル サイズが使用されます。
- [最大フィット] ボタン をオフにすると、セル サイズを手動で調整できます。 デフォルトでは、このオプションがオンになっているため、セル サイズが自動的に算出されます。 ドロップダウン ギャラリーをクリックして、新しい最大解像度を選択します。 最大セル サイズが更新されます。
- 最大解像度を十分に小さくすると、対象地域のディメンションが縮小される場合があります。
- 異なる座標系を持つシーンから対象地域がコピーされた場合、対象地域が一致するように再投影されるため、ディメンションが変更される場合があります。
注意:
洪水シナリオの構成
シミュレーションでの水の動作 (降雨や水源ポイントなど) とシナリオのカスタマイズに追加するレイヤーを構成するには、次の手順を実行します。
- [コンテンツ] ウィンドウでシミュレーション レイヤーを右クリックし、[構成] をクリックして、必要に応じて [シミュレーションの構成] ウィンドウを開きます。
また、[シミュレーション] タブの [構成] グループで [シミュレーションの構成] ランチャー をクリックすることもできます。
[シミュレーションの構成] ウィンドウが表示されます。
- [シミュレーションの構成] ウィンドウで、シミュレーション期間全体を定義します。
- [降雨強度] の値を 1 つ以上指定し、その期間も指定します。
注意:
- 時間の経過に伴う変化を示すために、雨に関する行を複数指定します。
- 降雨強度の変化間のトランジションを円滑にするために、[降雨強度のトランジション時間] の値を分単位で入力します。
- 降雨強度が 0 の場合でも、期間の値が 1 つ以上必要となります。
- 降雨強度の期間の行を再配置、移動、削除するには、グレーの行ヘッダーを使用します。
- 次のいずれかを使用して、シミュレーションに追加するレイヤーを定義します。
- [表示] - 表示できるレイヤーがすべて含まれます。 これがデフォルトです。
- [カスタム] - レイヤーの表示設定を無視し、追加するレイヤーを手動で定義します。
- 必要に応じて、初期 [水深ラスター] 値を追加し、深さの単位を定義します。
注意:
初期水深では、シミュレーションが開始される前に対象エリアに水が追加されます。
- 必要に応じて、浸潤特性を追加します。
ラスターを使用して、対象エリア全体でさまざまな浸潤速度を定義するか、対象エリア全体で一定の浸潤速度を選択することができます。 浸潤では、時間の経過に伴って地表面に浸潤する水を表現するために、シミュレーション中に対象エリアから水が除去されます。 同じことが最大湿潤にも当てはまります。最大湿潤により、水が地表面に浸潤しなくなるタイミングが決定されます。
- 必要に応じて、全体の蒸発強度を追加します。
シミュレーションに使用する一定の蒸発強度をモデル化できます。 このためには、[シミュレーション] タブの [構成] グループにある [蒸発/時間] テキスト ボックスに 1 時間当たりの蒸発強度を入力します。 この単位は、降雨単位と一致させる必要があります。
- 必要に応じて、[対象エリア内に水を含む] オプションを有効にすると、定義した対象エリアからの水の放出が抑止されます。
これは、シミュレーションで局所的な洪水を再現する場合に役立ちます。
- [適用] をクリックします。
この構成変更はシミュレーション レイヤーに保存されます。
洪水シナリオの実行
シミュレーション レイヤーを追加して構成したら、洪水シミュレーションを実行できます。 このためには、[シミュレーション] タブの [構築] グループにある [実行] ボタン をクリックします。 クリックすると、表示されているレイヤーまたは指定した一連のカスタム レイヤーを使用して解析用の標高サーフェスが作成され、算出された水の移動と集積がビューに表示されます。
シミュレーションが実行されると、重要な時点のキャッシュが構築されます。 再生コントロールを使用して、結果を再生したり、段階的に表示したりすることができます。
構成に変更を加えた場合は、新しい結果を表示するために、シミュレーションを再実行し、キャッシュを再構築する必要があります。
注意:
シンボルに変更を加えた場合、シナリオを再実行する必要はありません。