ポータル プロジェクトには次のコラボレーション オプションがあります。
- [自分のみ] - プロジェクトは 1 台のコンピューターで作業している 1 人のユーザーによって使用および更新されます。
- [自分のみ (複数のデバイス)] - プロジェクトは、デスクトップ コンピューターとラップトップまたは仮想コンピューターなど、複数の異なるコンピューターで作業している 1 人のユーザーによって使用および更新されます。
- [他のユーザー] - プロジェクトは他のユーザーが使用するために組織管理者によって作成および構成されます。 必要に応じて、管理者はアイテムの所有権をそのユーザーに割り当てることができます。
- [自分と他のユーザー] - プロジェクトは共同作業環境の複数のユーザーによって使用および更新されます。
コラボレーション タイプはホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックス、共有プロパティの選択に影響します。 たとえば、コラボレーション タイプが [自分のみ] の場合、デフォルト ジオデータベースとして、ローカル ドライブに保存されているファイル ジオデータベース (.gdb) を使用できます。 コラボレーション タイプが [自分と他のユーザー] の場合、デフォルト プロジェクト アイテムはネットワーク ドライブ上になくてはならず、デフォルト ジオデータベースはエンタープライズ ジオデータベース (.sde) でなくてはなりません。マルチユーザー アクセスをサポートしているのはエンタープライズ ジオデータベースのみだからです。
注意:
どのコラボレーション タイプでも、デフォルト ツールボックスは ArcGIS ツールボックス (.atbx) にする必要があります。
[新しいポータル プロジェクト] ダイアログ ボックスで作成されたポータル プロジェクトに対し、コラボレーション タイプは [一般] タブで指定します。 デフォルトのプロジェクト アイテムと共有プロパティは [構成] タブで指定します。 選択したコラボレーション タイプでは設定が許可されていないか推奨されない場合、エラー メッセージや警告が表示されます。 これらのメッセージは、設定を更新すると削除されます。 設定を検証して、エラーと警告が解決していることを確認できます。
ウィザードを使用して作成したポータル プロジェクトでは、コラボレーション タイプは [コラボレーションの方法] パネルで指定します。 デフォルト プロジェクト アイテムと共有プロパティは、これ以降のパネルで指定します。 次のパネルに進む前に、各パネルの設定が検証されます。
自分専用のプロジェクトの構成
1 台のコンピューターで作業している 1 人のユーザーによって使用されるプロジェクトは次のように構成します。
- ホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックスはローカルまたはネットワーク コンピューター上に保存できます。
- デフォルト ジオデータベースとして、ファイル ジオデータベース、モバイル ジオデータベース、エンタープライズ ジオデータベースを使用できます。
- デフォルト ツールボックスとして、ArcGIS ツールボックス (.atbx) を使用する必要があります。
- このプロジェクトは 1 人のユーザーによって使用されることを想定しているため、共有オプションは表示されません。 共有プロパティは、ArcGIS Enterprise ポータルで後から変更できます。
複数のデバイスでの自分のみのプロジェクトの構成
複数のコンピューターで作業している 1 人のユーザーによって使用されるプロジェクトは次のように構成します。
- ホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックスは、すべてのコンピューターからアクセス可能なネットワーク ドライブ上に配置されなければなりません。 これらのアイテムの場所を UNC パスで指定することをおすすめします。
- デフォルト ジオデータベースとして、ファイル ジオデータベース、モバイル ジオデータベース、エンタープライズ ジオデータベースを使用できます。
- デフォルト ツールボックスとして、ArcGIS ツールボックス (.atbx) を使用する必要があります。
- このプロジェクトは 1 人のユーザーによって使用されることを想定しているため、共有オプションは表示されません。 共有プロパティは、ArcGIS Enterprise ポータルで後から変更できます。
他のユーザー用のプロジェクトの構成
他のユーザーが使用するために組織管理者によって作成されるプロジェクトは次のように構成します。
- ホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックスは、想定するユーザーがアクセス可能なネットワーク ドライブ上に保存しなければなりません。 これらのアイテムの場所を UNC パスで指定することをおすすめします。
- デフォルト ジオデータベースとして、ファイル ジオデータベース、モバイル ジオデータベース、エンタープライズ ジオデータベースを使用できます。
- デフォルト ツールボックスとして、ArcGIS ツールボックス (.atbx) を使用する必要があります。
- 共有オプションはポータル プロジェクトの構成時に使用できます。 あるいは、共有プロパティは ArcGIS Enterprise ポータルで後から変更できます。
- プロジェクトの作成後、管理者は ArcGIS Enterprise ポータルの対象ユーザーにアイテムの所有権を変更できます。
自分と他のユーザーのプロジェクトの構成
複数のユーザー用に作成されるプロジェクトは次のように構成します。
- ホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックスは、すべての共同作業者がアクセス可能なネットワーク コンピューター上に保存しなければなりません。 これらのアイテムの場所を UNC パスで指定することをおすすめします。
- データベース ジオデータベースとしてエンタープライズ ジオデータベースを使用する必要があります。 ファイル ジオデータベースとモバイル ジオデータベースではマルチユーザー編集はサポートされていません。
- デフォルト ツールボックスとして、ArcGIS ツールボックス (.atbx) を使用する必要があります。
- 共有オプションはポータル プロジェクトの構成時に使用できます。 あるいは、共有プロパティは ArcGIS Enterprise ポータルで後から変更できます。
- プロジェクトを共有の更新グループに共有する必要があります。 共有の更新グループのメンバーだけがプロジェクトに対する書き込みアクセスを持ちます。
プロジェクトの名前と場所
新しいポータル プロジェクトのデフォルトの場所は、[マイ コンテンツ] コレクションのルート フォルダーです。 必要に応じて、[マイ コンテンツ] で別のフォルダーを選択したり、[マイ コンテンツ] でフォルダーを作成したりすることができます。
ポータル プロジェクト名は [マイ コンテンツ] フォルダー内で一意でなければなりません。 異なるフォルダー内のポータル プロジェクトは同じ名前であってもかまいません。 また、所有する組織メンバーが異なるポータル プロジェクトは、同じ名前であってもかまいません。 ただし、混乱を避けるため、一意の名前を一貫して使用することをおすすめします。
デフォルト プロジェクト アイテム
ローカル プロジェクトと同様に、ポータル プロジェクトにはホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックスが必要です。 ポータル プロジェクトでは、ホーム フォルダーにプロジェクト (.aprx ファイル) は格納されませんが、マップ ファイルとレイヤー ファイル、エクスポートされたデータセット、接続ファイルなどのその他のファイルは、一般に、プロジェクト ホーム フォルダーに格納されます。
ポータル プロジェクトでは、デフォルト プロジェクト アイテムはプロジェクトの作成時に自動的に作成されません。 ポータル プロジェクトを作成するたびにこれらのデフォルト アイテムを指定することも、ArcGIS Enterprise ポータルでプロジェクトを作成するための一般オプションでデフォルト アイテム設定を作成することもできます。 ほとんどのプロジェクトで同じコラボレーション タイプを使用し、データ管理の手法として、同じアイテムを使用して各種プロジェクトに関連するファイル、データ、ツールを格納可能である場合は、プロジェクト アイテムにデフォルト設定を使用するのが便利です。
新しいプロジェクトを構成する際、必要に応じてデフォルト設定をオーバーライドできます。
注意:
管理者は、デフォルト設定を事前に設定し、ロックできます。
開いているプロジェクトでのデフォルト アイテムの変更
プロジェクトが作成された後で、ホーム フォルダー、デフォルト ジオデータベース、デフォルト ツールボックスを含む、現在の設定を変更できます。 新しいデフォルト アイテムはコラボレーション タイプに適したものでなければなりません。
データベース認証タイプ
ポータル プロジェクトのエンタープライズ ジオデータベースでは、オペレーティング システム認証を使用するか、データベース認証以外の認証タイプ (ある場合) を使用することをおすすめします。 データベース認証を使用する場合、プロジェクトを初めて開く際、別のコンピューターでプロジェクトを初めて開く際、またはプロジェクトのローカル コピーが削除された場合はプロジェクトを開きなおす際に、データベース認証を入力するよう求められます。
エンタープライズ ジオデータベース接続でデータベース認証を使用する場合、プロジェクトを検証すると警告が表示されます。 警告が表示されても、プロジェクトは作成できます。
詳細:
データベース認証を使用している場合、データベースのユーザー名とパスワードは、エンタープライズ ジオデータベース内のデータを参照するマップ レイヤーやその他のプロジェクト アイテムの定義に格納されます。 セキュリティ上の予防措置として、プロジェクトがポータルに保存されるときにこれらの認証情報は削除されます。 上記の状況では認証情報を再入力する必要があるのはこのためです。 その他の認証方法ではデータベース認証情報がアイテムの定義に保存されることはありません。
共有
他のポータル アイテムと同様、ポータル プロジェクトはアイテム所有者、組織、グループ (共有更新グループを含む) に共有できます。 ただし、プロジェクトを更新できるのは、アイテム所有者、組織管理者、そのプロジェクトが共有されている共有更新グループのメンバーだけです。
ポータル プロジェクトが組織に共有されているか、共有更新グループではないグループに共有されている場合、メンバーはプロジェクトを開いて表示できますが、ポータルに変更を保存できません。 変更を加えた場合、プロジェクトをローカル プロジェクトとして保存する必要があります。 更新の権限を持たないユーザーも、プロジェクト データを編集できます。 たとえば、編集者は、プロジェクトを保存することなく、ポータル プロジェクトを使用して Web レイヤーまたはエンタープライズ ジオデータベース フィーチャクラスを編集できます。
ダウンロードの場所
ダウンロードの場所は、ポータル プロジェクトを開いたときにポータル プロジェクトのローカル コピーが保存されるフォルダーです。 デフォルトの場所は C:\Users\<username>\Documents\ArcGIS\OnlineProjects フォルダーです。 ダウンロードの場所はプロジェクトの構成時には設定されず、ArcGIS Enterprise ポータルでプロジェクトを作成する際に一般オプションで指定します。
パフォーマンス
プロジェクトを開く、プロジェクトを保存する、ポータルから更新を取得するなどの操作は、ArcGIS Enterprise ポータルと ArcGIS Pro インストール間のファイル交換が必要です。 さらに、多くの場合、ポータル プロジェクトのデフォルト プロジェクト アイテムはネットワーク ドライブ上に配置されています。 これらのプロジェクト アイテムにファイルを保存したり、ファイルを取得したりすると、ネットワーク トラフィックが発生します。 ポータル プロジェクト データは、エンタープライズ ジオデータベースや、ポータルなどのサーバーでホストされる Web レイヤーなどのリモートの場所に格納されることもあります。 これは、データの取得と描画に影響が及びます。 アプリケーションのパフォーマンスに影響する問題と、パフォーマンスを向上するための手順については、「ArcGIS Pro のパフォーマンス」をご参照ください。