属性の不確実性に対する感度の評価 (Assess Sensitivity to Attribute Uncertainty) (空間統計)

サマリー

元の分析出力と、シミュレートされたデータを使用した複数回のツール実行結果を比較することで、分析結果の安定性を測定します。 シミュレートされたデータは、1 つ以上の分析変数の不確実性を考慮したものです。 サポートされる属性の不確実性には、許容誤差、信頼限界、元の属性値のパーセンテージの 3 種類があります。

属性の不確実性に対する感度の評価の仕組みの詳細

属性の不確実性に対する感度の評価ツールの図

使用法

  • [分析結果フィーチャ] パラメーターには、空間統計ツールボックスの次のいずれかのツールから得られた分析結果が必要です。

  • このツールは、元の分析とシミュレートされた分析との違いを比較するレイヤー、チャート、ポップアップを含む出力グループ レイヤーを生成します。

  • ツールからの出力は、評価される分析のタイプによって異なります。

    • ホット スポット分析、最適化ホット スポット分析、クラスター/外れ値分析、最適化外れ値分析の場合、元の分析出力のコピーと、シミュレートされた分析の少なくとも 80% で元の分析と異なる結果となった場所をハイライト表示するレイヤーを提供します。
    • 一般化回帰分析の場合、元の分析出力のコピーと、各シミュレーションの結果を含むテーブルを提供します。 テーブルには、シミュレーション全体の回帰分析の結果 (相関係数の二乗、Jarque-Bera、係数の分布) を視覚化するチャートが含まれます。
    • 空間的自己相関分析 (Global Moran's I) の場合、分析入力フィーチャのコピーと、各シミュレーションの結果を含むテーブルを提供します。 テーブルには、シミュレーション全体の Z スコアと Global Moran's I の結果を視覚化するチャートが含まれます。
  • ツールが実行するシミュレーションは、次のパラメーターによって構成されます。

    • [不確実性タイプ] - 属性の不確実性を計測する方法と、シミュレートされたデータにおいて許容される不確実性の範囲を指定します。 たとえば、許容誤差フィールドは、分析変数の値における不確実性を表すために使用できます。
    • [シミュレーション法] - さまざまな統計分布を使用して、シミュレートされたデータを生成する方法を指定します。 たとえば、[シミュレーション法] パラメーターの [正規] オプションは、シミュレートされた値を正規分布で生成します。 元の属性値は平均で、[不確実性タイプ] パラメーター (許容誤差) は標準偏差を決定します。
    許容誤差チャート
    正規のシミュレーション法では、正規分布を使用してシミュレートされた値を生成します。 [不確実性タイプ][許容誤差] である場合、分布の平均は元の属性値で、標準偏差は許容誤差になります。
  • [シミュレーション データ制限] パラメーターでは、シミュレーションをさらに細かく設定できます。 このパラメーターを使用し、分析において意味をなさないデータをシミュレーションで生成しないように回避できます。たとえば、分析変数が貧困ラインを下回る人口の割合である場合に、負の値を生成しないようにするなどです。

  • このツールは、[分析結果フィーチャ] パラメーター値のメタデータを読み取り、レイヤーを生成した分析ツールを特定します。 レイヤーに対して複数のツールが実行された場合、直近のツールが使用されます。

パラメーター

ラベル説明データ タイプ
分析結果フィーチャ

空間統計ツールの出力分析結果を含むフィーチャクラス。 特定のツールのみがサポートされています。 安定性が評価される分析結果です。

Feature Layer
出力フィーチャ

元の分析結果のコピーと、各フィーチャの分析の安定性を要約するフィールドを含む出力フィーチャ。

Feature Class
出力シミュレーション テーブル

分析の安定性を要約するフィールドを含む出力テーブル。

Table
分析入力フィーチャ
(オプション)

分析結果フィーチャを生成した分析において使用された入力フィーチャ。

Feature Layer
不確実性タイプ
(オプション)

属性の不確実性の計測方法を指定します。

  • 許容誤差元の分析の入力フィーチャクラスには、各フィーチャの対称的な許容誤差を含むフィールドがあり、これが使用されます。
  • 上限と下限元の分析の入力フィーチャクラスには、各フィーチャの下限と上限を持つフィールドが含まれており、これが使用されます。 上限と下限は、フィーチャの分析変数値に対して非対称的であることがあります。
  • 上限パーセンテージと下限パーセンテージ分析変数は、[下限パーセンテージと上限パーセンテージの値] パラメーターによって調整されます。
String
許容誤差フィールド
(オプション)

分析変数の許容誤差 (MOE) を含むフィールド。 MOE は、シミュレーション値が生成される対称分布を構築するために使用されます。

Value Table
下限フィールドと上限フィールド
(オプション)

分析変数の下限と上限を含むフィールド。 値は、下限信頼限界と上限信頼限界の間で生成されます。

Value Table
下限パーセンテージと上限パーセンテージ
(オプション)

シミュレーションの値範囲を作成するために、分析変数の元の値から減算または加算される元の属性値のパーセンテージ。

Value Table
シミュレーションの回数
(オプション)

シミュレーションの実行回数。

Long
シミュレーション法
(オプション)

データのシミュレートに使用される確率分布を指定します。

  • 正規正規分布が使用されます。 これがデフォルトです。
  • 一様一様分布が使用されます。
  • 三角三角分布が使用されます。
String
シミュレーション結果のワークスペース
(オプション)

各シミュレーションの分析結果が格納される既存のワークスペース。 ワークスペースにはフォルダーまたはジオデータベースを指定できます。

Workspace
シミュレーション データの制限
(オプション)

シミュレーション値の下限値と上限値。 シミュレートされたすべての値が、この制限内にあります。 たとえば、個数またはパーセンテージについては、個数やパーセンテージが負にならないように下限値をゼロにします。

Value Table
許容誤差の信頼度
(オプション)

許容誤差の信頼度。 たとえば、95% 信頼区間から許容誤差が生成された場合、値を 95 にします。

Long

派生した出力

ラベル説明データ タイプ
出力グループ レイヤー

出力のグループ レイヤー。

Group Layer
シミュレーション結果のワークスペース

各シミュレーションの分析結果が格納されるワークスペース。 ワークスペースにはフォルダーまたはジオデータベースを指定できます。

Workspace

arcpy.stats.AttributeUncertainty(in_features, out_features, out_simulation_table, {analysis_input_features}, {uncertainty_measure}, {moe_field}, {confidence_bound_field}, {randomize_pct}, {num_simulations}, {simulation_method}, {output_workspace}, {sim_data_limits}, {moe_conf_level})
名前説明データ タイプ
in_features

空間統計ツールの出力分析結果を含むフィーチャクラス。 特定のツールのみがサポートされています。 安定性が評価される分析結果です。

Feature Layer
out_features

元の分析結果のコピーと、各フィーチャの分析の安定性を要約するフィールドを含む出力フィーチャ。

Feature Class
out_simulation_table

分析の安定性を要約するフィールドを含む出力テーブル。

Table
analysis_input_features
(オプション)

分析結果フィーチャを生成した分析において使用された入力フィーチャ。

Feature Layer
uncertainty_measure
(オプション)

属性の不確実性の計測方法を指定します。

  • MOE元の分析の入力フィーチャクラスには、各フィーチャの対称的な許容誤差を含むフィールドがあり、これが使用されます。
  • CONFIDENCE_BOUNDS元の分析の入力フィーチャクラスには、各フィーチャの下限と上限を持つフィールドが含まれており、これが使用されます。 上限と下限は、フィーチャの分析変数値に対して非対称的であることがあります。
  • PERCENTAGE分析変数は、randomize_pct パラメーターによって調整されます。
String
moe_field
[moe_field,...]
(オプション)

分析変数の許容誤差 (MOE) を含むフィールド。 MOE は、シミュレーション値が生成される対称分布を構築するために使用されます。

Value Table
confidence_bound_field
[confidence_bound_field,...]
(オプション)

分析変数の下限と上限を含むフィールド。 値は、下限信頼限界と上限信頼限界の間で生成されます。

Value Table
randomize_pct
[randomize_pct,...]
(オプション)

シミュレーションの値範囲を作成するために、分析変数の元の値から減算または加算される元の属性値のパーセンテージ。

Value Table
num_simulations
(オプション)

シミュレーションの実行回数。

Long
simulation_method
(オプション)

データのシミュレートに使用される確率分布を指定します。

  • NORMAL正規分布が使用されます。 これがデフォルトです。
  • UNIFORM一様分布が使用されます。
  • TRIANGULAR三角分布が使用されます。
String
output_workspace
(オプション)

各シミュレーションの分析結果が格納される既存のワークスペース。 ワークスペースにはフォルダーまたはジオデータベースを指定できます。

Workspace
sim_data_limits
[sim_data_limits,...]
(オプション)

シミュレーション値の下限値と上限値。 シミュレートされたすべての値が、この制限内にあります。 たとえば、個数またはパーセンテージについては、個数やパーセンテージが負にならないように下限値をゼロにします。

Value Table
moe_conf_level
(オプション)

許容誤差の信頼度。 たとえば、95% 信頼区間から許容誤差が生成された場合、値を 95 にします。

Long

派生した出力

名前説明データ タイプ
out_group_layer

出力のグループ レイヤー。

Group Layer
out_workspace

各シミュレーションの分析結果が格納されるワークスペース。 ワークスペースにはフォルダーまたはジオデータベースを指定できます。

Workspace

コードのサンプル

AttributeUncertainty の例 1 (Python ウィンドウ)

次の Python スクリプトは、AttributeUncertainty 関数の使用方法を示しています。

import arcpy

in_features = r"C:\US_poverty.gdb\hot_spot_analysis_results"
out_features = r"C:\US_poverty.gdb\uncertainty_pop_below_poverty_line"
analysis_input_features = r"C:\US_poverty.gdb\poverty_prevalence_us_counties"
uncertainty_measure = "PERCENTAGE"
randomize_pct = "pop_below_poverty_line 5 10",
num_simulations = 30
simulation_method = "UNIFORM"
sim_data_limits = "pop_below_poverty_line 0 #"

arcpy.stats.AttributeUncertainty(
    in_features, out_features, None, analysis_input_features, uncertainty_measure, 
    None, None, randomize_pct, num_simulations, simulation_method, None, sim_data_limits)
AttributeUncertainty の例 2 (スタンドアロン スクリプト)

次の Python スクリプトは、AttributeUncertainty 関数の使用方法を示しています。

# Analyze the stability of a hot spot analysis 

import arcpy 

arcpy.env.workspace = r"C:\US_poverty.gdb"

try: 
				# Run the Hot Spot Analysis (Local Gi*) tool to analyze the spatial distribution of U.S. residents living below the poverty line
    arcpy.stats.HotSpots(
        Input_Feature_Class="poverty_prevalence_us_counties",
        Input_Field="pop_below_poverty_line",
        Output_Feature_Class="hot_spot_analysis_results",
        Conceptualization_of_Spatial_Relationships="K_NEAREST_NEIGHBORS",
        number_of_neighbors=30)

					# Run the Attribute Uncertainty tool with a percentage uncertainty
					arcpy.stats.AttributeUncertainty(
    					in_features="hot_spot_analysis_results",
    					out_features="uncertainty_pop_below_poverty_line",
    					analysis_input_features= "poverty_prevalence_us_counties",
    					uncertainty_measure="PERCENTAGE",
    					randomize_pct="pop_below_poverty_line 5 10",
   					 num_simulations=30,
    					simulation_method="UNIFORM",
    					sim_data_limits="pop_below_poverty_line 0 #")

except arcpy.ExecuteError:
    # If an error occurred when running the tool, print the error message.
    print(arcpy.GetMessages())

ライセンス情報

  • Basic: Yes
  • Standard: Yes
  • Advanced: Yes

関連トピック