サブネットワーク システム ダイアグラムとその特性

サブネットワークはユーティリティ ネットワークのトポロジ上のサブパートを表しており、解析、操作、作業ユニットの割り当てを推進するために使用します。たとえば、サブネットワークは電気システムの回路や、ガスまたは水道の圧力ゾーンに対応します。 サブネットワークは、サブネットワーク内を流れるリソースの起点または終点である 1 つ以上のコントローラーに関連付けられて、ユーティリティ ネットワーク層の範囲を定めます。

ユーティリティ ネットワーク層は、同じレベル、名前の制限、およびトポロジ タイプをすべてが共有するサブネットワークのコレクションです。 たとえば、配電ネットワークには、副送電層、中電圧層、重送層、低電圧放射状層、および低電圧メッシュ層が存在する場合があります。

サブネットワークおよびソース プロパティの制限は、[サブネットワーク定義の設定 (Set Subnetwork Definition)] ツールを使用してユーティリティ ネットワーク層レベルで制御され、構成されます。

サブネットワーク システム ダイアグラム

ユーティリティ ネットワーク層に関連するサブネットワークを定義するときには、その層に 1 つ以上のダイアグラム テンプレートを割り当てることができます。 ダイアグラム テンプレートが設定されている場合、ユーティリティ ネットワーク層に対して [サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールを実行すると、データベース内の関連する指定したサブネットワークの属性、クラス、およびテーブルが更新されるだけでなく、関連する指定した各サブネットワークをダイアグラムで表すために、それらの割り当てられた各ダイアグラム テンプレートに基づいてシステム ダイアグラムが構築されます。

サブネットワーク システム ダイアグラムは、バックグラウンドで完全に管理されている特定のネットワーク ダイアグラムであり、[サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールによって作成され、維持されます。

以下のセクションでは、サブネットワーク システム ダイアグラムの作成および維持に役立つワークフローについて詳細に説明します。

ユーティリティ ネットワーク コントローラー、層、サブネットワークの詳細

サブネットワーク システム ダイアグラムの作成

データベース内にサブネットワーク システム ダイアグラムを作成するには、3 つのフェーズを実行する必要があります。 まず、システム ダイアグラムの基になるダイアグラム テンプレートをユーティリティ ネットワーク層に割り当てます。 次に、ネットワーク デバイスをそのユーティリティ ネットワーク層のサブネットワーク コントローラーとして設定します。 最後に、サブネットワークの更新を実行します。 このワークフローについて、以降のセクションで詳細に説明します。

ダイアグラム テンプレートのユーティリティ ネットワーク層への割り当て

ユーティリティ ネットワーク層へのダイアグラム テンプレートの割り当ては、[サブネットワーク定義の設定 (Set Subnetwork Definition)] ツールを使用して層に関連するサブネットワークを定義するときに実行する必要があります。

注意:

エンタープライズ ジオデータベースを操作する場合、この操作は、データベースのユーティリティ ネットワークの所有者として確立されデータベース接続から処理される必要があります。 接続された ArcGIS Enterprise ポータル アカウントは、ポータル ユーティリティ ネットワークの所有者である必要があります。

サブネットワーク定義の設定または変更の詳細

ヒント:

ユーティリティ ネットワーク層に割り当てられるダイアグラム テンプレートは通常、サブネットワーク層の簡略化された表現の生成に対応したルールおよびレイアウト定義を含むカスタム ダイアグラム テンプレートです。 基本、格納器の単純化、または格納器の展開のいずれかの標準テンプレートをサブネットワーク ダイアグラム テンプレートとして指定することは、ルールおよびレイアウト定義が適切でないため、推奨されません。

層に割り当てられるダイアグラム テンプレートのルールおよびレイアウト定義の詳細

注意:

ダイアグラム テンプレートがユーティリティ ネットワーク層のサブネットワーク ダイアグラム テンプレートとして指定され、ユーティリティ ネットワーク サービスを利用するようになった後に、このダイアグラム テンプレートは、リボン内の [ユーティリティ ネットワーク] タブにある [新規] ドロップダウン リストで、使用できなくなります。 テスト目的でデータベース接続を操作する場合、このダイアグラム テンプレートを、このドロップダウン リストから引き続き使用できます。

層のコントローラーとして使用するネットワーク デバイスの設定

1 つ以上のサブネットワーク ダイアグラム テンプレートが割り当てられたユーティリティ ネットワーク層を追加したら、次に、その層のサブネットワーク コントローラーとして使用するネットワーク デバイスを設定し、各コントローラーの名前 ([サブネットワーク コントローラー名] フィールド) およびサブネットワークの名前 ([サブネットワーク名] フィールド) を指定する必要があります。 この操作は、[サブネットワーク コントローラーの変更] ウィンドウで行う必要があります。

サブネットワーク コントローラーの設定方法の詳細

サブネットワーク システム ダイアグラムの作成

ネットワーク デバイスをコントローラーとして設定した後、その層に対して [サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールを実行できます。 このツールを使用すると、データベース内で完全に初期化された関連するすべてのサブネットワークおよび作成されているすべてのサブネットワーク システム ダイアグラムに関する情報を取得できます。

サブネットワークの更新の詳細

データベース内に作成されたサブネットワーク システム ダイアグラムの取得

ユーザー自身が作成してデータベースに保存した他のダイアグラムと同じように、サブネットワーク システム ダイアグラムも [ダイアグラムの検索] 機能 ダイアグラムの検索 を使用して取得できます。

表示された [ダイアグラムの検索] ウィンドウでは、サブネットワーク システム ダイアグラムがダイアグラム リストの 3 番目の列内にある緑色の感嘆符で識別され、それらのタグは、関係しているドメイン、層名、およびサブネットワーク名を示しています。

ダイアグラムの検索 ウィンドウのサブネットワーク システム ダイアグラム
注意:

ネットワーク トポロジを無効化すると、すべてのサブネットワークがダーティになり、すべてのサブネットワーク システム ダイアグラムに、システムのフラグが付けられなくなります。 そのような状況では、ネットワーク トポロジを再び有効化した後に、サブネットワークの更新によって、サブネットワーク システム ダイアグラムのフラグが復元されます。

サブネットワーク システム ダイアグラムの名前

サブネットワーク システム ダイアグラムの名前は、そのベースとなるダイアグラム テンプレートの名前と Subnetwork name フィールドのサブネットワーク名を結合したもので、次のような形式をとります。<DiagramTemplateName>_<SubnetworkName>

サブネットワーク システム ダイアグラムの管理

サブネットワーク システム ダイアグラムは、他のダイアグラムと同じ方法では管理できない特殊なダイアグラムです。 このダイアグラムは、特殊なシステム ルーチンを使用して維持します。

サブネットワーク システム ダイアグラムの一貫性

ダイアグラムがサブネットワーク システム ダイアグラムであるかどうかによって、ネットワーク空間に関するダイアグラムの一貫性の状態の管理はやや異なります。

システム管理されていないダイアグラムのネットワーク空間に関する一貫性の状態

システム管理されていないダイアグラムのネットワーク空間に関する一貫性の状態

(1) ダイアグラムの地理的エリアと交差する範囲に対して、トポロジを検証します。

(2) ダイアグラム内で使用されたネットワーク フィーチャまたはネットワーク オブジェクトの編集後に、トポロジを検証します。

(3) [ダイアグラムの更新 (Update Diagram)] は、一貫していないダイアグラムを一貫した状態に戻すために実行される最も一般的な操作です。 ただし、矛盾のあるダイアグラムに対して [ダイアグラムの上書き (Overwrite Diagram)][ダイアグラムの追加 (Append Diagram)]、または [ダイアグラムの拡張 (Extend Diagram)] ツールを実行することで、入力ダイアグラムの一貫性状態を変更することもできます。

サブネットワーク システム ダイアグラムのネットワーク空間に関する一貫性の状態

サブネットワーク システム ダイアグラムの一貫性状態

注意:

ユーティリティ ネットワーク トポロジを無効化した後に、サブネットワーク システム ダイアグラムに、システム ダイアグラムのフラグが付けられなくなります。 このフラグは、[サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールを実行すると復元されます。

上の図に示すように、サブネットワーク システム ダイアグラムがネットワーク編集空間と一貫性のある状態から矛盾のある状態に切り替わるのは、ダイアグラム内で使用されるユーティリティ ネットワーク フィーチャまたはネットワーク オブジェクトの編集後のみです。 サブネットワーク システム ダイアグラムの地理的エリアと交差する範囲でネットワーク トポロジを検証しても、非システム ダイアグラムのように、ネットワーク トポロジ空間と矛盾のある状態になることはありません。 ただし、編集後のサブネットワークに複数のサブネットワーク コントローラーが関連付けられている場合、関連付けられているすべてのサブネットワークおよび関連するシステム ダイアグラムは検証後にネットワーク トポロジ空間と矛盾のある状態になります。

矛盾のあるサブネットワーク システム ダイアグラムを一貫性のある状態に戻す唯一の方法は、[サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールを実行することです。

ネットワーク ダイアグラムの一貫性の詳細

サブネットワーク システム ダイアグラムの編集

ユーザー自身が生成した他のダイアグラムと同様に、ダイアグラム フィーチャのセット全体に対して、またはあらかじめ選択したサブセットに対して、必要なダイアグラム レイアウトを適用することによって、サブネットワーク システム ダイアグラム内のフィーチャのジオメトリを編集することができます。

サブネットワーク システム ダイアグラムのプロパティの変更

サブネットワーク システム ダイアグラムのプロパティを変更する (たとえば、名前、タグ、またはアクセス権限レベルを変更する) 方法はありません。 これらのプロパティは、ダイアグラムの作成時に内部で管理されます。

サブネットワーク システム ダイアグラムの更新

サブネットワーク システム ダイアグラムを更新する唯一の方法は、関連する層に対して [サブネットワークの更新 (Update Subnetwork)] ツールを実行することです。 その層のデータベース内にサブネットワーク システム ダイアグラムがすでに存在する場合、このツールは層のダーティ サブネットワークに関連するダイアグラムのみを処理します。

注意:

更新操作の前に存在したすべてのダイアグラム フィーチャについて、更新前のダイアグラム フィーチャのジオメトリが保持され、更新後も存在します。

サブネットワークの更新方法の詳細

サブネットワーク システム ダイアグラムの削除

サブネットワーク システム ダイアグラムを削除するには、サブネットワークそのものを削除します。

サブネットワークの削除方法の詳細

注意:

サブネットワーク システム ダイアグラムを含むネットワーク データセット全体に対して完全な権利と権限を持つポータル ユーティリティ ネットワークの所有者は、[ダイアグラムの削除 (Delete Diagram)] ツールを使用してサブネットワーク システム ダイアグラムを削除することもできます。

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