概要
- 視聴時間: 1:30
- このビデオは ArcGIS Pro 2.3 を使用して作成されています。
ArcMap ユーザーの場合は、作業を ArcGIS Pro に移すことができます。このチュートリアルでは、新しい ArcGIS Pro プロジェクトを作成し、ArcMap マップ パッケージ (*.mpk) をインポートして、結果を分析します。
ArcMap マップ パッケージは、マップ ドキュメント (*.mxd) だけでなく、マップ レイヤーが参照するデータも含まれているポータブルなファイルです (ArcGIS Pro マップ パッケージと似ていますが、ファイル拡張子が異なります)。
ArcMap ユーザーでない場合でも、状況に応じてArcGIS Proにマップ ドキュメントまたはマップ パッケージを取り込む必要があります。このチュートリアルでは、ArcMap ソフトウェアは必要ありません。
- 所要時間: 20 分
- ソフトウェア要件: ArcGIS Pro
メモ:
オンライン ヘルプのチュートリアル手順には、現在のソフトウェア リリースの外観と機能が反映されています。以前のソフトウェア バージョンをお使いの場合は、オフライン ヘルプ システムを使用してチュートリアルを開きます。オンライン ヘルプ システムからオフライン ヘルプ システムに切り替えるには、「ArcGIS Pro ヘルプについて」のトピックで「ヘルプ ソースの設定」をご参照ください。ArcGIS Pro がない場合、ArcGIS Pro の無料トライアルにサイン アップできます。
プロジェクトの作成
- 必要に応じて、ArcGIS Pro を起動してサイン インします。
- 開始ページの [新規] で [テンプレートを使用せずに開始 (後で保存できます)] をクリックします。
メモ:
プロジェクトをすでに開いている場合は、リボン上の [プロジェクト] タブをクリックします。左側にあるタブのリストで [新規作成] をクリックします。[プロジェクト テンプレート] で [テンプレートを使用せずに開始 (後で保存できます)] をクリックします。
プロジェクトを作成するよう指示せずにアプリケーションが開きます。通常は、作業内容をプロジェクトとして ArcGIS Pro に保存しますが、これは必ずしも必要ではありません。たとえば、データ探索や管理に関するタスクの場合は、プロジェクト ファイルに結果を保存する必要がないこともあります。ArcGIS Pro をテンプレートなしで開始した後、セッションの間に作業内容を随時プロジェクトとして保存できます。
テンプレートなしで開始すると、アプリケーションにはどのビューも開かれません。
- リボンの [表示] タブをクリックします。[ウィンドウ] グループで [ウィンドウのリセット] をクリックし、[マッピングのための [リセット] ウィンドウ (デフォルト)] をクリックします。
これにより、[コンテンツ] ウィンドウと [カタログ] ウィンドウが開き、他のウィンドウが閉じられます。
マップ パッケージのインポート
インポートする ArcMap マップ パッケージには、2 つのデータ フレームと 1 つのレイアウトで構成されたマップ ドキュメントが含まれています。一方のデータ フレームは、ウェリントンのケルバーン郊外の区域を表示します。もう一方のデータ フレームは、市における郊外の位置関係を示します。
両データ フレームはレイアウト上に表示され、凡例、ピクチャ、マップ エレメントも含みます。
- リボンの [挿入] タブをクリックします。[プロジェクト] グループで、[マップのインポート] をクリックします。
- 参照ダイアログ ボックスの左側にあるディレクトリ内の [ポータル] で、[ArcGIS Online] をクリックします。
メモ:
代わりに [ArcGIS Enterprise] が表示される場合は、アクティブなポータルを ArcGIS Online に設定するか、ブラウザーからマップ パッケージをダウンロードして、その保存場所を参照します。クイックスタート チュートリアルへのアクセス方法の詳細。
- ダイアログ ボックスの上部にある [検索] ボックスに「Kelburn map package」と入力して Enter キーを押します。
- 検索結果のリストで、[Kelburn] をクリックして、マップ パッケージを選択します。
メモ:
この名前のプロジェクト パッケージが複数ある場合、[所有者] 列を確認します。所有者の名前が [ArcGISProTutorials] のアイテムを選択します。検索結果が返されない場合は、「クイックスタート チュートリアルへのアクセス」をご参照ください。
- [OK] をクリックします。
[Kelburn] という名前のマップ ビューが表示されます。このマップは、ArcMap マップ ドキュメント内の 2 つのデータ フレームのいずれかに対応しています。郊外の境界線、歩道、道路、および区域を表すレイヤーがダーク グレーのベースマップ上に表示されます。[カタログ] ウィンドウを使用すると、マップ ドキュメントとともにインポートされた他のアイテムを表示できます。
- [カタログ] ウィンドウの [プロジェクト] タブで [マップ] を展開します。
プロジェクトには、開いた [Kelburn] マップと [Wellington] という名前のマップの 2 つのマップがあります。[Wellington] マップは、ArcMap ドキュメントの 2 つ目のデータ フレームに対応します。ArcMap ドキュメントの各データ フレームは、ArcGIS Pro の個別のマップになります。
次の図は、ArcMap の [コンテンツ] ウィンドウ内の 2 つのデータ フレームを示します。
- [カタログ] ウィンドウの [マップ] の下で、[Wellington] を右クリックして [開く] をクリックします。
ウェリントン市の境界は明るい黄色で表示されています。ケルバーン郊外は赤のアウトラインでマークされています。
- [カタログ] ウィンドウで、[レイアウト] を展開します。
ArcMap ドキュメントのレイアウトは、ArcGIS Pro のレイアウト アイテムになります。レイアウトの名前 (KelburnMap) は、インポートした ArcMap ドキュメントの名前と一致します。
- [レイアウト] で [KelburnMap] を右クリックし、[開く] をクリックします。
レイアウトは、このセクションの始めに示した ArcMap レイアウトの画像のようになります。
同じプロジェクト内に [Kelburn] という名前のマップと [KelburnMap] という名前のレイアウトがあり、紛らわしくなっているのでご注意ください。レイアウトの名前を変更します。
- [カタログ] ウィンドウの [レイアウト] の下で、[KelburnMap] を右クリックして [名前の変更] をクリックします。
- レイアウトの名前を [Kelburn Layout] に変更し、Enter キーを押します。
新しい名前が [カタログ] ウィンドウとレイアウト ビュー タブに表示されます。現在、このプロジェクトには、[Kelburn] マップ、[Wellington] マップ、および [Kelburn Layout] レイアウトの 3 つのビューが開いています。レイアウト ビューがアクティブになっています。
ArcGIS Pro ウィンドウの右上隅にある [通知] ベル に青色の点が付いています。これは、確認が必要な通知があることを意味します。この場合の通知は、マップのインポート処理に関するものです。 - [通知] ベル をクリックします。
[通知] ウィンドウが表示されます。
- [通知] ウィンドウで、該当するメッセージにマウス ポインターを合わせて [結果の表示] をクリックします。
ブラウザー タブ (ローカル ファイルにポイントする) がインポートの結果とともに開きます。ベースマップ レイヤーをサービスに直接公開することはできないという警告が 3 回表示されます (この警告が 3 回表示される理由は、[Wellington] マップにベースマップがあり、[Kelburn] マップにベースマップとベースマップ参照レイヤーがあるためです)。これは重大度の高い警告ですが、この警告が重要となるのは、マップを共有している場合に限ります。
それ以外の 3 つの警告は、インポートしたレイアウトに問題がある可能性を示しています。これらは一般的な警告であり、このレイアウトに固有の問題を示しているわけではありません。
- インポート結果を表示しているブラウザー タブを閉じます。
- [通知] ウィンドウで、[メニュー] ボタン をクリックしてから [すべて削除] をクリックします。
[通知] ベルに青色の点が表示されなくなります。
- [通知] ウィンドウを閉じます。
メモ:
マップ ドキュメントを ArcCatalog または ArcMap の [カタログ] ウィンドウから ArcGIS Pro の [カタログ] ウィンドウまでドラッグしてインポートすることもできます。1 回の処理でインポートできるように、複数のマップ ドキュメントを選択します。
マップを探索する
Kelburn マップは郊外の地区指定を示しています。郊外の 50 パーセント以上が居住用区域になっています。約 35 パーセントがオープン スペース区域に指定されています。約 12 パーセントを Victoria University of Wellington が占有しており、施設区域として指定されています。1 パーセント未満が商用区域になっています。
Wellington のマップは概観のマップです。Wellington における Kelburn の位置関係を示します。
両方のマップを調べて、ArcMap で設定されたレイヤー プロパティが ArcGIS Pro で維持されていることを確認します。
- [Kelburn] マップ ビュー タブをクリックしてアクティブにします。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Zoning] レイヤーをクリックして選択します。
- リボンの [フィーチャ レイヤー] で、[表示設定] タブをクリックします。[描画] グループで、[シンボル] をクリックします。
[シンボル] ウィンドウが表示されます。ArcMap と同じように、[Zoning] レイヤーがレイヤー属性テーブルの Zone フィールドの個別値でシンボル表示されます。
ArcGIS Pro と ArcMap は異なる方法を使ってシンボルを作成しますが、ほとんどの場合、インポートされたシンボルの表示は同じです。ArcGIS Pro でシンボルをモデル化する方法については、「シンボル」をご参照ください。
メモ:
Zoning レイヤーのシンボルの色は、ArcMap と ArcGIS Pro で同じ RGB 値になります。ただし、アルゴリズム カラー ランプをインポートした場合や、RGB 以外のカラー モデルで色が定義されている場合、シンボル カラーは正確に一致していない場合があります。「インポートされたマップ ドキュメントの表示の違い」をご参照ください。
このレイヤーについて、シンボル プロパティがインポートされたマップで維持されていることを確認しました。次に、レイヤー属性テーブルのフィールド プロパティが維持されていることを確認します。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Roads] レイヤーを右クリックし、[設計] > [フィールド] をクリックします。
[Roads] 属性テーブルのフィールド ビューが開きます。フィールド ビューを使用して、フィールド プロパティを表示および編集します。次の図は、フィールド名、エイリアス、データ タイプなどのプロパティが変更されずにインポートされたことを示しています。
- [フィールド: Roads (Kelburn)] ビューを閉じます。
- [Wellington] マップ ビューをアクティブにします。
- リボンの [マップ] タブで、[ブックマーク] をクリックします。[Wellington ブックマーク] の下にある、[Suburbs] をクリックします。
マップを拡大すると、Wellington 郊外の名前と境界が表示されます (これらのブックマーク自体は ArcMap ドキュメントからもインポート済みです)。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[Suburb Boundaries] レイヤーをクリックして選択します。
- リボンの [フィーチャ レイヤー] で、[表示設定] タブをクリックします。
[表示縮尺範囲] グループで、[表示縮尺の下限] 設定 が 1:100,000 になっていることに注意してください。これは、ArcMap でのレイヤーの [縮尺範囲] 設定に一致しています。
ヒント:
ArcGIS Pro では、現在のマップ縮尺は、マップ ビューの左下隅に表示されます。
- リボンの [フィーチャ レイヤー] で、[ラベリング] タブをクリックします。
[レイヤー] グループの [ラベル] ボタン が選択されています。これにより、レイヤーのラベリングが有効になっていることが確認されます (ボタンをクリックすると、ラベルのオン/オフが切り替わります)。
[テキスト シンボル] グループにラベル シンボル プロパティが表示されます。フォントは Arial 8 ポイント標準であり、色は Lichen Green です (RGB 値は 137, 137, 68)。これらの設定は ArcMap のレイヤー プロパティ設定に一致しています。
メモ:
ArcGIS Pro では、高度なラベル設定は [ラベル クラス] ウィンドウを使用して管理します。[ラベリング] タブの [テキスト シンボル] ダイアログ ボックス ランチャー または [ラベルの配置] ダイアログ ボックス ランチャー をクリックすると、このウィンドウが開きます。
レイアウトの探索
ArcMap レイアウトと ArcGIS Pro レイアウトをざっと見て比較すると、ほとんど同じであることがわかります。ここでは、いくつかのレイアウト エレメントを詳しく調査します。
- [Kelburn Layout] ビューをアクティブにします。
直前のセクションで、Wellington マップを拡大して郊外の名前と境界を表示しました。レイアウト内の Wellington マップ フレームは都市全体に縮小されたままになっています。ArcGIS Pro では、マップ ビュー内を自由に移動しながらレイアウトを構成できます。
[コンテンツ] ウィンドウに、レイアウト内のすべてのエレメントが一覧表示されます。エレメントを操作するには、レイアウト ビューまたは [コンテンツ] ウィンドウでエレメントを選択します。
ヒント:
[コンテンツ] ウィンドウ内のレイアウト エレメントにポインターを合わせると、エレメントを識別できます。
- [コンテンツ] ウィンドウで、[交差縮尺記号] をクリックします。
[コンテンツ] ウィンドウとレイアウトでアイテムが選択されます。縮尺記号は Kelburn マップ フレームの左下にあります (選択ボックスが黒のため、選択されていることがわかりにくくなっています)。
- リボンの [縮尺記号] の下で、[デザイン] タブをクリックします。
目盛幅、目盛の数、単位など、縮尺と単位の設定が ArcMap から正しくインポートされています。
その他のレイアウト エレメント設定も正しくインポートされています。たとえば、テキスト エレメントは同じフォント プロパティになっています。Kelburn マップ フレームと Wellington マップ フレームの縮尺も元の ArcMap レイアウトと同じになっています。
わずかな違いが凡例に見られます。ArcGIS Pro の凡例の [Roads] の下にある [Cable Car] 凡例項目が [Streets] の上に表示されています。ArcMap の凡例では、[Streets] が上にあります。
この違いは誤りではありません。これは、ArcGIS Pro と ArcMap では、レイヤー内の <他のすべての値> シンボルの優先順位付けが別々の方法で行われるために生じます。
プロジェクトの保存 (オプション)
ArcMap ドキュメントをインポートし、ArcGIS Pro での見た目を確認しました。比較には興味はあるがマップを保存する必要はない場合は、ArcGIS Pro を終了し、変更内容を保存するかどうか確認されたら [いいえ] をクリックします。プロジェクト ファイルは保存されません。または、今後の作業用としてマップを保存するには、プロジェクトを保存します。
- [クイック アクセス ツールバー] で、[保存] をクリックします。
[名前を付けてプロジェクトを保存] ダイアログ ボックスが表示されます。プロジェクトの保存場所としてデフォルトの場所をそのまま使用するか、別の場所を参照できます。[一般オプション] で、プロジェクトを保存するカスタムの場所を設定することもできます。
- [名前] ボックスに「Kelburn」と入力します。
- [保存] をクリックします。
プロジェクト ファイルと関連アイテム (プロジェクト ジオデータベースやツールボックスなど) は、プロジェクトと同じ名前を持つフォルダーに保存されます。
ArcGIS Pro は、ArcMap からほとんどのデータ フレームとレイヤー プロパティを正確にインポートします。ただし、2 つのアプリケーションの描画エンジンは異なっているため、シンボル、色、およびフォントの処理方法に違いが生じる場合があります。ArcGIS Pro は、基板となる機能がサポートされていない場合、ArcMap からエレメントをインポートしません。たとえば、マップ アノテーションはインポートされません。
ArcMap ドキュメントに加えて、ArcScene と ArcGlobe から 3D ドキュメントをインポートできます。「プロジェクトの作成」および「マップからシーンへの変換」クイックスタート チュートリアルに示されているように、ArcGIS Pro の 2D マップを 3D シーンに変換することもできます。ArcGIS Pro のレイアウトの詳細については、「レイアウトの作成」というチュートリアルをお試しください。
ArcMap から ArcGIS Pro へのモデルとスクリプトのインポートについては、以下の関連トピックの最後の 2 項目をご参照ください。